第 5 章 ビタミン B 1 2 人工脂質と合成二分子膜ベシクル
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CH3 : (CN)2Cob(III)(10‑N+CSAsp2C16)7C1ester R = C3H7 : (CN)2Cob(III)(10‑N+CSAsp2C16)7C3esterN+Ccy~ (u.,,'-' Ala2C 16
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CH3 : (CN)2Cob(III){ 10‑(S03づ
CSAsp2C16}7C1 ester R = C3H7 : (CN)2Cob(III){ 10・(S03一)CSAsp2C16}7C3ester(S03一)CSAla2C16
‑75‑
[使用機器]
示 差 走 査 熱 量 分 析(DSC):Miα
∞
al MC‑2超 高 感 度 走 査 型熱量計 動 的 光 散 乱 (DLS):大塚電子ダイナミック光散乱光度言十DLS‑700 電子顕微鏡観察:日本電子厄M‑200CX型 透 過 型 電 子 顕 微 鏡超音波照射装置(プローブ型):Branson So凶日er250 Vortex撹枠器:Vortex‑Genie K‑550‑G
pHメーター:Beckman ~ 71 pH計
b) 試 料 の 調 整
示 斧 走 杏 熱 畳 分 析
((CN)2Cob(III)(10・N+CSAsp2C16)7C1esterおよび(CN)2Cob(III){10・(S03一)CSAsp2C16}
7C1es町単独系)
1.0 x 10‑2mol dm‑3の(CN)2Cob(III)(10‑N+CSAsp2C16)7Cles町 ク ロ ロ ホ ル ム 貯 蔵 液 か ら500μLを10mLサンプルピンに入れ, 24時 間 室 温 で 減 圧 下 に 乾 燥 し て 薄 膜 を 形 成 し た。このサンプルピンに1.0x 10‑2mol dm‑3リン酸緩衝液 [pH7,μO.I(KCl)] 5.0mLを 加えVortex撹祥器を用いて激しく撹持した後,示差走査熱量分析を行った。
脂質濃度: 1.0 x 10‑3mol dm‑3
同様の操作を(CN)2Cob(III){10・(S03一)CSAsp2C16}7C les町 に つ い て も 行 い , 示 差 走 査 熱量分析を行った。
(混合二分子膜系) 1.0 x 10‑1mol dm‑3の
N+CSAla2C16クロロホルム貯蔵液から1臼nLサンプルピン中に 50μLとり, 1.0 x 10‑2mol dm‑3の(CN)2Cob(III)(10‑N+CSAsp2C16)7Clesterクロロホノレム 貯蔵液を各サンプルピンに0,1,2, 3,5モル%となるように混合したO この溶液を24時 間室温で減圧下に乾燥して薄膜を形成した。各サンプルピンに1.0x 10‑2mol dm‑3リ ン酸緩衝液 [pH7,μO.I(KCl)] 5.0mLを加えVortex撹持器を用いて激しく撹持した後,
一 夜‑200Cで熟成した。室温で解凍した後,示差走査熱量分析を行った。
全脂質濃度:N+C
s
Ala2C16 1.0 x 10‑3mol dm‑3に対して各試料0,1,2,3,5モル%混合.同様な操作を(CN)2Cob(III)(10‑N+CSAsp2C16)7C3esterについて行った。
また,(S03‑)C5Ala2C16と(CNhCob (111) {10‑(S03一)C5Asp2C16}7C lesterの組合せ及び (S03づC5Ala2C16と(CN)2Cob(III){10‑(S03 ‑)C5Asp2C16} 7C3esterの組合せについても上 記と同様な操作を行い試料を調整した。
全脂質濃度:(S03 ‑)C5Ala2C16 1.0 x 10‑3mol dm‑3に対して各試料0,1,2,3,5モ ル % 混合.
動的光散乱
1.0 x 10‑1mol也n‑3のN+C5Ala2C16クロロホルム貯蔵液から1臼nLサンプルピン中に 50μLとり, 1.0 x 10‑2mol dm‑3の(CN)2Cob(lII)(10‑N+C5Asp2C16)7C1 esterクロロホルム 貯蔵液を各サンプルピンに 0,1,2,3,5,10モル%となるように混合した。この溶液を 24時間室温で減圧乾燥して薄膜を形成した。各サンプルピンに1.0x 10‑2mol dm‑3リ
ン酸緩衝液 [pH7,μ0.1 (KCl)] 5.0mLを加えVortex撹祥器を用いて激しく撹持した後,
プロープ型ソニケーターにより超音波照射を行った (30W,15分)。この溶液を20臼m のメンプレンフィルターに通して超音波照射の際に照射チップより混入したチタン 粉末を除く操作を3回行い,穏やかにサンプル管に移して動的光散乱を測定した。
全脂質濃度:N+C5Ala2C16 1.0 x 10‑3mol dm‑3に対して各試料0,1,2,3,5,10モ ル % 混合.
同様な操作を(CN)2Cob(III)(10・N+C5Asp2C16)7C3esterについても行った。
また,(S03 -)C
5
Ala2C16
と (CN~Cob (III){10‑(S03一)C5Asp2C16} 7C 1 esterの組合せ及び (S03一)C5Ala2C16と(CN)2Cob(III){10‑(S03 ‑)C5Asp2C16} 7C3esterの組合せについても上 記と同様な操作を行い試料を調整した。全脂質濃度:(S03 ‑)C5Ala2C16 1.0 x 10‑3mol dm‑3に対して各試料0,1, 2, 3, 5, 10モ ル % 混合.
電子顕微鏡観察
(分散溶液)
(CN)2Cob(III)(10‑N+C5Asp2C16)7ClesterとN+CSAla2C16[1 : 50 (mol dm‑3 /mol dm‑3)]
‑77‑
の薄膜を2%酢酸ウラニル水溶液に分散させた溶液(全脂質濃度: 5.0 x 10‑3mol dm‑3)
をマイクロシリンジを用いてカーボン蒸着膜をのせた銅メッシュの上に一滴のせた。
約30秒後,余分の溶液を鴻紙で吸い取った。調整した試料はデシケーター中で一日 乾燥した後,アスピレーターで 1時間減圧下に乾燥し,電子顕微鏡観察を行った。
(超音波照射溶液)
上記分散溶液についてプローブ型ソニケーターにより超音波照射 (30W,3分)を行 い,分散溶液と同様な操作を行って試料を調整し,電子顕微鏡観察を行った。
5.2 示差走査熱量分析
本節では第4章で合成を述べた新規ピタミン B12人工脂質が水中で二分子膜を形 成 す る か ど う か を 検 討 す る た め に , 単 独 系 お よ び 混 合 膜 系 でDSCを測定した。まず (CN) 2Cob(III)(1 0 ‑N+C5Asp2 C16)7C1 esterのみの分散水溶液についてDSC測定を行った が, 50Cからの℃の温度範囲において明確な吸熱ピークは観察されないことから,単 独では二分子膜を形成しないことがわかる。さらに, (CN)2Cob(lIl){ 10‑(S03づC5Asp 2C16 } 7C1 esterのみの分散水溶液中でも同様な結果が得られた。これらの結果から新 規ピタミン B12人工脂質単独では二分子膜を形成しないことが明らかになった。こ
れは結合している疎水性ピタミン B12分子が大きいために,脂質問の相互作用が極 めて弱くなったことが原因として考えられる。次にN+C5Ala2C16と(CN)2Cob(III)(10・
N+C 5AsP 2C16)7C 1 esterの混合二分子膜について得られたDSCサーモグラムを図5.1に 示 す 。 ま た(CN)2Cob(III)(1O‑N+CsAs p2C 16)7C1 es terを 含 む 混 合 二 分 子 膜 お よ び (CN) 2Cob(III)(1 0‑N+C sAsp2C16)7C3estt討を含む混合二分子膜の組成比を変えた場合の ゲルー液晶相転移温度の変化を図5.2に示す。
混合二分子膜中に占める(CN)2Co b( 111)( 1 0・N+C5Asp2C16)7C1esterO割合が増大する につれてゲルー液晶相転移温度は増加し,サーモグラムのピーク半値幅が増大して
4
3
2
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27
30
24温度 / O C
21
1 8
二分子膜の組成変化とDSCサーモグラムの関係 図5.1
測定条件:1.0 x 10‑2mol dm‑3リン酸緩衝液[pH7,μ0.1(KCl)]中
A: N+CSAla2C16のみ (1.0x 10‑3mol dm‑3), B: N+C
s
Ala2C16 (1.0 x 10‑3mol也n‑3), (CN)2Cob(III)(10‑N+CSAsp2C16)7Clester (1.0 x 10‑5mol dm‑3), C: N+Cs
Ala2C16(1.0 x 10‑3mol dm‑3), (CN)2Cob(III)(10・N+CSAsp2C16)7C1ester(2.0 x 10‑5mol dm‑3),
D :
N+Cs
Ala2C16 (1.0 x 10‑3mol dm‑3), (CN)2Cob(III)(1 0‑N+Cs
Asp2C 16)7C1ester (3.0 x 10‑5mol dm‑3), E: N+Cs
Ala2C16 (1.0 x 10‑3mol dm‑3), (CN)2Cob(III)(10‑N+Cs
Asp2C16)7C1ester (5.0 x 10‑5mol dm‑3).
‑79‑
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2 2 3 . 0
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2 3 . 5
( υ
︒) 組唄 検特 ぼ雫
N+CSAla2C16に対する(CN)2Cob(III)(lO‑N+CSAsp2C16)7Cnester(n = 1,3)のモル比率 (0/0) 混合二分子膜の組成比が相転移温度に及ぼす影響
図5.2
測定条件:1.0 x 10‑2mol dm‑3リン酸緩衝液 [pH7,μO.l(KCl)]中 .: (CN)2Cob(III)(10・N+CSAsp2C16)7C1esterを含む混合二分子膜
0 :
(CN)2Cob(III)(10‑N+CsAsp2C16)7C3esterを含む混合二分子膜表5.1 N+CSA1a2C16と(CN)2Cob(III)(1O‑N+CSAsp2C16)7C1 esterから構成された 混合二分子膜の分散水溶液に対するゲル一液晶相転移パラメーター N+CSAla2C16γ 」
Tm d.H d.HVH a H V H A H a s d. T1/2
対するB12‑lipid (C) (kJ mol‑1)
(kJ mol‑1) (JK一1mol‑1) (C)
の割合(mol%)
。 2 3 . 6 2 8
1.6 x 1 0
35 5 9 6 1 . 7 8 2 4 . 0 3 0 1 . 3 x 1 0
344 1 0 2
1.9 6
00 1.
3 x 1 0
3》・4
2 2 4 . 4 2 8 4 5 9 5 2 . 1 6
3 2 4 . 5 3 2
1.2 x 1 0
33 9 1 0 6 2 . 1 6 5 2 4 . 8 3 4
1.3 x 1 0
33 9 1 1 4
1.9 6
Tm:相転移温度;d.H:相転移エンタルピ一変イヒ;δHVH:van't Hoffエンタルピ一変イヒ;δH/d.HYH:
共同性因子(何個の分子が一体となって相転移を行うかというその集団を構成する分 子数を表 す);d.S:相転移エントロピ一変イヒ;d. T1/2:ピークの半値幅
いるが, N+C5Ala2CI6に対する(CN)2Cob (III) (1 0・N+C5Asp2CI6)7Clesterのモル比率が 3%を越えると, 0‑‑‑2%までの変化と逆の傾向を示す(図5.1)。しかしゲル‑液晶相転
移温度は(CN)2Cob(III)(10‑N+C5Asp2 C16)7C1 esterのモル比率が増えるに従って増加す る傾向にある(図5.2)。これらの結果から0‑‑‑2%までは(CN)2Cob(III)(10‑N+CSAsp2C16) 7C1郎防の増加に伴い均ーな比較的脂質問のパッキングが緩やかな混合二分子膜を形
成 し て い る と 考 え ら れ る が,3‑‑‑5%では二分子膜構造に変化が起っていると考えら れる。しかし(CN)2Cob(III)(10・N+C5Asp2CI6)7Clesterの割合の変化と共に,ゲル‑液 品相転移温度が高温側に変化していることから(CN)2Cob(lII)(10‑N+CSAsp2CI6)7C1 es低rが混合されることによって二分子膜の配向が乱されていると考えられる(図5.2)。
また,混合二分子膜ベシクルのゲルー液晶相転移パラメーターについて(表5.1),
(CN)2Cob(III) (10‑N+C5Asp2CI6)7C 1 esterの 含 有 率 が2%と3%の場合を比較すると,各 パラメーターの値において大きな変化は観察されていない。このことから, 2%と3%
の聞で二分子膜構造が大きく変化しているとは考えにくい。さらに,児玉らはリン 脂質が形成する二分子膜ベシクルにポリエチレングリコール誘導体をリン脂質に対 して2.5‑‑‑20モル%添加した場合に, 10モル%を境として本項で観察されたDSCサー モグラムと同様な傾向が現れることを示しており,これは相分離の現象であること を報告している106)。ポリエチレングリコール誘導体と比較すると,疎水性ピタミン B12はその分子サイズが非常に大きく,二分子膜構造に与える影響は大きいと考え
られる。以上のことから ,(CN)2Cob(III)(1 0‑N+CSAsp2CI6)7C1 esterの含有率が3%より 多くなると徐々に相分離が起っていると推察される。
(CN)2Cob(III)(10‑N+CSAsp2CI6)7C3esterについても(CN)2Cob(III)(10・N+C5Asp2C16) 7C1es町と同様な傾向がみられることから(図5.2),図5.1で観察される現象は疎水性 ピタミン B12の周辺置換基の長さにはあまり関係がないと恩われる。しかし,ゲル ー液品相転移温度が増加する割合は周辺置換基がメチルエステルの方が大きい(図 5.2)。このことはメチルエステルの方がより二分子膜構造を乱していることを意味
している。コリン環の周辺置換基がメチルエステルのものは二分子膜内に全く取り 込まれないことが明らかになっている 96a)。このことから考えると,疎水性ピタミン B12はバルク水相にかなり近い位置にあると推察される。このため二分子膜の表面 構造に変化が起り,二分子膜全体の特性にも影響を与えていると考えられる。
次に,(S03一)CSA1a2CI6と(CN)2Cob(lII){10‑(S03 ‑)CSAsp2C16} 7C1esterの混合二分子
5
4b8Q 4
A
s
ハ
e 3
時J
。
15 20 25 30
温度
/ O C
図5.3 二分子膜の組成変化とDSCサーモグラムの関係
測定条件: 1.0 x 10‑2mol dm‑3リン酸緩衝液[pH7,μO.l(KCl)]中
A: (S03
づ
C5Ala2C16のみ (1.0x 10‑3mol dm‑3), B: (S03一)C5Ala2C16(1.0 x 10‑3mol也n‑3),(CN)2Cob(lII){ 10‑(S03
づ
C5Asp2C16}7C1ester(1.0 x 10‑5mol dm‑3), C: (S03‑)C5 Ala2C16 (1.0 x 10‑3mol dm‑3), (CN)2Cob(III) {10‑(S03 ‑)C5Asp2C16} 7C1ester (2.0 x 10‑5mol dm‑3), D: (S03一)C5Ala2C16(1.0 x 10‑3mol dm‑3), (CN)2Cob(lII) {10‑(S03 ‑)C5
Asp2C16}7C1ester (3.0 x 10‑5mol dm‑3), E: (S03一)CSAla2C16(1.0 x 10‑3mol dm‑3) , (CN)2Cob(III){ 10‑(S03一)CSAsp2C16}7C1ester(5.0 x 10‑5mol dm‑3).
司 ︑
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2 5 . 0
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2 4 . 0
2 3 . 5
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︒) 制唄 捻川 福田 特
4 5 3
。 2 2 3 . 0
(S03一)CSAla2C16~こ対-する (CN)2Cob(III){10-(S03)CSAsp2C16}7Cnester(n = 1,3) のモル比率 (0/0)
混合二分子膜の組成比が相転移温度に及ぼす影響 図5.4
測定条件: l.0 x 10‑2mol dm‑3リン酸緩衝液[pH7,μO.l(KCl)]中 .: (CN)2Cob(III){ 10‑(S03一)CSAsp2C16}7C1esterを含む混合二分子膜
0 :
(CN)2Cob(III) {10‑(S03‑)CSAsp2C16} 7C3esterを含む混合二分子膜膜について得られたDSCサーモグラムを図5.3に示す。また, (CN)2Cob(III){ 10‑(S03‑) C5Asp2C16} 7C1esterを含む混合二分子膜および、(CN)2Cob(III){10・(S03一)C5Asp2C16
J
7C3es包rを含む混合二分子膜の組成比を変えた場合のゲル‑液品相転移温度の変化を 図5.4に示す。
(CN)2Cob(III) {10‑(S03一)CSAsp2C16}7C1 esterを 含 む 混 合 二 分 子 膜 の 場 合 も (CN)2Cob(III)(10・N+C5Asp2C16)7C1esterを含む混合二分子膜と同様に0‑‑‑‑2%までは均 ーな二分子膜を形成していると考えられるが, 3‑‑‑‑5%では相分離している可能性が ある(図5.3,図5.4)。また(CN)2Cob(III)(10‑N+CSAsp2C16)7Clesterの場合と同様な理 由から周辺置換基がメチルエステルの方がゲル‑液晶相転移温度の増加率が大きい
と思われる。以上の結果から新規カチオン性人工脂質を用いたカチオン性の二分子 膜ベシクルおよび新規アニオン性人工脂質を用いたアニオン性の二分子膜ベシクル 共に新規ピタミン B12人工脂質が2モル9るまでは均一な混合二分子膜ベシクルを形成
していると推察される。しかし 含有量が3%以上になると,二分子膜構造が徐々に 変化していると考えられる。
5.3 動的光散乱
5.2では新規ピタミン B12人工脂質とペプチド脂質を組み合わせた系が水中で混合 二分子膜を形成することが明らかになった。そこで本節では混合二分子膜の平均粒 径および粒径分布を動的光散乱法により測定した。
解析方法
大塚電子DLS・700ダイナミック光散乱光度計には Homodyne法が採用されているo
Homodyne法で求められる 2次の自己相関関数は式 (5.1)で与えられる。
g2(τ)=1+αIgl(τ)12 (5.1)
( l" :相関時間,gl( l"): 1次相関関数)
‑85‑
粒径が単分散の場合,gl( r)は指数関数で式(5.2)のよ うに表される。
gl ( r)
= e x p ( ‑ r
t)r= ポ
D(5.2)
(5.3) q=4πno / A Osin(
e
/2) (5.4) (q:散乱ベクトル,e :
散乱角, A 0: レーザー光の波長 ,nO:溶媒の屈折率,D:散乱体の拡散定数)
流体力学的半径(めはStokes‑Einsteinの式より式 (5.5)のように表される。
d= kT/ (3π マOD) (5.5) (T:絶対温度, マ0:粘度,k:ボルツマン定数)
また,粒径に分布がある場合,相関は減衰時間Tの分布で表される。
ど ( τ )= f o o o G ( r )
仰( ‑ r τ ) d r
(5.6)Cumulant法では指数部を τの級数で展開し,近似している。
ん
Ig1(τ)1エ =
Km(r)(一τ)dT' (5.7)また, Histogram法では有限個のTjで分布を代表させて近似している。
gl (τ)= ヱ(巧)exp(-rτ)~r
(5.8)
それゆえHistogram法解析から会合体の粒径分布が,またCumulant法解析から会合体 の平均粒径が求められる。さらに, Histogram法解析では粒径の散乱強度分布の他に 重量分布も求められる。
解 析 結 果
すべての混合二分子膜について安定な散乱強度が得られた。 (CN)2Cob(lII)(10‑
N+C5Asp2C 16)7 C 1 esterを含む混合二分子膜および、(CN)2Cob(III)(10‑N+C5Asp2CI6) 7C3esterを含む混合二分子膜の組成比とCumulant法により求めた平均粒径の関係を図 5.5に示す。また, (CN)2Cob(III) { 10・(S03一)C5Asp2C16} 7C1esterを含む混合二分子膜お よび、(CN)2Cob(III){10‑(S03づC5Asp2C16} 7C3esterを含む混合二分子膜の組成比と平均 粒径の関係を図5.6に示す。いずれの混合二分子膜においても新規ピタミン B12人工 脂質の割合が増加するにつれて,平均粒径は減少している(図5.5,図5.6)。これは 新規ピタミン B12人工脂質の割合の増加に伴い,二分子膜ベシクルの曲率が大きく
なるためと考えられる。またカチオン性の混合二分子膜の方がアニオン性の混合二 分子膜よりも大きな二分子膜ベシクルを形成している(図5.5,図5.6)。カチオン性 の混合二分子膜ベシクルの方が脂質問の静電反発が減少し,その結果二分子膜ベシ クルの曲率が小さくなり平均粒径が大きくなったことが示唆される。また,図5.5お よび図5.6の結果と阻stogram法による解析結果(図5.7)より,平均粒径の増大は観察 されず,会合体の粒径分布は単分散していることから,融合は起っていないと推察 される。
‑87‑
g ¥
州WN
保安
N r
1 0 9
8 7
6 5
1 4 3
。
2N+CSAla2C16に対する(CN)2Cob(III)(l0・N+CSAsp2C16)7Cnester(n
=
1,3)のモル比率(%) 混合二分子膜の組成比と平均粒径の関係図5.5
測定条件:1.0 x 10‑2mol dm‑3リン酸緩衝液 [pH7,μ0.1 (KCl)]中 .: (CN)2Cob(III)(10‑N+CSAsp2C16)7Clesterを含む混合二分子膜
0 :
(CN)2Cob(III)(10‑N+CSAsp2C16)7C3esterを含む混合二分子膜g ¥
州WN提訴判
N r
ハU11
9 8
7
。 3 6
(S03一)CSAla2C16に対する(CN)2Cob(III){ 10‑(S03一)CSAsp2C16}7Cnester (n
=
1,3) のモル比率 (0/0)4 5 2
混合二分子膜の組成比と平均粒径の関係 図5.6
測定条件: 1.0 x 10‑2mol dm‑3リン酸緩衝液 [pH7,μO.l(KCl)]中 .: (CN)2Cob(III){ 10‑(S03一)CSAsp2C16}7C1esterを含む混合二分子膜
0 :
(CN)2Cob(III){ 1 0‑(S03 ‑)Cs
Asp2C16} 7C3esterを含む混合二分子膜‑89‑