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リートベルト解析を用いた結晶構造解析

ドキュメント内 修 士 学 位 論 文 (ページ 39-42)

第 3 章 HEA 型のブロック層を持つ REO 0.5 F 0.5 BiS 2 系超伝導体の合

3.2 リートベルト解析を用いた結晶構造解析

図31に実験室のXRD装置より得られた試料BのX線回折パターンとリートベルト解析 結果を示す。その他3つの試料のX線回折パターンとリートベルト解析結果は付録1に示 す。X線回折パターンの回折ピークは、正方晶(P4/nmm)を示した。

REサイトの希土類元素の組成比を変更しても空間群(P4/nmm)に影響を及ぼさないが、図 32(a)に示すように、格子定数aが試料AからDまで系統的に収縮している。この傾向は Ce1-xNdxO0.5F0.5BiS2や他の関連した系統と類似している。一般的にREOBiS2系層状化合物は REサイトのREイオン半径の大きさが直接、格子定数aと関連している[33,58]。

一方、図32(b)に示すように、HEA型REO0.5F0.5BiS2の格子定数cは試料AからDまで 膨張している。先行研究で、REOBiS2系層状化合物の格子定数cはキャリア濃度が増加する と減少する[33,80]。それ故に、試料C, Dのc軸長の膨張は電子キャリア濃度の減少に関係 している可能性がある。試料C, Dは試料A, Bと比較して、Smイオンの濃度が大きい。Sm イオンは2価と3価の混合原子価状態をとり得ることが提唱されている[81]。この現象によ り、Smイオンの濃度が大きくなると2価のSmイオンの濃度が大きくなる可能性がある。

さらに、HEA型の格子定数aは従来型REO0.5F0.5BiS2(REサイトを1つまたは2つのイオ ンが占有している状態を従来型とする)より明らかに大きい。これが示しているのは、RE サイトにあるREの平均イオン半径は3価のREイオンよりも大きいことである。

表2に結晶構造パラメーターを示す。面内Bi-S1の距離は格子定数aが収縮するにつれて 短くなった。S1-Bi-S1の角度は試料AからDでほぼ180度になった。そのため、BiS1面の 平坦さが変化することなく、Bi-S1の距離の減少が面内化学圧力になる[58]。

試料の均一性については、X 線回折パターンの回折ピークによって評価することができ ると考えた。HEA 型試料は異なる RE イオンを持つ粒子が局所的に相分離している可能性 がある。しかしながら、図32(c)に示すように、HEA型試料の110ピークはREサイトに 希土類元素が5種類混ざっていることにより、Laや Ndだけのときよりもわずかにシャー プになっている。さらに、110ピークの半値幅(FWHM)は図32(d)に示すように、従来 型REO0.5F0.5BiS2よりもHEA型試料のほうが狭くなっている。このことからHEA型試料の ほうが従来型より均一性が高い可能性がある。さらに、HEA効果によってREO0.5F0.5BiS2の 構造を安定化させている可能性がある。

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図31 試料Bのリートベルト解析結果と結晶構造

表2 試料A, B, C, Dの結晶構造パラメーターとTc

Sample label A B C D

RE (nominal) La0.3Ce0.3Pr0.2Nd0.1Sm0.1 La0.2Ce0.2Pr0.2Nd0.2Sm0.2 La0.1Ce0.1Pr0.3Nd0.3Sm0.2 La0.1Ce0.1Pr0.2Nd0.3Sm0.3

RE (EDX) La0.28Ce0.31Pr0.19Nd0.12Sm0.10 La0.19Ce0.21Pr0.21Nd0.20Sm0.19 La0.09Ce0.09Pr0.30Nd0.32Sm0.20 La0.10Ce0.11Pr0.19Nd0.30Sm0.30

Space group Tetragonal P4/nmm (No. 129)

a (Å) 4.03587(8) 4.02046(8) 4.01173(8) 4.00785(8)

c (Å) 13.4029(3) 13.4173(3) 13.4192(3) 13.4314(4)

V (Å3) 218.309(8) 216.879(8) 215.969(8) 215.747(9)

Bi-S1 distance (Å) 2.85381(7) 2.84294(7) 2.83672(7) 2.83399(7)

S1-Bi-S1 angle (º) 179.6(3) 179.4(3) 179.9(3) 179.6(4)

Rwp (%) 8.1 7.0 7.1 6.9

Tczero (K) 3.0 3.8 4.2 4.5

Tconset (K) 3.4 4.3 4.7 4.9

Tc (K) 0.4 0.5 0.5 0.4

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図32(a, b)試料A, B, C, Dと従来型REO0.5F0.5BiS2格子定数

(c)X線回折パターンの110ピーク(d)110ピークの半値幅(FWHM)

3.2.1 SEMEDX

図33に試料A, B, C, DのSEM像を示す。ランダムな点をEDXで分析し、それら5点の

平均から、REサイトを構成しているREの組成比を求めた。

表2に示すように、4つの試料すべてにおいてREサイトはほぼ仕込み通りの組成比とな っている。この結果はYehらの論文で定義されたHEAの組成比と一致している[65]。また、

EDX 分析では不純物が検出されなかった。この結果は、X 線回折パターンのリートベルト 解析結果とよく一致している。

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図33 試料A, B, C, DのSEM像

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