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ポイント

ドキュメント内 モバイル-2.DOC (ページ 110-113)

電子化によってポイントサービスでも新しい利用方法か提案されている。モバイルポイ ントシステムによって、ユーザは携帯電話さえ持ち歩いていれば複数のポイントカードを 持ち歩く不便から開放されるだけでなく、ポイントの自体も携帯電話の通話料などへ還元 することも可能である。

3.4.1 既存クレジットカードを使った電子クーポンシステム

日本信販、東芝、セイコーインスツルメンツは、クレジットカードを使った代金支払い 時に自動的に割引サービスが受けられる"電子クーポンシステム"をインターネットから申 し込める方式で共同開発し、2002年3月からの稼動に向けてスキームの検証に着手してい る。

この方式は、日本信販・東芝・SIIの3社が昨年6月にBSデジタル放送を使ったテ レビショッピングの販促機能として開発した電子クーポン(発行)システム『Fresh Tickets

(フレッシュチケッツ)』をアレンジし、携帯電話ほかモバイル端末やパソコンからイン ターネット経由で申し込めるようにしたものである。なお、実際の運用は、テレビの双方 向サーバ管理会社であるメディアサーブが行う。

支払いに使用するクレジットカードのカード番号IDに対して、「クーポンサーバ」上で 割引予約やチケット情報をサーバ内に格納。店舗は専用のカード端末(図 3-2)を通して売り 上げ情報をSIIサーバに送り、クーポン情報の確認や値引き後の金額でオーソリゼーシ ョンを行う。

登録作業を行うだけで、既存のクレジットカードが利用可能になるため、ICカード等 を配布する必要はない。また、カードそのものには、情報が格納されていないため、セキ ュリティは保たれている。しかしながら、認証時にサーバとやりとりをする必要があるた め、3秒程度の時間を必要とする。この点から、大量のチケットを処理するのには向かない。

図 3 -2 専用カード端末

3.4.2 全銀協仕様に準拠したICカード用アプリ

大日本印刷では、全国銀行協会が定めたICキャッシュカード標準仕様に準拠したアプ リケーションを開発した。多機能ICカード基本ソフトの「MULTOS」上にマスター カードのICクレジット用アプリケーションと、大日本印刷が開発したキャッシュカード 用アプリケーションを搭載した。

開発したアプリケーションは、MULTOSと組み合わせてキャッシュカード、クレジ ットカード、デビットカードなど、ユーザの希望に応じた機能が搭載可能で、複数の振り 込み先登録や電子チケット、ポイント機能を付加することもできる。

すでに富士銀行、第一勧銀、富士銀クレジット、第一勧銀カードが発行を開始した「み ずほICスパークカード」に採用されており、他行にも営業展開していく。

またATM端末に内蔵するICカード読み取り用モジュールも開発しており、他のIC カードベンダにもアプリケーションを提供していく。

3.4.3 ネットクーポン配信システム「キューフォン」

ネットクーポン配信システムの「キューフォン」(図 3-3)は、従来のPC向けのものの ようにプリントアウトして利用するのではなく、iモード携帯電話のディスプレイにクー ポンを表示、そのままショップで提示して利用するというものである。携帯電話であれば、

外出先でもその場でクーポンを手に入れることができるため、その利用価値は非常に高い。

図 3-3 キューフォン

配信されるクーポンにはバーコードが付与され、このバーコードをスキャンすることで ショップは利用者のチェックが必要な場合にも対応可能である。バーコードスキャンはP OSレジ等に装備される専用スキャナによって非接触で行われ、自動認識される。ショッ プ側での特別な設定や人間による確認作業などは発生しない。原稿を作成し、印刷、配布、

回収といった従来のアナログ方式でのクーポン配布で問題となっていた手間やコストを一 掃してくれるソリューションである。また、スキャンした結果のデータを集計することで リアルタイムデータベースでのマーケティングも簡単に行える。すべてがデジタルで完結 されるため、データの活用や分析が容易に行える。

ユーザはまずキューフォンへの会員登録を行い、登録されているクーポンの中から必要 なものをダウンロードする。iモード上からの登録の他に、PCからアクセスしての登録 も可能であり、クーポンの検索方法としては、直接希望のクーポンを検索するほかに、利 用エリアや種類を指定する方法がある。基本的にはユーザの能動的なアクセスに頼るが、

新着クーポン情報を会員へ配信するメーリングリストもある。

会員数は2000年9月の試験サービス開始後、半年で20万人を突破した。

3.4.4 日立マクセルの「ちょきんバーコードシステム」

「会員システム」の手法では、リアルタイムで会員の購買に関する情報が入手できない

ことから、会員の詳細な地域分析、購買頻度分析、広告への反応度合等の調査、分析は非 常に困難であった。また、会員にとっても会員手続きやカードを付帯することが煩わしい という面があった。

日立マクセルの「ちょきんバーコードシステム」は、従来の「会員システム」を携帯電 話を利用して行うもので、専用の設備を必要とせず汎用のPOSのスキャナでバーコード を読み取るだけで会員判別が可能となり、多種類の販売店やメーカが同時に共同で展開で きる。ユーザは各参加メーカの商品を各参加販売店で購入する際にクーポンを取得したり ポイントを獲得することが可能である。メーカと販売店はリアルタイムで消費者の購買に 関する情報が入手できることから、顧客確保と商品開発、販売促進に応用することが可能 となる。

メーカは新製品へのアンケートや販売店からのPOSデータ購入、サンプルユーザへの グループインタビュー等、新製品開発や販売促進のために、多額の調査費用と長期間の分 析時間をかけていたが、これを利用することで、こうした調査が従来に比べ安価かつ約1/4 の期間で情報を分析することが可能になる。また、特定商品の消費者だけに限定で「使用 感アンケート」等の追跡調査が電子メールでできるなど、新しいマーケティング手法が可 能となる。

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