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ビール系酒類の最新市場動向

ドキュメント内 1110bknum_s.pdf (ページ 50-55)

 夏場3カ月の出荷,最近10年間で最低

 今年の夏場3カ月間(6〜8月)のビール系酒 類の課税数量は,前年同期比4.8%減と低調だった。

昨年は,7,8月が記録的な猛暑となったことが 寄与して0.7%の増加となったが,今年は7月中旬 に台風が来てから下旬にかけて天候不順だったこ とと,加えて8月下旬の天候不順が災いし,最近 10年間の夏場3カ月の課税数量としては最も少な い数量となった。月別の動向は次のとおり。

 6月 課税数量の総計は前年比11.1%の2ケタ 減で,最近10年間の6月の数量としては最も少な かった。東日本大震災の影響や天候要因がその原 因。分野別にみても,ビールと発泡酒は2ケタ減 となり,新ジャンルも前年を下回った。

 7月 総計は0.4%増と,営業日数が前年同月よ

第2表 平成23年夏場3カ月のビール系酒類課税数量

6月 7月 8月 6〜8月 1〜8月

数量

(kL)

前年比

(%)

数量

(kL)

前年比

(%)

数量

(kL)

前年比

(%)

数量

(kL)

前年比

(%)

数量

(kL)

前年比

(%)

ビール 国産 262,533 89.0 318,075 102.1 268,800 93.7 849,426 95.1 1,799,128 96.1 輸入 675 104.1 932 131.7 436 77.4 2,044 106.5 4,992 115.1 263,209 89.0 319,008 102.2 269,236 93.7 851,470 95.1 1,804,120 96.1 発泡酒 国産 76,665 80.0 86,748 89.2 76,398 88.7 239,806 85.9 575,836 87.9 輸入 108 81.4 116 86.3 169 141.5 393 101.6 864 99.1 76,773 80.0 86,864 89.2 76,567 88.8 240,199 85.9 576,700 87.9

新ジャンル

その他の

醸造酒 67,126 92.5 75,762 100.8 68,979 104.4 211,860 99.1 474,211 99.2 リキュール 116,259 93.5 118,055 105.1 104,002 104.4 338,305 100.6 799,555 106.1 183,385 93.1 193,817 103.4 172,982 104.4 550,165 100.0 1,273,766 103.4 総計 523,367 88.9 599,689 100.4 518,785 96.2 1,641,834 95.2 3,654,586 97.1 ビール ÷ 総計 50.3%(50.2%) 53.2%(52.3%) 51.9%(53.3%) 51.9%(51.9%) 49.4%(49.9%)

発泡酒 ÷ 総計 14.7%(16.3%) 14.5%(16.3%) 14.8%(16.0%) 14.6%(16.2%) 15.8%(17.4%)

新ジャンル ÷ 総計 35.0%(33.5%) 32.3%(31.4%) 33.3%(30.7%) 33.5%(31.9%) 34.9%(32.7%)

り1日少ないにもかかわらず,わずかながら前年 を上回った。昨年の7月も好天が寄与して2.1%の 増加となっており,7月は2年連続で前年を上回 った。

 8月 下旬の天候不順が災いし,営業日数が前 年同月より1日多いにもかかわらず3.8%の減少と なった。昨年の8月は0.3%減となったものの,猛 暑の寄与が少なからずあったと考えられることか ら,今年の8月はその裏返しがマイナス要因とし て作用したことも一因とみられる。

 低価格の輸入新ジャンル急拡大

 国産のビール系酒類が伸び悩む中で,韓国産を 中心とする輸入新ジャンルは勢いがまったく衰え ていない。今年の3月以降は大幅増が続いており,

6月は前年比2倍の176万箱(大瓶換算),7月は 8割増の202万箱と,月を追うごとに数量が増えて いる。国産の新ジャンルとの合計数量に占める輸 入新ジャンルの構成比は,6月が11.4%と過去最 高の数値を記録,7月も同じ構成比だった。かつ てのように数量が少ない時には全体に及ぼす影響 度合いも小さかったが,現在のように規模が大き くなると,その影響度合いも大きくなる。6月を 例にとると,国産新ジャンルだけの前年比は5.7%

減とマイナスだったが,輸入新ジャンルを合わせ た全体の前年比は0.4%の増加となり,国産の前年 比より6ポイント程度押し上げる力を持つに至っ ている。7月も同様に国産新ジャンルの前年比は 3.0%増だが,国産・輸入合計の前年比は8.4%増 で,5ポイント強押し上げたことになる。夏場3 カ月の国産新ジャンル課税数量の前年比はほぼ前 年並みにとどまったが,輸入分を合わせると5%

程度の増加となっていることが想像され,逆にい うと輸入新ジャンルに流れたユーザーがこれだけ 多くなったということがいえよう。大手量販店で は,輸入新ジャンルPB商品に注力する動きが広 がっており,今後しばらくは輸入新ジャンル市場 は拡大を続けることは間違いなさそうだ。

 「節電の夏」も例年と変化なし

 今年の夏は,原発事故に伴って社会全体として 節電への対応が求められ,例年より「暑い夏」と なることが予想された。そして,その影響がビー

ル類にはどのように表れるか注目されたが,結局,

目立った影響はなかったようだ。氷を入れて飲む

〈キリンアイスプラス〉ビールが発売されるなど,

通常とは違う「ビールに氷を入れて飲む」飲み方 が一部で話題を集めたが,大きな広がりとはなら なかったようだ。また,スーパーでは節電対応の 一環としてビール類やRTDを陳列する冷蔵ケー スの設定温度を,通常の5℃程度から10℃程度ま で引き上げて販売するところが多かった。このこ とによる売り上げへの影響が懸念されたが,実際 にはほとんど影響はなかったとする店が大半だった。

 ノンアルビール,伸び一段落

 〈キリンフリー〉登場後,市場拡大を続けてき たアルコール分0.00%のビール風味飲料,いわゆ るノンアルコールビールだが,昨年8月にアサヒ

〈ダブルゼロ〉とサントリー〈オールフリー〉が 発売されてから1年間を経過したことで,8月単 月は前年並みの128万箱(大瓶換算)となるなど,

前年比大幅増は一段落した。1〜8月累計は740万 箱に達しており,現在のペースで推移すれば年間 で1,000万箱の大台に乗ることは確実で,1,100万

〜1,200万箱程度となることが見込まれる。最近は,

ノンアルビール以外にノンアルカクテルにも注目 が集まりつつあり,清涼飲料と酒類の間の「業際 商品」として今後の市場の行方が注目されている。

  (醸造産業新聞社 編集部)

第3表  夏場3カ月のビール系酒類課税数量の10年間推移

(kL)ビール 発泡酒

(kL) 新ジャンル

(kL) 合計

(kL)

平成 14 年 1,341,300(87.7%) 775,522

(115.1%)

(−) 2,116,822

(96.1%)

15 年 1,186,856(88.5%) 696,679

(89.8%)

(−) 1,883,535

(89.0%)

16 年 1,197,878(100.9%) 680,250

(97.6%) 104,600

(−) 1,982,728

(102.3%)

17 年 1,117,616(93.3%) 478,711

(70.4%) 334,221

(319.5%) 1,930,548

(97.4%)

18 年 1,082,301(96.8%) 443,877

(92.7%) 335,745

(100.4%) 1,861,923

(96.4%)

19 年 1,055,393(97.5%) 422,039

(95.1%) 364,653

(108.6%) 1,842,085

(98.9%)

20 年 975,829

(92.5%) 390,514

(92.5%) 425,459

(116.7%) 1,791,802

(97.3%)

21 年 899,317

(92.2%) 327,052

(83.7%) 487,158

(114.5%) 1,713,527

(95.6%)

22 年 895,328

(99.6%) 279,631

(85.5%) 550,105

(112.9%) 1,725,064

(100.7%)

23 年 851,470

(95.1%) 240,199

(85.9%) 550,165

(100.0%) 1,641,834

(95.2%)

注)カッコ内は前年比

業界の話題

フードスペシャリストの認知度向上へ食品業界で 活躍を 日本冷凍食品協会・三浦佳子広報部長   (日食 2011/08/26 日付)

 日本フードスペシャリスト協会の賛助会員であ る日本冷凍食品協会(冷食協)は,会員588(8月 8日現在)を擁している。冷食の市場規模は8,361 億円(国内の工場出荷額と輸入額)で,国内生産 のうち業務用が6割,家庭用が4割を占めている。

業務用は,価格の変動が小さく年間を通じて安定 的に供給されているため,外食・中食などのメニ ューが立てやすいという冷食ならではのメリット がある。そして食品残渣(ざんさ)が出ないこと や調理時間が短縮できることもメリットだ。

 冷食協の三浦佳子広報部長は「フードスペシャ リスト資格を持った人が冷食業界でも広く活躍し,

冷食のレベルを高めてほしい」と話す。三浦部長 は消費生活コンサルタントの資格を持ち,さまざ まな分野にかかわっていることから,食のプロで あるフードスペシャリストには「食のことだけで なく,ガスや電気など食と切り離せない電化製品 やエネルギーの安全性などにも目を向けてほし い」と語っている。また認知度を高めるには資格 を取得しているフードスペシャリストが食品産業 界全体で活躍することだという。三浦部長に,フ ードスペシャリストへの期待と要望を聞いた。

 ■実践での研さんが大切

 資格は取得までの学ぶ課程と,それを礎にしな がら取得後に学ばなければならないことがある。

資格を持って現場で生かすには机上の学びだけで なく実践だ。他の資格取得者や一緒に携わる人と の実践的な交流が大事で,資格は取ってからが勝 負。

 例えば,高齢者,地域の人を巻き込んで食育活 動を一緒に企画してはどうか。社会教育の現場な どでボランティアとして研さんを積む,実践とし て積むことが大切。

 食品関係は資格が多いが真の食のプロとは何か。

なぜ食にこだわり,かかわるのか,食に対する自 分軸を持っていてほしい。併せて,安全性につい

てもアンテナを立ててもらいたい。子どもに教え るにしても 火を使うときは換気扇を回す など,

ガスや電気の安全についても基礎的な知識を持っ てほしい。

 実際に,厨房でプロが起こしてしまう事故は多 い。平常時が一番大事で,ガスも電気もゼロリス クはない。

 資格認知度向上には,今現在資格を持っている 人が現場で活躍することだろう。こういう資格が あって良かったという専門家ならではの仕事をし てほしい。認知度は簡単には上がらないだろうが,

フードスペシャリストが食の現場で頼られる存在 であってほしい。

 資格もたくさんあるため,一般の人にはその違 いがわからない。大学,短期大学で所定の科目を 履修し,食をトータルに学んだ人が取れる資格だ ということをどう出していくかが難しい。社会的 意義は大きいので,地域密着で活躍してくれると いい。また企業には,その特性を生かした採用を してもらいたい。

 高齢社会が進む中,低栄養の問題や単身世帯の 食の指導も重要。フードスペシャリストだからこ そ啓発できるさまざまな場所があるのではないか。

 小売も含め流通業界には女性が少ないと感じる が,フードスペシャリスト有資格者を積極的に採 用するべきだ。学んでいる分,流通業界での活躍 が望める。

 ■安全な冷食を積極活用

 食も限られた資源であり,自然の恩恵でいただ いている食べ物も多いので,自然に対する畏敬の 念も忘れないでほしい。農家の子どもは天候不順 だとコメが採れないことが実感としてわかるが,

都市部の子どもにはわかりにくい。

 現在,消費者には食に対する不信感やそこから くる不安があるので,正しい知識の下,消費者の 誤解を解いていくよう,ニュートラルな目線で食 の安全を伝えてもらいたい。

 地産地消も大事にしつつ,冷食の優れた点を知 っていただきたい。外食,中食のメニューがなぜ

業界の話題

日本食糧新聞社・食サーチ(http://news.nissyoku.co.jp/)より

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