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フラクタル次元の推定

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ln ( F n ) = 0.5566ln ( n ) 6.0537

R DFA 2 = 0.9968 H ^

DFA = 0.5566

0.003 0.010 0.030 0.100 0.300

10 100 1000 10000

n F n

45 DFA

による日経平均株価のハースト指数の推定

H ^

DFA = 0.5566 p DFA = 305

10000

0 500 1000 1500

0.00 0.25 0.50 0.75 1.00

H ^

DFA

Frequency

46

日経平均株価のスクランブルテストの結果

する標本は,

δ ≥ 2 / N

ならばすべての

m

に対して少なくとも

2

つ以上存在するが,

δ < 2 / N

ならば標本が

1

つ しかないような区間がいくつか生じる.標本が

1

つしかない区間では対応する標本値の幅が

0

になるため,

N ˆ δ

は著しく低下する.そして,この

2 / N = 2 / 19152

は約

10 4

であり,図

47

におけるこの付近での

N ˆ δ

の振る舞 いはこのことを表している.一方で,回帰分析の対象範囲を示す青色の領域内においては明確に冪乗則がみら れる.ここから推定された次元は

1 . 4004

であり,決定係数は十分大きい.図

31

でみたように,ボックスカウ ント法ではハースト指数が小さいとき正しく推定できなかったが,上述の推定結果からハースト指数は

1 / 2

よ りも大きいと考えられるため,幸いにもこのことは大きな問題とならない.しかし,

H > 1 / 2

であっても推定 値に若干の偏りが生じていた.それを考慮しても,

1 . 4004

という推定値はハースト指数や

α

の推定値から推測 される次元よりもやや大きい.もしグラフの次元が

1 . 40

程度かそれよりもやや大きく,ハースト指数が

DFA

で推定されたように

0 . 55

程度であるならば,

α

1 . 8

以上でなければならない.

48

には樋口法によるグラフの次元の推定結果を示した.決定係数は表示上

1

であり極めて高い.推定値 は

1 . 4437

でありボックスカウント法による推定値よりもやや大きいが,図

34

でみたように,樋口法では推 定値を過大評価する方向に一定の偏りが生じていた.したがって,実際のグラフの次元は

1 . 4004

から

1 . 4437

の間程度であると考えられる.

α

は少なくとも

1

よりは大きいと考えられるため,この結果はスケーリング 指数が

0 . 5563

から

0 . 5996

程度であることを意味する.このスケーリング指数の下限は

DFA

によるハースト 指数の推定値に非常に近いため,その結果から判断すれば

α = 2

として差し支えないといえる.しかし,ス ケーリング指数の上限

0 . 5996

と,最もハースト指数の推定値が低かったパワースペクトル密度に基づく推定 値

0 . 5153

を用いれば,そこから計算される

α

1 / (0 . 5996 − 0 . 5153 + 1 / 2) = 1 . 7115

となる.いずれにしても 実際の

α

の推定値よりは明らかに大きい.

観測された系列

{ X t }

の増分が実際にそのようなスケーリング指数をもっているのかを,

Kullback-Leibler

情報量を用いて調べた.もしスケーリング指数が

s

ならば自然数

n

に対して

n s (X t + nX t )

が従う分布に 対する

X t + 1X t

が従う分布の

Kullback-Leibler

情報量は

0

になるはずである.もちろん観測されたデータ から推定する以上,その推定値は必ずしも

0

にならないが,同じデータに対して

s

0

から

1

に動かし

ながら

Kullback-Leibler

情報量を計算していったとき,

s

がスケーリング指数に一致する点の付近でその値

が最小になることが期待される.

Kullback-Leibler

情報量は式

(61)

から得られるが,ここで確率密度関数

p (x) , q (x)

は図

41

と同様に度数分布を用いて推定した.そのとき,度数分布の階級は次のように定めた.ま ず,

m 1 = max { min { X t + 1 − X t } , min { n s (X t + nX t ) }} , m 2 = min { max { X t + 1 − X t } , max { n s (X t + nX t ) }}

として,

(m 1 , m 2 ]

に属する

{ n s (X t + nX t ) }

の標本数と

(m 1 , m 2 ]

に属する

{ X t + 1 − X t }

の標本数のうち小さい方を

N ˜

とす る.そして,区間

(m 1 , m 2 ]

j √

N ˜ k

個の区間に分割したものと,その外側の区間

( −∞, m 1 ] , (m 2 , ∞ )

をここで 用いる度数分布の階級とする.ただし,図

41

のときと同様に,

{ n s (X t + nX t ) }

が存在しない階級については 右ないしは左の階級と結合して評価するものとする.また,一般には必ずしも

m 1 < m 2

とはならないが,いま

{ X t }

の増分の平均を

0

としているから,

{ X t }

の間隔

n

の増分の平均もまた

0

であり,

{ n s (X t + nX t ) }

には符号 の異なるデータが常に存在するはずであるから,常に

m 1 < m 2

となる.様々な

n

s

に対して,そのような手 順で計算した

Kullback-Leibler

情報量を図

49

に示した.

s

0 . 25

から

0 . 75

の範囲を

0 . 0001

刻みで選んでい る.色のついた垂線は各

n

に対して

Kullback-Leibler

情報量が最小になる

s

を示す.なお,そのような

s

は必 ずしも一意ではないが,結果的には各

n

に対して

1

つだけしか存在しなかった.そして,その

n

s

の関係を 表

6

に示した.

n

に応じて若干の違いがあるが,おおむね

s = 0 . 53

から

s = 0 . 57

Kullback-Leibler

情報量が 最小になっており,その

s

に近づくにつれて

Kullback-Leibler

情報量が明確に減少していることが図

49

から 観察できる.スケーリング指数が

0 . 53

から

0 . 57

程度であることは,グラフの次元が

1 . 43

から

1 . 47

程度であ ることを示し,ボックスカウント法や樋口法による推定値と同程度かやや大きな推定値を与えている.このわ ずかな相違の原因には次のような点を挙げることができる.もし元の系列が

H > 1 / 2

の非整数ブラウン運動 に従うならばスケーリング指数は

H

であるが,式

(59)

のように,通常の分散の不変推定量による推定値は過 小評価となる.したがって,観測された間隔

n

の増分の分布は間隔

1

の増分の分布の

n H

倍よりも若干小さな スケールの分布に従う.つまり,平均的には,本来のスケーリング指数

H

よりも少しだけ小さな

s

において

Kullback-Leibler

情報量が最小化されると考えられる.とくに

n

が大きくなるほど真の分散と分散の推定値の 期待値との乖離が広がるため,この影響は大きな

n

に対して顕著である.また,このことは非整数ブラウン運 動だけでなく,非整数安定過程の場合でも同様である.

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ln ( N ^ δ ) = −1.4004ln ( δ ) + 1.3565 R BC 2 = 0.9998

dim ^

BC = 1.4004 1e+02

1e+04 1e+06

1e−04 1e−03 1e−02 1e−01 1e+00

δ

N ^ δ

47

ボックスカウント法による日経平均株価のグラフの次元の推定

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ln ( L n ) = −1.4437ln ( n ) + 4.9835

R H 2 = 1.0000 dim ^

H = 1.4437 1e−02

1e+00 1e+02

1 10 100 1000 10000

n L n

48

樋口法による日経平均株価のグラフの次元の推定

0.003 0.010 0.030 0.100 0.300

0.3 0.4 0.5 0.6 0.7

s D K L ({ X t+ 1 − X t } , { n − s ( X t+ n − X t )} )

n 2 3 4 6 7 8 9 12 14 16 18 19

49

日経平均株価の対数増分の

Kullback-Leibler

情報量

6: Kullback-Leibler

情報量を最小化するスケーリング指数

s

n

標本数

min { D KL } s

2 9576 0 . 003567 0 . 5764

3 6384 0 . 006365 0 . 5684

4 4788 0 . 012297 0 . 5529

6 3192 0 . 011586 0 . 5475

7 2736 0 . 010211 0 . 5478

8 2394 0 . 017456 0 . 5364

9 2128 0 . 015801 0 . 5361

12 1596 0 . 017691 0 . 5462

14 1368 0 . 015545 0 . 5365

16 1197 0 . 023291 0 . 5300

18 1064 0 . 019060 0 . 5474

19 1008 0 . 026124 0 . 5455

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