図4.11のようなランダムドットステレオグラムの視差検出に応用して
みる. まずファジーハフ変換用のデータを作る. 左右画像の対応をとる 特徴素として視覚心理学[49]で専ら使われているようにエッジすなわち 黒画素と白画素の境界を用いる. 対応は水平視差だけで取り3 垂直のエッ
ジのみを用いる. 従って黒や白が水平に続く部分ではデータは作られな い. 左眼画像の各エッジ( この場所を(i, j)とする)について, それと同じ タイプ(黒白か白黒の2通り)のエッジを右目画像の同じ行で全て検索 し( 全部でm個あったとし, k = 1,・・・,m とする), それらのエッジとの水 平方向のずれをその場所でのデータd b (k二1, ...,m)とする. 求めたいの
は各場所(x,y)でのずれの最尤推定値dである. ここではデータの視差は 整数値であるが得られる視差は連続値である. これは視覚心理学の結果 を説明するためである(視覚では知覚される視差は連続値をとる). 場所 (i , j)でのデータ
ペ
と場所(x,y)での推定値dとの距離をD L =α1(X - i)2十α2(ν- j)2
+ß(d - d 7 j)2 (4.17)
とする. このdをファジーハフ変換D Zk 玄3 乞t
m d (4.18)
で求めることにする. 以下の例ではα1-α2=0.1,ß=1.0とした. 図 4.11の例(中央の30x 30の正方形の視差が2で残りの周辺部分での視差
が0)での中央の画素での(4.18)式の目的関数の形状を図4.12に示す. 正 しい視差2に突出したピークが1つ 見られる. 図4.13は視差2と視差0の 領域の境界の画素での関数の形状であり3 両方の視差値に比較的大きな ピークが見られる. ここでは視差値をこれらの関数から次のようにして決 めた, まず最も高いピークを探す. そこでの関数値をグとすると0.8x♂
をしきい値として , このしきい値よりも大きなピークを全て取り出して その場所での視差値とする. こうすると図4.13のような場所では2つの 視差値が得られることになる. 実際に図4.11を両眼融合視すると境界で は奥行きが不連続に変化するが, 感覚的には手前の面の向うに奥の面が
隠れて存在することが知覚される. 従ってこのような場所で2つの視差 値が得られることはそのような 知覚を表すと解釈することにする. この ようにして 得られた視差値を図4.14に示す. 次にこのような2つの視差 値が得られる極端な例として透明視の例をあげておく. 全平面で視差が 0のランダムドットステレオグラムと, 全平面で視差が3のランダムドッ
トステレオグラムとを作り3 これら2枚を重ね書きした. このステレオグ ラムを 融合視すると2枚の平面が見え3 従って手前の面は透明に 知覚さ れる. このデータでの(4.18)式の関数の例を図4.15に示す. 図4.16が求 まった視差値である. このような透明視において 2つの平面の視差値の 差が小さいと2枚の面ではなく, 1枚の面だけが知覚されることが知られ ている[50]. 図4.17に2つの平面の視差値を0と
1
にした場合の関数の形 状を示す. このように本来Oと 1にできるはずの2つのピークが融合して 0.5に 1つ出ている. この結果 1つの面だけが求まる. 以上のように本方 法は心理実験結果を説明するモデルとしても妥当な結果を与える. 本方 法の 特長は, 従来の多くのモデルに含まれる協調過程による反復計算を含まない
1撃手法であることである.
本方法の計算時間は図4.11の例で2.4時間であり, 180ドットで視差が不正解であった. マルコフランダム 場(MRF)による方法では計算時間が18時間で 46ドットで 不正解であっ た. このように本方法はMRFよりも計算が速いが視差の誤差が(特に単 眼隠蔽部で )大きい.
18 16 14 12 10 8 6
4
四10-5 。 5 10
図4.12:中央での式(4.18)の関数
13 12 1 1 10 9 8
ア6 5 4
-10 -5 。 5 10
図4.13:境界での式(4.18)の関数
2.5,-2 1.5
0.5 0 -0.5
nU 7f nu nb nU Fhd nU A『nu qu nu n/」nU 4EEE
図4.14:視差d(x,y)
13 12 1 1 10 9 8 7 6 5
-10 -5 。 5 10
図4.15:透明ステレオでの式(4.18)の関数
e・b
5 4 2 3
。 -2
10 。
図4.16:透明ステレオでの視差d(x,y)
72
国圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃 '
14 13 12 1 1 10
9 8 7 6
-10 -5 。 5 10
図4.17:視差の差が小さいときの式(4.18)の関数