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モバイル電子チケット実現イメージ

ドキュメント内 モバイル-2.DOC (ページ 41-44)

共通のサービス実現イメージは以下のとおりである。

携帯電話のインターネットアクセス機能を用いてチケットを入手。携帯電話にダウンロ ードし、チケットを携帯電話に格納した状態でそのまま入口やPOS等に接続された機器 と通信を行う。携帯電話と機器との間の通信は、ローカルワイヤレス通信を用いて電子チ ケットの認証が行われる。

上記に加え、モバイル機器ならではの付加価値サービスがチケットの分類ごとに利用シ ーンに合わせて展開されていくと思われる。

4.4.1 イベント系チケット

モバイルのユビキタス化とチケットの電子化により、イベントチケットにおいては空席 情報の配信を様々なユーザに向けて配信でき、直前まで販売が可能となる。加えて、コン サートの付随情報(交通アクセス、関連グッズ、ファンクラブ情報等)の配信も可能であ り、イベント収入以外の売上増を図ることが可能となる。

付加価値サービスのイメージ

イベントチケットにおけるモバイル電子チケットの付加価値サービスの具体的実現イメ ージとして以下のようなサービスが想定される。

(1) イベントチケットを予約したら、交通案内をメールで送ったり、遠隔地であれば交通 チケット予約サイトを紹介する

(2) コンサート開始直前や開始直後の空席状況に対して、近所にいる利用者の携帯電話に むけて直接破格のイベントチケットを配布し集客する。→集客効果

(3) コンサート途中で帰ることになった利用者のチケットを別の利用者に携帯電話を使 って譲渡する

→新たな利用者によるコンサート会場での副次的な売上増効果 (4) 携帯電話上で共通イベントチケットや利用時の共通ポイントを実現する

→店同士のビジネスアライアンスの実現

(5) 雨天時などイベント中止のときに代替イベント、ショッピング情報を提供するサービ スやインディーズ・アーティストの小規模イベント用チケット(ライブハウス)と しての活用

上記サービスのシームレスな展開が実現される。

4.4.2 交通系チケット

交通系チケットについては混雑時の乗車券購入や乗越精算時に並ぶ必要がないという明 らかな顧客メリットがある一方で、モバイル化された場合の企業側メリットが見えにくい

部分がある。そのため、周辺情報の配信等による広告ビジネスを絡めた展開が予想される。

付加価値サービスのイメージ

交通系チケットにおけるモバイル電子チケットの付加価値サービスの具体的実現イメー ジとして以下のようなサービスが想定される。

(1) 交通チケットを予約したら到着地の周辺情報や観光案内を配信。宿泊施設との提携に より、宿泊予約も可能。

(2) 交通の運行の遅れなどをメールで配信。

(3) 交通チケット情報を入場ゲートで読み込んだら、その携帯宛に到着地の最新情報を配 信。

(4) チケットをモバイル電子化することで、チケット売り場(券売機、みどりの窓口など)

を少なくし、場所の有効利用を図る。

モバイル電子チケットにより、顧客情報の蓄積が容易となり、膨大な顧客データを活用 した複合的な事業展開が実現される。

4.4.3 割引クーポン

集客ツール、販売促進ツールとして利用されている割引クーポンにおいては、カスタマ イズした顧客への情報配信、顧客データの蓄積により洗練されたデータ解析が実現される。

付加価値サービスのイメージ

割引クーポンにおけるモバイル電子チケットの付加価値サービスの具体的実現イメージ として以下のようなサービスが想定される。

(1) CRMと位置情報など、さらにはその日の天候なども含めて、マイニングして商品情 報やお買得情報を配信(集客ツール)。

(2) モバイル電子チケット化によりデータの収集を行い、更なるマイニングを図る。

(3) マイニングされた情報に基づき再度情報の配信。結果、より顧客ニーズにあった情報 の配信が可能となり、集客増、販売増の実現。

割引クーポンにおいては、本来の目的である集客増、販売増に向けたデータの収集、マ イニングが実現可能であり、より効果のある宣伝方法への資源投下が可能となる。

4.4.4 総括

チケットの分類ごとにサービス実現イメージについて述べてきたが、モバイル電子チケ ットの実現に向けての共通のポイントとしては以下のとおりである。

(1) 消費者視点⇒モバイル電子チケットにより、各種チケットの入手において「安心、

簡単、便利」な入手方法が実現され、なおかつ付加価値が得られる。

(2) 企業視点⇒モバイル電子チケットにより、いつでも、どこでもチケットの受け渡し が可能となり、販売機会の拡大が図られる。また、データの収集が容易であること から、CRMを絡めた複合的なビジネスが可能となる。

各チケットの現状を踏まえた場合、携帯電話から予約できるという行為は便利であり、

その延長線上として携帯電話だけで予約、決済、入場のすべてが完結できるようになれば と思うのはユーザにとって至極当然の思いである。今後、顧客利便性の観点より、企業と してもモバイル電子チケットの展開を行っていくと思われ、大手チケット販売業者、通信 事業者やベンダー等が他社との差別化を図る上で進めていくであろう。ただし、既存の媒 体が完全に無くなるというのは考えにくく、モバイルだけではなく紙やICカードとの共 存、使い分けが当面、進んでいくと思われる。そうした中で今後、最終的に鍵を握ると思 われるのは、上に述べてきたプッシュ型の情報配信と連携させた利用方法である。プッシ ュ型の配信によりユーザにも企業側にも分かり易いメリットを享受できれば、今後の普及 の大きなきっかけとなるはずである。ただし、それらの実現のためには個人情報保護上の 問題や収益モデルの問題等、クリアしなければならない問題があることは念頭におかなけ ればならない。

5 モバイル電子チケットサービス機能要件

ドキュメント内 モバイル-2.DOC (ページ 41-44)