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メタ認知とメタ認知の育成

ドキュメント内 JAIST Repository https://dspace.jaist.ac.jp/ (ページ 41-45)

第 2 章 文献レビュー

2.4 創造性の育成

2.4.2 メタ認知とメタ認知の育成

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表 2-6 メタ認知概念の内容(三宮,1995)

メタ認知的活動について、Nelson,T.O.& Narens,L.(1994)によると、モニタ リングとはメタレベルが対象レベルから情報を得ることであり、コントロール とはメタレベルが対象レベルを修正することである。図 2-6 は、この考えに基 づいて、三宮(1995)が作成したメタ認知的活動モデルである。

図 2-6 メタ認知的活動のモデル(三宮,1995)

Swanson,H.L. (1990) は、 小学生に対して認知能力と基礎学力、メタ認知的 知識の検査を行った。認知能力と基礎学力の高群と低群、メタ認知的知識の高 群と低群を組み合わせて 4 つのグループに分けた。各群に文章問題を行わせた結

メ タ 認 知 メタ認知的知識:

―人に関する知識

・個人内の認知特性に関する知識

・個人間の認知特性に関する知識

・人間一般の認知特性に関する知識

―課題に関する知識

―方略に関する知識

・宣言的知識:どのような方略か ・手続き的知識:その方略をどう使うか ・条件的知識:その方略をいつ使うのか、

なぜ使うのか、どのような効果があるのか

メタ認知的活動(経験):

―メタ認知的モニタリング(観察)

・認知についての気づき、フィーリング、

予想、点検、評価など

―メタ認知的コントロール(制御)

・認知についての目標設定、計画、修正など

(メタ認知的モニタリング) 気づき、感覚、

予想、点検、評価

(メタ認知的コントロール) 目標設定、計画、修正

メタ認知(メタレベル)

認知(対象レベル)

情報の流

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果には、能力高・メタ認知高群の成績が最も高く、次いで能力低・メタ認知高 群の成績が高かった。能力高・メタ認知低群は、能力低・メタ認知低群の成績と 近い値で低かった。つまり、認知能力や基礎学力が低くても、メタ認知がその部 分を補助し、課題解決に良い影響を与えることが示唆している。

2.メタ認知の育成

メタ認知の活性化に関して、広く参照されているのは Nelson,T.O(1994)のメ タ認知的活動のモデル(図 2-6)である。Nelson のモデルにおいて、メタ認知 は、認知を「観察(モニタリング)」と「制御(コントロール)」の対象として、

この二つの活動を活性化することがメタ認知の活性化となるという。たとえば、

化学の知識を繰り返して覚えるのは単なる認知活動で、これに対して、「知識を 理解してから覚えた方がよく覚えられるのではないか」と考えたり、「理解しや すくするために、図解表現を使用するといいかも」と判断したり、あるいは自 分の学習を点検してみたりするのは、メタ認知的活動である。

これまで、メタ認知の活性化について、リフレクション、自己説明、外化を 対象とした支援が多く実現しているが、これらの活動がメタ認知においてどの ように位置づけられるものであるかが明確ではない。そこで、Nelson,T.O(1994) のメタ認知的活動のモデルをベースに、平嶋(2006)は各々のメタ認知の活性 化支援活動を整理したものが、図 2-7 である。「観察(モニタリング)」と「制 御(コントロール)」について、平嶋(2006)は、「観察」における主たる困難 さは、その対象である「認知」が目に見えないものであるため、メタ認知の対 象を何らかの形で外界において表現し、観察しやすくすることで活性化される という。「制御」が難しいのは制御の必要性や効果が明らかでないから、制御の 必要性やその効果を分かりやすくして、学習者に認知活動がどう行われている か、 どう行うべきだったかという自己説明の活動をさせることで活性化される という。

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図 2-7 メタ認知のモデルとメタ認知活性化方法の位置づけ(平嶋,2006)

今井(2003)は、中学校理科の授業後にリフレクション活動を取り入れた実 践では、生徒の記述は方略に関するものが多かった。“方略に関するメタ認知”

の分析結果では、統制群に事前事後で有意差はなかったが、実験群に有意差が 見られた。この結果について、今井は、授業者が選ぶ記述例の選択法によって 教師側の求めるメタ認知を育成する可能性が示唆されたことであるという。

丸野(2002)は、素朴理論(教育などを通じて科学的に教えられたのではな く、自分で、自然に、いつのまにか持った理論のこと)の支持一致、不支持一 致、混在の 3 条件で、ディスカッション過程における大学生のメタ認知的発話 を分析した。そして、論証フェーズの出現頻度を分析した結果では、支持一致 群は「妥当性の検討」と「問題点の指摘」の頻度がほぼ同程度であるが、他の 群と比べると「妥当性の検討」の頻度は不支持一致群と混在群よりも高い。そ れに対して、不支持一致群と混在群では「問題点の指摘」を中心とした論証フ ェーズが「妥当性の検討」より多く出現している。混在群では「論点が明確で ない」フェーズが多く出現している。また、論証フェーズの内容を分析した結 果では、支持一致群では「妥当性の検討」を中心に、不支持一致群では「問題 点の指摘」を中心にした論証方略が多く利用されているという。支持一致群と 不支持一致群は混在群よりも根拠についてさまざまな角度から吟味・検討を繰 り返す回数が多い傾向にあることが統計的に示された。さらに、「自己に向かう」

メタ認知は自己省察を顕在化する、「他者に向かう」メタ認知は疑問・納得、新 たな視点の喚起に手がかり的役割を果すことを明らかにした。丸野の研究は、

グループディスカッションの展開の仕方やまとまりのあるやりとりの中での論

観察対象の可視化

メタ認知

認知

制御

リフレクション支援 自 己 説 明 支

制御の課題化 観察

外化支援 制御の課題化

観察対象の可視化

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証の仕方が、メンバーの構成の違いによって異なる論証フェーズが展開できる ことを示唆したのである。

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