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2.5 臨床に関する概括評価

2.5.6 ベネフィットとリスクに関する結論

本剤の臨床試験成績から得られたベネフィットとリスクに関する知見を,以下に要約する.

2.5.6.1 本邦における本剤の臨床的位置付け(標準薬との比較)

本剤の臨床開発のコンセプトは,「2.5.1 製品開発の根拠」で述べたとおり,本剤が COX-2 を選択的に阻害することにより既存の NSAID と同等以上の消炎・鎮痛効果を有しながら,

COX-1を阻害しないことにより,消化管潰瘍及び出血を中心とした消化管障害,血小板凝集阻

害,腎機能障害等の副作用は既存のNSAIDよりも少ないことを臨床的に証明することであった.

本邦における本剤の臨床的位置付けを明確にするために,RA,OA及び腰痛症を対象として 標準薬(ロキソプロフェンナトリウム60mgTID)との比較試験を実施した.

表 2.5.7 に,本剤の標準薬との比較試験における有効性(主要評価項目)及び安全性(概括

安全度,本剤の作用機序から着目した有害事象及び本剤の安全性を幅広く評価するために検討 した有害事象)の結果を示す.

なお,腰痛症に対しては,

ため,本試験の有 効性データは本申請における臨床データパッケージには含めなかった.

表2.5.7 標準薬との比較試験における有効性及び安全性の結果

RA第Ⅲ相試験[RCT1] OA第Ⅲ相試験[216] 腰痛症第Ⅲ相試験[217]

セレコキシブ 200mgBID

ロキソプロフェン ナトリウム 60mgTID

プラセボ セレコキシブ 100mgBID

ロキソプロフェン ナトリウム 60mgTID

セレコキシブ 100mgBID

ロキソプロフェン ナトリウム 60mgTID 68/318

(21.4%)

60/318 (18.9%)

74/151 (49.0%)

200/286 (69.9%)

186/290 (64.1%) 有効性の主要評価項目

における改善率(PPS)1)

2.52% (-4.03%~9.06%)3) 0.001*4) 4.9% (-3%~13%)3) 295/382

(77.2%)

273/389 (70.2%)

132/192 (68.8%)

242/376 (64.4%)

226/378 (59.8%)

262/425 (61.6%)

234/418 (56.0%) 概括安全度

による安全率2)

0.027*5) 0.0576) 0.249 4) - 0.048*7)

安全性解析対象例数 382 389 192 377 380 425 421

消化管障害発現率 68 (17.8%)

72 (18.5%)

41 (21.4%)

92 (24.4%)

84 (22.1%)

107 (25.2%)

119 (28.3%) 消化管潰瘍及び

出血性事象発現率

3 (0.8%)

3 (0.8%)

0 (0.0%)

0 (0.0%)

6 (1.6%)

0 (0.0%)

0 (0.0%) 重篤な消化管潰瘍及び

出血性事象発現率

0 (0.0%)

2 (0.5%)

0 (0.0%)

0 (0.0%)

0 (0.0%)

0 (0.0%)

0 (0.0%) 腎機能障害発現率 11

(2.9%)

27 (6.9%)

5 (2.6%)

8 (2.1%)

25 (6.6%)

10 (2.4%)

16 (3.8%) 浮腫事象発現率 4

(1.0%)

15 (3.9%)

1 (0.5%)

3 (0.8%)

17 (4.5%)

7 (1.6%)

13 (3.1%) 肝臓・胆管系障害

発現率

1 (0.3%)

1 (0.3%)

0 (0.0%)

0 (0.0%)

1 (0.3%)

0 (0.0%)

0 (0.0%) 心血管系事象発現率 8

(2.1%)

7 (1.8%)

1 (0.5%)

3 (0.8%)

6 (1.6%)

3 (0.7%)

4 (1.0%) 重篤な心血管系事象

発現率

0 (0.0%)

0 (0.0%)

1 (0.5%)

0 (0.0%)

2 (0.5%)

0 (0.0%)

1 (0.2%) 出血凝血障害発現率 7

(1.8%)

5 (1.3%)

1 (0.5%)

2 (0.5%)

3 (0.8%)

3 (0.7%)

2 (0.5%) 心臓障害発現率 2

(0.5%)

2 (0.5%)

0 (0.0%)

1 (0.3%)

3 (0.8%)

1 (0.2%)

2 (0.5%) 皮膚・皮膚付属器障害

発現率

42 (11.0%)

37 (9.5%)

3 (1.6%)

23 (6.1%)

7 (1.8%)

14 (3.3%)

14 (3.3%) 重篤な皮膚・皮膚付属

器障害発現率

2 (0.5%)

0 (0.0%)

0 (0.0%)

0 (0.0%)

0 (0.0%)

0 (0.0%)

0 (0.0%) 1) :RA;最終評価時のACR改善基準(変法)による改善率

OA;最終全般改善度による改善率(「中等度改善」以上と判定された症例の割合)

2) 「安全である」と判定された症例の割合

3) :差及び差の両側95%信頼区間(セレコキシブ群-ロキソプロフェンナトリウム群)[216];施設により調整した 改善率

4) :Cochran-Mantel-Haenszel検定(有意水準両側5%),セレコキシブ群 vs. プラセボ群 *:p<0.05

(ロキソプロフェンナトリウム群 vs. プラセボ群の検定は実施せず)

5) :Fisherの直接確率法(有意水準両側5%),セレコキシブ群 vs. ロキソプロフェンナトリウム群 *:p<0.05 6) :U検定(有意水準両側5%),セレコキシブ群 vs. ロキソプロフェンナトリウム群

7) Cochran-Mantel-Haenszel検定(有意水準両側5%),セレコキシブ群 vs. ロキソプロフェンナトリウム群 *p<0.05

-:検定実施せず

RAに対する第Ⅲ相試験[RCT1]のPPSにおいて,有効性の主要評価項目であるACR改善基 準(変法)による最終評価時の改善率は,本剤200mgBID 群及びロキソプロフェンナトリウム

60mgTID群でそれぞれ21.4%及び18.9%であった.両者の差(セレコキシブ群-ロキソプロフェ

ンナトリウム群)は 2.52%,差の両側 95%信頼区間は -4.03%~9.06%であり,その下限が,事 前に治験実施計画書で規定した非劣性の限界値 -10%を超えたことから,セレコキシ ブ

(200mgBID)のロキソプロフェンナトリウム(60mgTID)に対する非劣性が検証されたと判断 した.

一方,安全性について,概括安全度による安全率(「安全である」と判定された症例の割合)

は,本剤200mgBID群及びロキソプロフェンナトリウム60mgTID群でそれぞれ77.2%及び70.2%

であった.安全率(「安全である」,「ほぼ安全である」以下の2値)に対するFisherの直接確率 法(有意水準両側 5%)による検定の結果では,両群間で統計学的に有意な差が認められたが

(p=0.027),概括安全度判定(「安全である」から「問題がある」の4段階)に対するU検定(有 意水準両側5%)の結果では,両群間で統計学的に有意な差はみられなかった(p=0.057).

消化管障害の発現率は,本剤200mgBID群及びロキソプロフェンナトリウム60mgTID群でそ

れぞれ 17.8%及び 18.5%であった.消化管障害のうち消化管潰瘍及び出血性事象は,本剤

200mgBID群で3例(0.8%),ロキソプロフェンナトリウム60mgTID群でも 3例(0.8%)にみ られたが,そのうち重篤な消化管潰瘍及び出血性事象は,本剤 200mgBID群では認められず,

ロキソプロフェンナトリウム60mgTID群のみで2例(0.5%)にみられた.

腎機能障害の発現率は,本剤200mgBID群及びロキソプロフェンナトリウム60mgTID群でそ れぞれ2.9%及び6.9%であった.腎機能障害のうち浮腫事象は,本剤200mgBID群で4例(1.0%),

ロキソプロフェンナトリウム60mgTID群で15例(3.9%)にみられた.

肝臓・胆管系障害の発現率は,本剤200mgBID群及びロキソプロフェンナトリウム60mgTID 群でいずれも0.3%であった.

心血管系事象の発現率は,本剤200mgBID群及びロキソプロフェンナトリウム60mgTID群で

それぞれ2.1%及び1.8%であった.重篤な心血管系事象は,いずれの群にも認められなかった.

出血凝血障害の発現率は,本剤200mgBID群及びロキソプロフェンナトリウム60mgTID群で それぞれ1.8%及び1.3%であった.

心臓障害の発現率は,本剤200mgBID群及びロキソプロフェンナトリウム60mgTID群でいず れも0.5%であった.

皮膚・皮膚付属器障害の発現率は,本剤 200mgBID 群及びロキソプロフェンナトリウム

60mgTID 群でそれぞれ11.0%及び9.5%であった.重篤な皮膚・皮膚付属器障害は,ロキソプロ

フェンナトリウム60mgTID群では認められず,本剤200mgBID群で2例(0.5%)にみられた.

OAに対する第Ⅲ相試験[216]のPPSにおいて,有効性の主要評価項目である最終全般改善度 による改善率(「中等度改善」以上)は,プラセボ群,本剤100mgBID群及びロキソプロフェン ナトリウム60mgTID群でそれぞれ49.0%,69.9%及び64.1%であった.最終全般改善度の2値 評価(「中等度改善」以上,「軽度改善」以下)に対するCochran-Mantel-Haenszel検定(有意水

準両側5%)の結果,本剤100mgBID群とプラセボ群との間に統計学的に有意な差が認められた

(p=0.001).本剤100mgBID群とロキソプロフェンナトリウム60mgTID群の改善率の差は4.9%,

差の両側 95%信頼区間は -3%~13%であり,その下限が,事前に統計解析計画書で規定した非

劣性の限界値 -14%~ -12%を超えたことから,セレコキシブ(100mgBID)のロキソプロフェ ンナトリウム(60mgTID)に対する非劣性が検証されたと判断した.

一方,安全性について,概括安全度による安全率(「安全である」と判定された症例の割合)

は,プラセボ群,本剤 100mgBID 群及びロキソプロフェンナトリウム 60mgTID 群でそれぞれ 68.8%,64.4%及び59.8%であった.概括安全度判定に対するCochran-Mantel-Haenszel検定(有 意水準両側5%)の結果,プラセボ群と本剤100mgBID群の間で統計学的に有意な差はみられな かった(p=0.249).

消化管障害の発現率は,プラセボ群,本剤 100mgBID 群及びロキソプロフェンナトリウム 60mgTID群でそれぞれ21.4%,24.4%及び22.1%であった.消化管障害のうち消化管潰瘍及び出 血性事象は,プラセボ群及び本剤 100mgBID群では認められず,ロキソプロフェンナトリウム 群のみで6例(1.6%)にみられたが,重篤な消化管潰瘍及び出血性事象は,いずれの群におい ても認められなかった.

腎機能障害の発現率は,プラセボ群,本剤 100mgBID 群及びロキソプロフェンナトリウム

60mgTID群でそれぞれ2.6%,2.1%及び6.6%であった.腎機能障害のうち浮腫事象は,プラセ

ボ群で 1 例(0.5%),本剤 100mgBID群で 3例(0.8%),ロキソプロフェンナトリウム群で 17 例(4.5%)にみられた.

肝臓・胆管系障害の発現率は,プラセボ群及び本剤 100mgBID群では認められず,ロキソプ ロフェンナトリウム60mgTID群における発現率は0.3%であった.

心血管系事象の発現率は,プラセボ群,本剤100mgBID 群及びロキソプロフェンナトリウム 60mgTID群でそれぞれ0.5%,0.8%及び1.6%であった.重篤な心血管系事象は,本剤100mgBID 群では認められず,プラセボ群で 1例(0.5%),ロキソプロフェンナトリウム 60mgTID群で2 例(0.5%)にみられた.

出血凝血障害の発現率は,プラセボ群,本剤100mgBID 群及びロキソプロフェンナトリウム 60mgTID群でそれぞれ0.5%,0.5%及び0.8%であった.

心臓障害は,プラセボ群では認められず,本剤100mgBID群及びロキソプロフェンナトリウ ム60mgTID群における発現率はそれぞれ0.3%及び0.8%であった.

皮膚・皮膚付属器障害の発現率は,プラセボ群,本剤100mgBID群及びロキソプロフェンナト リウム60mgTID群でそれぞれ1.6%,6.1%及び1.8%であった.重篤な皮膚・皮膚付属器障害は,

いずれの群にも認められなかった.

腰痛症に対する第Ⅲ相試験[217]の安全性評価について,概括安全度による安全率(「安全で ある」と判定された症例の割合)は,本剤 100mgBID 群及びロキソプロフェンナトリウム 60mgTID 群 で そ れ ぞ れ 61.6%及 び 56.0%で あ っ た . 概 括 安 全 度 判 定 に 対 す る Cochran-Mantel-Haenszel検定(有意水準両側5%)の結果,両群間で統計学的に有意な差が認め

られた(p=0.048).

消化管障害の発現率は,本剤100mgBID群及びロキソプロフェンナトリウム60mgTID群でそ

れぞれ25.2%及び28.3%であった.消化管障害のうち消化管潰瘍及び出血性事象は,いずれの群

でも認められなかった.

腎機能障害の発現率は,本剤100mgBID群及びロキソプロフェンナトリウム60mgTID群でそ れぞれ2.4%及び3.8%であった.腎機能障害のうち浮腫事象は,本剤100mgBID群で7例(1.6%),

ロキソプロフェンナトリウム60mgTID群で13例(3.1%)にみられた.

肝臓・胆管系障害は,いずれの群にも認められなかった.

心血管系事象の発現率は,本剤100mgBID群及びロキソプロフェンナトリウム60mgTID群で

それぞれ0.7%及び1.0%であった.重篤な心血管系事象は,本剤100mgBID群には認められず,

ロキソプロフェンナトリウム60mgTID群で1例(0.2%)にみられた.

出血凝血障害の発現率は,本剤100mgBID群及びロキソプロフェンナトリウム60mgTID群で それぞれ0.7%及び0.5%であった.

心臓障害の発現率は,本剤100mgBID群及びロキソプロフェンナトリウム60mgTID群でそれ ぞれ0.2%及び0.5%であった.

皮膚・皮膚付属器障害の発現率は,本剤 100mgBID 群及びロキソプロフェンナトリウム

60mgTID群でいずれも3.3%であった.重篤な皮膚・皮膚付属器障害は,いずれの群にも認めら

れなかった.

表2.5.8 に,ロキソプロフェンナトリウム対照 3試験の安全性併合解析の結果(本剤の作用

機序から着目した有害事象及び本剤の安全性を幅広く評価するために検討した有害事象)を示 す.

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