第 5 章 デジタル作画の工程・仕様とその実証
5.1 一般的なデジタル作画の工程
5.1.7 マンガのデジタル作画の工程(3)ネームからペン入れまで(デジタルま
漫画家が主に行う、プロット・ネームから、下描き、ペン入れまでの作業は、手描きで 行う漫画家も多いが、以下では、すべてをデジタルで行う場合の工程を示している。
実際の作業は漫画家によって様々で一定ではないので、これはあくまで一般的な例であ る。
表 5.5 デジタル作画の工程の詳細(3)ネーム
工程 携わる人 作業 具体的な作業 主な使用ツール やりとりの手段 プロット 漫画家 作品内容を
考える
・文章で書く(*1)
・絵と文章で描くな ど(*2)
・PC
・ 作 画 用 ソ フ ト または文章記述 用ソフト
・資料閲覧用ソフ ト
・プリンタ(資料 プリント)
・スキャナ(プロ ットスキャン)
・データ圧縮・解 凍ソフト
漫 画 家 ⇔ 在 宅 ア シ ス タント
漫画家⇔編集者
・電話
・FAX
・メール
・スカイプ、LINE など の SMS
・SNS
・web 上のデータ転送 サービス
・スタジオのファイル サーバ
など 資料の閲覧
(*3)
・web 閲覧
・保存してある資料 の閲覧
・プリントアウト データ送信 ・作画用ソフトから
書き出し
・スキャン(アナロ グの場合)
・データの圧縮 原作者 作品内容を
考える
・文章で書く
・絵と文章で描くな ど
資料の閲覧 ・web 閲覧
・ 保 存 し て あ る 資 料の閲覧
・プリントアウト データ送信 ・作画用ソフトから
書き出し(*4)
・スキャン(アナロ グの場合)
・データの圧縮 編集者 プロット確
認
・漫画家、原作者と のやりとり
・PC
・データを開ける ソフト
・データ圧縮・解 凍ソフト 資料集め ・データの圧縮、送
信
87 ネーム 漫画家 用紙設定 ・作画用ソフトで用
紙作成(*5)
・PC、モニタ
・ ペ ン タ ブ レ ッ ト
・作画用ソフト
・外部記憶装置
・ファイルサーバ
・資料閲覧用ソフ ト
・圧縮・解凍ソフ ト
漫 画 家 ⇔ 在 宅 ア シ ス タント
漫画家⇔編集者
・電話
・FAX
・メール
・スカイプ、LINE など の SMS
・SNS
・web 上のデータ転送 サービス
・スタジオのファイル サーバ
など 具体的な流
れを練る
・コマ割り、ラフ絵
(*6)
・資料閲覧
・データのバックア ップ
送信 ・スキャン(アナロ グの場合)
・書き出し
・データの圧縮 セリフ入れ
(*6)
・テキスト入力
・ テ キ ス ト デ ー タ の読み込み 編集者 ネーム(内
容)確認 セリフ確認
・プリントアウト
・漫画家とのやりと り
・PC
・作品データを開 けるソフト
・データ圧縮・解 凍ソフト
・プリンタ
(*1)文章のみで書く場合は、テキスト記述ソフトが適している
(*2)絵を交えて描く場合は、作画用ソフトが適している
(*3)作画用 PC と資料閲覧、メールのやりとり用 PC は、分けることが理想
(*4)編集者に渡す画像データは、編集者が開けるファイル形式にし、できるだけ軽いデータにするこ とが理想
(*5)作業するデータと入稿するデータのサイズが違う場合、最終的に入稿するデータにモアレなどの 不具合が発生しないように、作業用データのサイズ(用紙)を設定する
(*6)ネームをデジタルで作業する場合、ネームの段階で、コマ割りを完成させ、ネーム(文章やフキ ダシの中のセリフ)を打ち込むケースもある
(*7)セリフはラスタライズせずにテキストデータで維持する
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プロットやネームは PC を利用せず手書きで作成し、本格的な作画作業となる下描き以降 でデジタル作画を利用する場合もある。ペン入れまで手描きで作業した場合には、ペン入 れした原稿をスキャンしてデータ化し、作画ソフトに取り込んで、以降の作画作業をデジ タルで行う。
表 5.6 デジタル作画の工程の詳細(4)下描き・ペン入れ
工程 携わる人 作業 具体的な作業 主な使用ツール やりとりの手段 下描き 漫画家 コマ割り、
作画
・コマを作成(*1)
・キャラクターを描 く
・PC、モニタ
・ペンタブレット
・作画用ソフト
・画像データ管理 ソフト
・外部記憶装置
・ファイルサーバ
・スキャナ
・プリンタ
・インターネット 検索用 PC、タブ レット PC
・デジタルカメラ
・圧縮・解凍ソフ ト
漫 画 家 ⇔ 在 宅 ア シ ス タント
漫画家⇔編集者
・電話
・FAX
・メール
・スカイプ、LINE など の SMS
・SNS
・web 上のデータ転送 サービス
・スタジオのファイル サーバ
など 背景画のア
シスタント への指示
・背景のアタリ(大 まかな位置)を描 く
・作画用資料の用意
・既存の背景画デー タの配置
・写真資料データ配 置
・3D 素材データ配置
・アシスタントから あがってきた下描 きの確認、リテイ ク
・データの圧縮、送 受信(在宅の場合)
資料の閲覧 ・web 閲覧
・保存してある資料 の閲覧
・プリントアウト ア シ ス タ
ント
作画 ・背景のアタリ
・既存の背景画の配 置
・写真資料配置
・3D 素材配置
・データの圧縮、送 受信
89 資料の閲覧 ・web 閲覧
・保存してある資料 の閲覧
・プリントアウト 漫画家の指
示確認
・リテイク修正
・データの圧縮、送 受信(在宅の場合)
編集者 下描き確認 ・プリントアウト
・漫画家とのやりと り
・PC
・作品データを開 けるソフト
・圧縮・解凍ソフ ト
・プリンタ
※下描き がアナロ グの場合
漫画家 ア シ ス タ ント
用紙設定 ス キ ャ ン
(*2)
コマ割り セリフ入れ
・作画用ソフトで用 紙作成
・スキャン、コマ割 り、フキダシ、セ リフを入れる
・PC、モニタ
・ペンタブレット
・作画用ソフト
・画像データ管理 ソフト
・外部記憶装置
・ファイルサーバ
・スキャナ
・プリンタ
・インターネット 検索用 PC、タブ レット PC
・デジタルカメラ
・圧縮・解凍ソフ ト
など ペン入れ 漫画家 作画 ・キャラクターなど
(*3)
漫 画 家 ⇔ 在 宅 ア シ ス タント
漫画家⇔編集者
・電話
・FAX
・メール
・スカイプ、LINE など の SMS
・SNS
・web 上のデータ転送 サービス
・スタジオのファイル サーバ
など アシスタン
トへの指示
・アシスタントから あがってきたペン 入れ画の確認、リ テイク
・データの圧縮、送 受信(在宅の場合)
漫画家 アシスタン トから上が ってきたデ ータをマス ターデータ に入れる
・コピー&ペースト
(*4)
・微調整
ア シ ス タ ント
作画 ・背景、小物、モブ
(その他大勢)など
90 漫画家の指
示確認
・リテイク修正
・データの圧縮、送 受信(在宅の場合)
(*5)
※ペン入 れがアナ ログの場 合
漫画家 ア シ ス タ ント
用紙設定 スキャン コマ割り
(セリフ入 れ)(*6)
・作画用ソフトで用 紙作成
・スキャン、コマ割 り、フキダシ、セ リフを入れる
(*1)下描きをデジタルで作業する場合、コマ割りを完成させ、ネーム(文章やフキダシの中のセリフ)
を打ち込む
(*2)下描きまでをアナログで作業した場合、下描きをスキャンして、コマ割り、セリフの打ち込みを する
(*3)カラー作品の場合線画をカラーで描く
(*4)アシスタントから戻ってきたデータのコピー&ペーストについては、古いデータと新しいデータを 間違えると、作業のし直しが頻発するため、誰がどのデータを作業しているか、厳重に管理する 必要がある。漫画家ではなく、漫画家の仕上げの好みとデータの扱いに詳しいアシスタントが作 業することが理想である
(*5)作業が進んでデータが重くなると、送受信に時間がかかるため、可能であれば圧縮をする
(*6)ペン入れまでをアナログで作業した場合、ペン入れした原稿をスキャンして、コマ割り、(必要に 応じて)セリフの打ち込みをする
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