第 2 章 舗装の温度低減に関する既往の研究
2.6 ミクロな凹凸の再帰反射率に対する影響評価
佐藤ら野研究7)で、
2.5.4
に記述した図-2.21
より、すべての舗装ブロックでDense
のブロックよりもPorous
のブロックの方が、再帰反射率が高くなることがわかった。これは、
Dense
とPorous
のブロックを比較すると、細骨材の粒径 が違うため、図-2.24
に示すとおり、表面形状に表層モルタルの細骨材粒子間 の空隙が存在し、これらが影響しているためと考えられる。このため、既往の 検討7)では、2.5
の表面形状であるマクロな凹部に対して、このような凹凸をミ クロな凹部と呼び、ミクロな凹部が再帰反射率に及ぼす影響を検討している。材質の差による再帰反射率への影響の違いを明らかにするため、表面形状の うちミクロな凹部として積算することが妥当な凹部の大きさについての検討を 行った。図-
2.21
ではマクロな平面率が同一であれば、Dense
よりもPorous
の ブロックの方が再帰反射率は高くなるが、本検討により、マクロな平面率にミ クロな凹部を考慮し凹部面積として加算することにより、新たに平面率が算出 され、ミクロな凹部によるDense
とPorous
の再帰反射率の差を明らかにするこ とが可能となると考えられる。ミクロな凹凸の測定には、画像処理ソフトウェ アによる凹部の解析を行った。Dense
のブロック表面Porous
のブロック表面図-2.24 ブロックの表面図
第
2
章 舗装の温度低減に関する既往の研究37
図-2.25 ブロック表面撮影画像
Porous
ブロックDense
ブロック2.6.2
Image J による画像解析について(
1
)凹部の解析方法画像解析は、画像処理ソフトウェア
Image J
を用い、明度の違いにより表面の 凹部について検討した。試験体は、セメントコンクリート製の平面率が100%
である
Porous
とDense
のブロックとした。解析の測定対象範囲は、ブロックの中心付近
30mm×28mm
とした。まず、3
次元光学式デジタイザでブロック表面の撮影を行った(図-
2.25
)。その後Image J
にて、撮影画像のスケールセットを行 うと5.733pixcels/mm
となる。続いてImage J
にて、図-2.26
(a
)、(b
)に示すような
32bit
のグレースケールの画像に変換し、明度の濃淡をつけた。Porous
のブロックでは、ミクロな凹部の中でも特に大きい凹部で明度の違いが少なかっ たため、凹部に白いペーストを埋め込み、明度の差をつけて元画像を撮影した。
そして、輝度
0
~255
の中から、しきい値設定を行い、Porous
では79
~155
、Dense
では79
~132
を凹部として黒色に、それ以外を白色として、図-2.26
(c
)、(d
) に示すような白黒二値化画像とした。さらに、黒色の凹部を楕円近似した画像 が図-2.26
(e
)、(f
)に示すとおりである。38
(a)32bit画像(Porous) (b)32bit画像(Dense)
(c)白黒二値化画像
(Porous)
(d)白黒二値化画像
(Dense)
(e)楕円近似画像 (Porous)
(f)楕円近似画像 (Dense)
図-2.26 画像解析図
第
2
章 舗装の温度低減に関する既往の研究39
(
2
)画像解析結果画像解析図から
Image J
にて、粒子解析を行った。画像解析により、白黒二値 化の画像から凹部の個数と個々の面積、楕円近似画像から凹部楕円の長軸と短 軸を算出した結果が、表-2.4
のとおりである。表-2.4
から、Porous
では最小0.029mm
2、楕円近似の長軸を凹部の開口長さとすると、0.192mm
のミクロな凹部が存在する。同様に、
Dense
では最小0.030 mm
2、開口長さ0.196mm
のミクロ な凹部が存在し、凹部の最小面積および楕円近似したときの長軸と短軸は、両 試験体で同等であるとわかる。また、Porous
とDense
ともに、ミクロな凹部の 数は同程度存在しているが、図-2.27
にも示すとおりPorous
の凹部の大きさの 範囲が広いことがわかる。Porous Dense 30.08 30.08 27.70 27.70 833.216 833.216
総面積
170.848 105.180
個数 (個)
412 491
最大面積 (mm
2)17.267 4.631
楕円近似の長軸
5.333 3.730
短軸
4.122 1.581
最小面積 (
mm
2)0.029 0.030
楕円近似の長軸
0.192 0.196
短軸
0.192 0.196
平均面積 (
mm
2)0.415 0.214
平均長軸
0.699 0.584
平均短軸
0.374 0.337
(
%
)79.5 87.4
平面率(
mm
)(
mm
2)(
mm
)(
mm
)(
mm
) 材質高さ 幅 投影面積
凹部
表-
2.4
凹部の画像解析結果40
0 20 40 60 80 100 120 140 160
個数(個)
凹部面積(mm2)
Dense
(合計491
個)Porous
(合計412
個)図-
2.27
凹部数の分布第
2
章 舗装の温度低減に関する既往の研究41
(
3
)ミクロな凹部による再帰反射率に対する影響の評価これにより、図-
2.21
で示した、同一のマクロな平面率における再帰反射率 の相違は、ミクロな凹部の中でも比較的大きな凹部によって生じているものと 推察される。これらのミクロな凹部をすべて考慮し、平面率を算出すると、マ クロな平面率は100%
であったが、Porous
は79.5%
、Dense
は87.4%
となる。
ドキュメント内
都市環境科学研究科 都市基盤環境学域 15885404 張曄
(ページ 37-42)