2.3 道路情報基盤の利用
3.1.2 マルチモーダル
少子高齢化は、地方の過疎化を加速化させ、地方の公共交通の利用者は、年々減少を続け ている。
図28. 乗合バスの利用者の推移
その結果、今まで地域交通を担ってきた民間事業者の経営は悪化し、赤字の大きい路線か ら廃止せざるを得なくなった。
多くの自治体は、住民の移動手段を維持するため、自ら地域交通を運行するが、
図29. コミュニティバス導入自治体の推移 その多くは赤字であり、大きな負担となっている。
図30. コミュニティバスの運送コスト
赤字を減らすための様々な取組も行われている。
①①①
①つつじバス(鯖江市)つつじバス(鯖江市)つつじバス(鯖江市)つつじバス(鯖江市)
利用者を増やすためには、利用者が地域交通を利用することに、価値を実感でき ることが重要となる。
そこで、鯖江市(つつじバス)では、利用者に下記のようなインセンティブを提 供することで利用者の増加に効果を発揮している。
買物無料券
65
歳以上の運転免許証自主返納者に1
年間の無料乗車券 記念利用券②
②②
②元気バス(三重県玉城町)元気バス(三重県玉城町)元気バス(三重県玉城町)元気バス(三重県玉城町)
バスの利用効率を上げる(空気バスを減らす)ための手段として、オンデマンド バスを採用する自治体が多くなっている。しかし、オンデマンド化による課題も 多い。
利用するためには、一々予約が必要
渋滞による運行スケジュールが維持できない
そこで、三重県玉城町の取組(元気バス)では、その課題に対し、下記の取組を 進めている。
タッチパネルによる予約
携帯電話、スマートフォンによる予約 ゆとり時間を用いた予約確定
しかし、これらの地域交通を利用する利用者の多くは、自家用車等の移動手段を確保でき ない高齢者や学生であり、利用者を増加させることは容易ではない。
もし、地域交通に自家用車のような利便性を確保することができれば、その利用は進むも のと思われる。
そのためには、バス停の位置情報、バスの正確な走行位置情報、バス路線の渋滞予測等の 情報を利用したオンデマンドなサービスが有効であり、道路情報基盤を利用した、これらの 情報の共有化の方法を検討することにする。
(1) (1) (1)
(1)
バス路線、バス路線、バス路線、バス路線、バス停の位置情報バス停の位置情報バス停の位置情報バス停の位置情報交通事業者の多くは、運行するバスの路線、バス停の位置、時刻表をホームページ 等で公開している。また、それらのバスを利用するための情報サービスも提供されて いる。
現在、インターネット上に見ることができるバスの利用サービスは下記である。
①九州のバス時刻表
①九州のバス時刻表①九州のバス時刻表
①九州のバス時刻表(http://qbus.jp/time/)
西鉄バスが中心となり、九州のバス事業者と連携し、九州の総合バスルート・時 刻検索サービスを行う。
②路線図ドットコム
②路線図ドットコム②路線図ドットコム
②路線図ドットコム(http://www.rosenzu.com/) 東海地方の総合的な鉄道・バス路線図を提供
個人グループ「公共交通利用促進ネットワーク」が制作
③ふくいのりのりマップ
③ふくいのりのりマップ③ふくいのりのりマップ
③ふくいのりのりマップ(http://www20.tok2.com/home/nori2map/) 福井県内全ての鉄道・路線バス・コミュニティバスの路線図を提供
NPO
法人ふくい路面電車とまちづくりの会が制作④
④④
④
Bus Service Map Bus Service Map Bus Service Map Bus Service Map
(http://www.geocities.jp/busservicemap/) 全国のバス路線図を提供(2) (2) (2)
(2)
バスの走行位置情報バスの走行位置情報バスの走行位置情報バスの走行位置情報さらに、バスに車載機を搭載し、バスの実際の走行位置を管理し、その位置情報サ ービスを提供する事業者も多い。
①とよたおいでんバス
①とよたおいでんバス①とよたおいでんバス
①とよたおいでんバス(豊田市、http://busget.jp/c/portal/index?sid=7) 各バスのリアルタイムの走行位置情報をホームページ上で公開する。
しかし、これらの情報は、ホームページ上で公開されているだけのものも多く、その二次 利用は進んでいない。そこで、各バス事業者が、これらの情報を、道路情報基盤を利用して 公開することで、情報の共有化が可能となり、移動支援サービスが可能となる。
図31. 道路情報基盤によるバス停位置の連携
バスの運行は、鉄道とは違い、その運行は道路の渋滞状況に左右される。
そこで、道路情報基盤を利用して、これらのバスの運行情報と自動車メーカーが収集する プローブ情報を共有化することで、各バスのバス停への正確な到着を予測することができる ようになり、様々な利用サービスの提供が可能となる。
しかし、プローブ情報を利用するには、高度な技術とノウハウが必要であり、バス事業者
(特に、地域バスを運行する自治体)にとっては、ハードルが高い。そこで、道路情報基盤 を利用して情報を公開し、民間事業者が参入することで、利便性の高い移動支援サービスの 提供を可能とすることが可能となる。
図32. 官民による地域交通サービス