5.1 2 値判別器について
5.2 マハラノビスの汎距離
前章において,左右の計測点C3とC4の2点で,α波とβ波の強さの左右差を 見ることが出来た.このことを用いて,逆問題として運動を行っていないときの リラックスモードと,運動を行っているときの運動モードの二つに判別する判別 器の生成を行う.
の多い脳波データでも応用することが出来る.
ここで,α波のスペクトル値をxαi,β波のスペクトル値をxβi(i= 1,2,3,· · ·, N) とすると,2次元におけるマハラノビスの汎距離Dの式は次のように表わされる.
D=
√
u21−2ru1u2+u22
1−r2 (5.1)
u1 = xαi−x¯α
σα2 , u2 = xβi−x¯β
σβ2 (5.2)
ここで,rはxαi,xβiの相関係数,¯xα,¯xβはxαi,xβiのそれぞれの平均値,σα,σβ
はxαi,xβiのそれぞれの標準偏差を表わしている.Dは集合からの距離を表わし ており,リラックスモードの集合と運動モードの集合のそれぞれのマハラノビス の汎距離を求め,その距離がどちらの集合に近いかでどの集合に属するのかの判 別することが出来る.
図5.1にマハラノビスの汎距離を用いた判別の概要を示す.図5.1のAのデータ 群とBのデータ群がある時,それぞれのマハラノビスの汎距離を求め,等距離に
位置(D= 1,2,3)を表すとデータ群の平均値を中心としたデータの広がりを考慮
した楕円が得られる.そして,2つのデータ群を組み合わせて,それぞれのデータ 群のマハラノビスの汎距離が同じ位置で線を引くことで,判別境界線を引くこと ができ,2値判別器として用いることが出来る.
したがって,ここでリラックスモードの集合からのマハラノビスの汎距離を
DRelaxationとし,運動モードの集合からのマハラノビスの汎距離をDM otion とし
たとき,判別条件は次のようになる.
RelaxationMode : DRelaxation < DM otion (5.3)
MotionMode :DRelaxation> DM otion (5.4)
この境界線はDRelaxation = DM otionの時である.また,ここで運動モードに重み kmを持たせることにより,どちらのモードを優先するかを設定できる.したがっ て,判別条件は次のようになる.
RelaxationMode : DRelaxation < km・DM otion (5.5)
D=1 D=2 D=3 A
D=1 D=2 D=3 B
A & B
Boundary Line
x x x x
x
x
SampleA BA
図 5.1: マハラノビスの汎距離を用いた判別
MotionMode :DRelaxation> km・DM otion (5.6) この境界線はDRelaxation = km・DM otionとなり,kmの値が大きくなるにつれ,優 先度は低くなる.閉眼時や開眼時ではロボットアームは動かないことは望ましい.
したがって,今回は運動モードの優先度の重みを大きくして,閉眼時や開眼時で の誤判別を少なくするように運動モードの重み係数を大きくする.なお,重み係 数の決定には,Task 1とTask 2を完全にリラックスモードに判別できるような値 に設定した.