文献
鯵坂学・上野淳子・堤圭史郎・丸山真央,2013,「「都心回帰」時代の大都市都心地区におけるコミュニテ ィとマンション住民:札幌市,福岡市,名古屋市の比較(下)」同志社大学社会学部『評論・社会科 学』106 : 1-69.
鯵坂学・上野淳子・丸山真央・加藤泰子・堤圭史郎・徳田剛,2014,「「都心回帰」時代の東京都心部のマ ンション住民と地域生活−東京都中央区での調査を通じて−」同志社大学社会学部『評論・社会科学』
111 : 1-111.
(堤圭史郎)
表
8-2-1
マンション内の活動参加注:「あり」「なし」の
2
件法で,「あり」の割合のみ表示。NA・DKを除いて集計。***p<.01 **p<.05 *p<.10。太字は調整済み残差が絶対値 2
以上。「都心回帰」による大都市のマンション住民と地域生活 59
であることが,両都市に共通するマンション内の活動参加経験を高める属性要因になっ ている。
続いて表
8-2-2
で,この参加経験層の参加内容を見ると,「総会」「理事会」「行事・活動」の選択肢のうち,「総会」は,京都市中京区の
79.3% に対して,大阪市中央区は
62.7% と低い。同様に「理事会」は,京都市中京区の 72.0% に対して,大阪市中央区
は
49.5% と低い。しかし「行事・活動」では,京都市中京区の 48.7% に対して,大阪
市中央区は
55.4% と若干高くなっている。
これも住民層で見ると,両都市ともに「総会」は旧住民層と新持家層の参加経験にあ まり差がなく,「理事会」では旧住民層が新持家層より参加経験が高い。これは(区分 所有者であれば)誰でも参加出来る「総会」に対して,理事として選出される必要があ る「理事会」の違いと言える。そのため旧住民層の居住期間が長い分,経験機会に恵ま れている結果といえよう。
次に参加経験層のマンション内の活動のきっかけと,参加未経験層の参加しない理由 を見ていく。表
8-2-3
で,マンション内の活動・行事への参加のきっかけを見ると,「きまり・慣習」「知人の誘い」「役員の誘い」「自分で探した」「チラシ」「その他」の選 択肢のうち,最も割合が高いのは両地区とも「きまり・慣習」だが,京都市中京区
80.3
%に対して,大阪市中央区は
55.7% と低い。「役員の誘い」は,京都市中京区 20.7%,
大阪市中央区
21.4% と大差はない。しかし「チラシ」では,京都市中京区の 16.8% に
対して,大阪市中央区は27.9% と若干高くなっている。これを住民層で見ると,両都
市で「きまり・慣習」が旧住民層・新持家層ともに最も割合の高いきっかけになってい るが,2番目に高いきっかけは両層で異なる。旧住民層では「役員の誘い」が高く,新 持家層では「チラシ」が高い。続いて表
8-2-4
で,マンション内の活動への不参加理由を見ると,「関心ない」「興味の持てる活動ない」「時間的に無理」「活動を知らない」「組織や活動がない」「その他」
の選択肢のうち,最も割合が高いのは両地区とも「関心ない」だが,京都市中京区の
29.8% に対して,大阪市中央区は 39.3% と若干高い。「時間的に無理」は,京都市中京
区
29.8%,大阪市中央区 31.9% と大差はない。同様に「活動を知らない」も,京都市
中京区
24.5%,大阪市中央区 23.6% と大差はない。これも住民層で見ると,参加未経
験層が多い新賃貸層では,「活動を知らない」が両都市とも
3
割を超え最も高く,次に「関心がない」に続く。また参加未経験層が少ない旧住民層は,両都市とも高い順に
「関心がない」が
3
割を超え,「時間的に無理」も約3
割となる。ところが新持家層で は,「時間的に無理」は両地区とも4
割を超える不参加理由になっているが,続く理由 の「関心がない」は大阪市中央区では4
割を超えるのに対して,京都市中京区では3
割 でとどまっている。「都心回帰」による大都市のマンション住民と地域生活 60