4 性能評価実験
4.4 ペデスタルサプレッションの性能評価実験
4.4 ペデスタルサプレッションの性能評価実験 4 性能評価実験
図4.25 SSD同士の位置関係
SSDを上流からx1、y1、x2、y2、x3、y3と呼ぶ(図4.26)。SSDの上流・下流にそれぞれ1.5 cm×1.5 cm のシンチレーション検出器を設置し、2つのコインシデンスをトリガーとした。今回の実験時、それぞれのシ ンチレーション検出器の計数率は約100 Hz、コインシデンスのレートは約40 Hzだった。runの前にクロッ クをトリガーにしてペデスタルを測定し、それぞれのストリップについてペデスタルの平均、rmsを調べた。
ペデスタル平均+ 3σをスレッショルドとして各ストリップ毎に設定した。また、同じセットアップでペデ スタルサプレッション無しのデータもとった。こちらも同じく、run の前にペデスタルを測定し、オフライ ンで解析を行った。オフラインの解析方法は、ペデスタルサプレッションと同様に、ペデスタルの平均+ 3σ をスレッショルドとして設定し、スレッショルドを超えたものをヒットとみなす。
4.4.1 ヒット数
各SSD毎にヒットのあったストリップの平均本数をまとめる。また、隣り合うストリップ同士がヒットし た場合は、同一粒子によるヒットとみなしクラスターを組む。ヒットのあったストリップの本数同様、クラス ターの平均個数もまとめる。ペデスタルサプレッションを行ったデータとペデスタルサプレッションを行わず にオフラインで解析したデータを比較する。各面のヒットストリップ数とクラスター数の詳細なヒストグラム は補遺B参照。ペデスタルサプレッションの有無で結果がおおよそ一致している。これは、ペデスタルサプ レッションが成功していることを示している。
4.4 ペデスタルサプレッションの性能評価実験 4 性能評価実験
図4.26 ビーム軸とSSDとの位置関係
図4.27 ヒットしたストリップとクラスターの数え方
4.4 ペデスタルサプレッションの性能評価実験 4 性能評価実験
例: peaking timeが50 nsの時
x1 のヒットしたストリップ数 x1 のヒットしたクラスター数
ヒットした平均ストリップ数 ヒットした平均クラスター数
図4.28 50 nsの時のヒットした平均ストリップ数とクラスター数
青点がペデスタルサプレッション有、赤点がペデスタルサプレッション無
ヒットした平均ストリップ数 ヒットした平均クラスター数
図4.29 100 nsの時のヒットした平均ストリップ数とクラスター数
青点がペデスタルサプレッション有、赤点がペデスタルサプレッション無
4.4 ペデスタルサプレッションの性能評価実験 4 性能評価実験
ヒットした平均ストリップ数 ヒットした平均クラスター数
図4.30 200 nsの時のヒットした平均ストリップ数とクラスター数
青点がペデスタルサプレッション有、赤点がペデスタルサプレッション無
4.4.2 検出効率
SSD各面の検出効率を求める。ヒットの有無だけではなく、粒子をトラッキングできているかどうかもカッ ト条件に加える。トラッキングができているかどうかの判断は、以下の方法で行う。
1. それぞれのSSDでのヒットした位置を計算する
もし複数本のヒットが有った場合は電荷中心をヒット位置とする
2. 各方向の1番目と3番目(x1とx3、y1とy3)のヒット位置の平均を計算する 3. 真ん中の SSD (x2、y2)のヒット位置との残差を求める
4. 残差をガウス関数でフィッティングして、分散を求める 例x1を評価するとき
3σ以内のイベントのみ取り出し、条件3 以降のカットを行う 図4.31 トラッキングの方法
ヒットの有無、トラッキングの成否でカット条件をかけ、検出効率を求める。カット条件は以下の通りである。
カット条件1
4.4 ペデスタルサプレッションの性能評価実験 4 性能評価実験
評価対象以外の5面のSSDでクラスター数が1つのみ かつ それぞれのSSDでのヒットしたストリップ数が2本以下 カット条件2
カット条件1 かつ
3面揃っている方向(x1 を評価対象としているならばy方向)でトラッキングし残差が3σ以内 カット条件3
カット条件2 かつ
評価対象のSSDにヒットがある カット条件4
カット条件3 かつ
残差が 3σ以内のヒットがある カット条件5
カット条件4 かつ クラスターが1つのみである
検出効率を以下にまとめる。なお、検出効率は、
検出効率= カット条件4で残ったイベント数
カット条件2で残ったイベント数 (4.2) により求める。
各peaking time、各SSDの面における検出効率をグラフで表したものが図4.32図4.33図4.34である。
これらのグラフにより検出効率がペデスタルサプレッションの有無で変化していないことが確認できる。この 結果でもペデスタルサプレッションが正しく実行されていることが分かる。また、全ての面で検出効率99 % 以上を達成できた。これはLEPS2実験での要求性能を満たしている。
図4.32 50 nsの時の検出効率
青点がペデスタルサプレッション有、赤点がペデスタルサプレッション無