1 PFM - Agent for Virtual Machine の概要
1.4 PFM - Agent for Virtual Machine を用いたパ フォーマンス監視の運用例
1.4.4 メモリーリソースの監視
ここでは,メモリーリソースを監視する方法について説明します。
(1) 概要
仮想環境では,複数の仮想マシンで物理サーバ上のメモリーを共有します。各仮想マシ ンに割り当てられるメモリーリソースのことを仮想メモリーと呼びます。仮想マシン上 で稼働する
OS
は,仮想メモリーを通常の物理メモリーとして認識します。物理サーバ上のメモリーリソースは,各仮想マシンのメモリーリソース要求量に応じて 配分されます。ただし,各仮想マシンのメモリーリソース要求量の合計が物理サーバ上 のメモリーリソースを超過する場合,要求量を満たすメモリーリソースが配分できない ため,仮想メモリーリソースが不足します。この場合,仮想マシンの性能が低下します。
メモリーのパフォーマンスデータを監視することで,こうした仮想マシンの性能低下を 把握できます。
また,仮想環境ではスワッピングが用いられます。スワッピングとは,ディスクの一部 の領域をメモリーとして利用することです。スワッピングで利用するディスク領域のこ とをスワップと呼びます。スワッピングによって,物理サーバに実装されている搭載メ モリー量よりも大きいメモリーリソースを使用できます。
ディスクのアクセス速度は,物理メモリーと比較して低速なため,スワップを利用する と仮想マシンの性能が低下します。メモリーリソースを監視するときには,スワッピン グ状況も同時に把握することをお勧めします。
1.
PFM - Agent for Virtual Machineの概要メモリーリソースを監視するレコードには,次の二つがあります。レコードの詳細につ いては「5. レコード」を参照してください。
1. PI_HMI
レコード物理メモリーのパフォーマンスデータを監視できます。
2. PI_VMI
レコード仮想メモリーのパフォーマンスデータを監視できます。
次の図に,それぞれのレコードのパフォーマンスデータ収集範囲を示します。
図
1-10 レコードとデータ収集範囲の対応
(2) 監視例
ここでは,仮想環境が稼働している物理サーバの監視を例に,メモリーリソースが不足 する要因と問題への対処方法を説明します。次の図に,ここで取り上げる監視項目と対 処の流れを示します。
図
1-11 監視項目と対処の流れ
(a) 物理サーバの合計メモリー使用率を監視する例
物理サーバの合計メモリー使用率は,PI_HMIレコードの
Total Used %
フィールドで監 視できます。合計メモリー使用率は,物理サーバ上で提供されているすべてのメモリー リソース(物理メモリーリソース,内部スワップリソース,外部スワップリソース)の 使用率を示します。この値が大きい場合,物理サーバのメモリーリソースが不足してい1.
PFM - Agent for Virtual Machineの概要16
ると考えられます。
物理サーバの合計メモリー使用率の監視例を次の図に示します。
図
1-12 合計メモリー使用率の監視例
確認するソリューションセットレポート
Host Memory Used
確認するソリューションセットアラーム
Host Memory Usage
この例では,Used %および
VM Swap Used %,Host Swap Used %
の合計で示されるTotal Used %
の値が100%
を上回っているため,物理サーバのメモリーリソースが不足 していると考えられます。この場合,仮想環境の構成情報を見直してください。構成情報を見直したあとも合計メ モリー使用率の値が改善しない場合,物理サーバにメモリーリソースを追加したり,物 理サーバを追加したりすることを検討してください。
1.
PFM - Agent for Virtual Machineの概要(3) その他の監視例
(a) 物理サーバのメモリー使用状態を調べるレポート 図
1-13 物理サーバのメモリー使用状態の監視例
確認するソリューションセットレポート
Host Memory Used Status
1.
PFM - Agent for Virtual Machineの概要18
(b) 仮想マシンのメモリー使用状態を調べるレポート 図
1-14 仮想マシンのメモリー使用状態の監視例
確認する複合レポート(1.4.7参照)
仮想マシン−メモリー割り当て上限設定値の監視