4. ディスクリートアプリケーションの実装
4.6 Logix プラットフォーム用のディスクリート・アプリケーション・ソリューション例
ここでは、RSLogix5000とFTViewMEを使用する ディスクリートアプリケーションの前のセク ションで説明された概念を適用する例を説明します。この例は、ISA-S88 / PackMLヒエラルキー でのマシンの表示方法を示すことと、このヒエラルキーをロックウェル・オートメーションの
Logixプラットフォームに実行する方法を示すことを意図しています。
4.6.1 ディスクリートマシン
RSLogix5000のISA-88/PackML 概念の実装は、比較的簡単です。以下の図に、Vertical Form Fill Seal
(VFFS)梱包機械を示します。VFFSマシンは、ポテトチップやキャンディなどの製品をまくら型
の袋に梱包するために使用されます。
図4-8. VFFS梱包機械
4.6.2 Procedural and Equipment Control Layout for a VFFS Machine (VFFSマシン用の 手続き型制御と機器制御のレイアウト)
図4-3 (セクション4.3に示す)は、標準的なISA-88の手続き型制御と機器制御レイアウトがこの
ディスクリートマシンの例のアプリケーションのためにどのなるかをうまく示しています。以下 のような図は、通常、プロセス内の制御のさまざまなエリア間の関係を決定するのに役立ちます。
また、これには、このタイプのアプリケーションにLogixプラットフォームを実装する場合にロ ックウェル・オートメーションが推奨する方法も示しています。
この場合、手続き型制御と機器制御の両方がマシン/ユニットコントローラに配備されます。制 御のさまざまなエレメントを接続するラインは、エレメント間通信(またはインターフェイス)を 示します。本書の推奨事項は、通信が示す通りに行なわれることを許可することでこの規制に準 拠しています。つまり操作手順はコントローラにOperations (動作)として実装された動作によっ て実行されます。動作ステップはEMで実行され、EMは機器を制御するCMを管理します。以 下のなる状況においても、EMは他のピアEMと通信でき、またはCMは他のピアCMと通信で きなければなりません。また、EM が下位のEMと通信すること、およびCMが下位のCMと通 信することも可能です。この規制では、エレメントが同じレベルにある他のエレメントと依存関 係を持つことなく、モジュール性を保持できます。
4.6.3 ISA-88.01およびPackMLに基づくアプリケーションプログラムのレイアウト 以下のプロセスは、本書に説明または参照する概念と規格に基づいてソフトウェアアプリケーシ ョンを設計するときに行なう例です。このプロセスの各ステップからの情報について、以下のス テップのすぐ後に図に記載します。
1. 動作モードを識別します(Unit Procedures (単位手順))。
a. Production, Dry Cycle, Manualは、マシンが実行するときの標準の動作モードの例です。
2. マシン状態を識別します。
a. マシン状態は、このステップで識別する必要があるステップ1で識別した各動作モードに 必要です。
b. すべての状態モデルから始めて、必要ではない状態を識別します。
c. 必要ではない状態をソフトウェアアプリケーションで無効にします。
3. 各状態で実行される動作を識別します。
a. 各状態のためのすべての動作を定義します。各モードについてこのプロセスを繰返します。
例えば、“Home Machine” または“Home Infeed Section”です。
b. 各動作を独立して作動することが必要であるか、または動作を1つのコマンドビットで複 数のEMに指令するコマンド用にグループ分けできるかを判断します。
c. 各状態で実行される複数のステップがあるときには、適切なシーケンスを認識します。
4. 動作ステップから聞きコマンドを識別します。
a. ステップ3に記載された動作に基づいて、EMに必要とされるコマンドを識別します。こ れは、機器インターフェイスの基本です。
b. 可能な限りコマンドを少なくするために、ステップ3で識別された動作間の共通点を見つ けて、EMレベルにいたるまでの必要な動作のすべてを処理する機器インターフェイスを 構築します。
例えば、1つのコマンドビットが複数のEMに従って作動できるため、個々のコマンドを 共通するEM機能のために作成する必要がないかを判断します。Enable, Disable, Home,
Fault Resetは、多くのEMが共通して持つ可能性があるコマンドの例です。ほとんどの場
合、すべてのEMはこれらの機能を同時に実行できます。
5. 機器モジュール(EM)を識別します。
a. ステップ1で識別された動作モードごとに必要になるEMを認識します。
b. 物理的な機器のセクションをEMに関連付けます。
c. 特定のマシン機能とは別のEMをグループにまとめて、それらを実行するのに共に機能す るCMを識別します。
d. 通常、個別のモータ、アクチュエータ、および他の出力デバイスは1つまたは複数のCM によって制御されます。
e. このプロセスの追加の例は、このセクションの後半に示します。
6. 機器モジュールのステップを識別します。
a. 各EMが、各動作ステップとそれに関連するコマンド(ステップ3 & 4に記載)を行なうた めに実行する必要があるステップをすべてリストします。
b. 機器モジュールのステップを定義します= [Action + Physical Machine Device]。
例えば、“Move Sealing Jaws to start position“とは、“Move to start position”がアクションで、
“Sealing Jaws”が物理的なマシンデバイスのことです。
c. 機器ステップを、CMに実行されるコマンドのリスととしてまとめます。
7. 制御モジュール(CM)を識別します。
a. ステップ6にリストされた機器ステップを実行する、物理デバイスと関連するCMを識別 します。
b. 再使用可能なライブラリにある既存のCMを識別します。
c. 必要な機能がCMライブラリで使用できない場合は、新しいCMを作成するか、または他 のライブラリから入手します。将来再利用すると考えられる場合は、新しい機能をライブ ラリに追加するためにこのステップを実行する必要があります。
以下の図に、上述したようなステップ1 〜7でキャプチャされた情報を示します。
Step 1 Step 2 Step 5 Step 4 Step 6 Step 7
Modes States EM's Operation Steps Seq.
Equipment
Interface Cmd's Equipment Steps CM's
Production Resetting Film Control Reset Faults 1 FaultReset Reset VFD 1 CM03_VFDControl OutFeed Reset Faults 1 M101.1 Reset Servo Drive 1 CM00_ServoAxis
Reset Servo Drive 2 CM00_ServoAxis Sealing Jaws Reset Faults 1 FaultReset Reset Servo Drive 3 CM00_ServoAxis Starting Film Control Enable Drive 1 Enable Drives Enable VFD 1 CM03_VFDControl
Move to Start 2 Home Jog VFD 1 CM03_VFDControl
OutFeed Enable Drive 1 Enable Drives Enable Servo Drive 1 CM00_ServoAxis Enable Servo Drive 2 CM00_ServoAxis Move to Start 2 Home Move Servo 1 to start CM00_ServoAxis Move Servo 2 to start CM00_ServoAxis Start Camming 3 PrepareExecution Calculate Cam CM02_PCamStart
Start Cam Servo 1 CM02_PCamStart Start Cam Servo 2 CM02_PCamStart Sealing Jaws Enable Drive 1 Enable Drives Enable Servo Drive 3 CM00_ServoAxis
Move to Start 2 Home Move Servo 3 to start CM00_ServoAxis Start Camming 3 PrepareExecution Calculate Cam CM02_PCamStart Execute Virtual Master Start VM 1 StartExecution Jog Virtual Master CM04_VirtualAxis
Film Control Register Unwind 1 StartExecution Jog Virtual Master CM04_VirtualAxis Stopping
Stopped Aborting Aborted Manual…
Step 3
図4-9. アプリケーションレイアウト資料の例
4.6.4 マシンと機器モジュールとの分離
以下の図に、VFFSマシンのコアプロセスを示します。
図4-10. VFFSマシンのコアプロセス
以下の図に、機能エリアを示す影付きのエリアのあるVFFSマシンを示します。これらのエリア は、論理制御エレメント(つまりEM)に分割されています。
図4-11. 機器モジュールへのコアVFFSマシンプロセスの分解
4.6.5 Logixアプリケーションレイアウト
以下の図に、VFFマシンのロックウェル・オートメーションのLogix実装例に存在する手続き型 と機器制御エレメントを示します。計画するアプリケーションのこのステージでは、Unit procedures (単位手順)とUnit operations (単位操作)モードは示していません。この図には、ユニッ トの動作モードはPackML状態図として示され、ISA88-TR88.00.02 (PackML)規格に従ってコント ローラに実際に実装されたものです。
図4-12. VFFSの標準的な手続き型と機器制御レイアウト
Cmd_Home <> Sta_HomeDone Cmd_2 <> Sts_2Done
…
Cmd_n <> Sts_nDone
Automatic / Manual Stop – Start
Reset Open Jaws Jog Close Jaws Jog Advanced Film Jog
Etc.
Unit Procedures (単位手順)
- Operator Interface (オペレータインターフェイス) - PackML State Model (PackML状態モデル)
Operations (動作)
- Operational Modes (動作モード) UN01_VFFS
OP01_Production OP02_Manual
EM00_VirtualMaster CM AxisJog CM VirtualAxis (EM VirtualAxis)
EM01_SealJaws CM JawControl
CM ServoAxis (EM Servo)
EM02_FilmControl CM FilmControl
CM ServoAxis (EM Servo)
EM03_Outfeed CM OutFeed CM VFDControl
(EM VFD) Equipment Interface (機器インターフェイス)
前の図には前のステップで確立されたEMを示し、さらに、Virtual Master EMが複数のEMで動 きを協調するために必要になります。これは物理的な多軸サーボシステムの能力を使用して行な われ、他のEMに直接通信するVirtual Master EMとして認識されるべきではありません。この例 は、前のセクションに説明したように制御エレメントのモジュール性を保持しています。
以下の図に、VFFS RSLogix5000プログラムヒエラルキーのスクリーンショットを示します。図 では、ISA-88 およびPackML 規格に付属するエレメントは、すべてLogixタスク、プログラム、
ルーチン、AOI, UDT, または標準IEC 61131プログラミング言語として示されます。
図4-15. サンプルのディスクリート制御 – Logixプログラム構造
このモジュール性によって、インターロックを再度プログラミングすることなく、あるEMから 他にCMをコピーおよび移動する、ある単位手順から他にEMをコピーおよび移動することがで きます。
PackML状態モデル付きのUnit Procedure (単位手順)
Unit Control (単位制御)
Unit Operation(単位操作)
PackML状態トランジション
機器モジュール
制御モジュール