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ノイズ軽減画像処理

ドキュメント内 JAIST Repository https://dspace.jaist.ac.jp/ (ページ 101-106)

3. ノイズの見えを利用した応用

3.2. ノイズ軽減画像処理

3.2.1. はじめに

画像処理は様々な目的で行われ,その画像を誰が参照するかによって 2分される.

すなわち,機械(コンピュータ)が画像を参照するのか,人間が画像を参照するのかに よって,画像処理の内容は大きく変わる.デジタルカメラのように一般には人間が参照 する画像の場合,人間にとって認識しやすいもしくは快適な画像が望まれる.この場合,

人間はどのようなものを認識しやすいのかといった視覚特性を知り,利用することが画 像処理において重要となる.このように視覚的画像処理とは人間の視覚特性を利用した 画像処理を意味する.本節ではこれまでに述べたノイズの見え特性を利用したノイズ軽 減画像処理を視覚的画像処理の一例として示す.ノイズ軽減画像処理は実用上重要であ ることから様々な手法が提案されている.色ノイズの低減手法としては色差内で画素置 換を行う方法[81]がある.そのほか,ディザのように誤差拡散することで階調を滑らか にする手法[82]が提案されている.

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3.2.2. ノイズ軽減手法

色ノイズの知覚モデルを使った色ノイズ軽減方法を図 3-13に示す.ここでは2段 階のノイズ軽減を行っており,バイラテラルフィルター[39] を改変した方法を第一段 階のノイズ軽減に用いる.ここで我々はオリジナルのバイラテラルフィルターに対して 変更を加えた.ローパスフィルターを適用した画像l(x, y) を色信号の重み係数の算出時 に用いる.一方,輝度信号に対してはオリジナルの手法通り,元の入力画像i(x, y)を用 いる.このような畳み込みフィルターは同じオブジェクトに対して大きな係数を持ちつ つ,エッジを保存することができる.

図 3-13 カラー画像の視覚特性を利用したノイズ軽減

・  バイラテラルフィルター

バイラテラルフィルターの重み係数は以下のように算出できる.

( )

=

xy xy

L j i L j i

j i y x coef

j i i j i y x coef y

x g

) , ( ) , (

) , , , (

) , (

* ) , , , ( )

,

( (3.17)

ここで, Lxy は画素(x, y)周辺の畳み込み領域である.coef 関数は,

D C

L coef coef coef

j i y x

coef( , , , )= * * (3.18)

と定義できる.ここで,coefL,coefC,およびcoefD は,それぞれ輝度,色,距離の係数 であり,

(

b v

)

v

L x yi j GdL x y i j coef ( , , , ,σ )= ( , ,, ),σ

(

b v

)

v

C x yi j GdC x yi j coef ( , , , ,σ )= ( , , , ),σ

( ) ( )





 − + −

= d

d

D x yi j G i x j y

coef ( , , , ,σ ) 2 2,σ

(3.19)

と表せる. σv , σd はパラメータである.G はガウス関数,

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( )

(

/ 2

)

exp ) ,

(diff σ diff σ

G = − (3.20)

である.dLb,およびdCbは色差に相当し以下のように定義する.

) , ( ) , ( ) , , ,

(x y i j i i j i x y

dLb = L L

(

(, ) ( , )

) (

2 (, ) ( , )

)

2

) , , ,

(x y i j l i j l x y l i j l x y

dCb = AA + BB (3.21)

計算に用いる画像は輝度用と色用で異なるものを用いる(i for dLb, l for dCb).

・  ランダムサンプリング

ランダムサンプリングは色ノイズ軽減において重要な役割を果たす.これはディザ のように高周波のノイズを生成する.ランダムサンプリング処理は単純なサンプリング であり,

{

( , )

}

) ,

(x y (rand,) g s t o

Sxy t s

= (3.22)

のように表せる.ここで o g は図 3-13に示すように,それぞれ出力,入力画像で ある. Sxyは局所領域にある,知覚ノイズレベルが元の画素値に対して PNの範囲にあ る画素の組を意味する.この制限を設けることで,知覚されやすい色ノイズが生成され ることを防ぐ.このようにランダムサンプリングでは制限されたSxy の組の中から画素 をランダムに選び,画素を置き換える.このことでノイズの標準偏差はほぼ変わらない が,CSF特性を利用して知覚的にはノイズの少なく,階調の連続性を保った画像を得る ことができる.

3.2.3. ノイズ軽減効果

図 3-14 にノイズ軽減結果を示した.ここでは元画像として LabGauss ノイズ

ab=24) を画像に加えた.ローパスフィルターとしては縦横分離型のフィルターを用い,

係数は{1/16, 1/4, 3/8, 1/4, 1/16}とした.バイラテラルフィルターではカーネルサイズは7,

σv=24, σd=7 をパラメータとして用いた.ランダムサンプリングではカーネルサイズを

13, PN を 1.5 (=0.5*σv /kLC)とした.最終的なノイズ軽減画像は 図 3-14 (e)である.階 調がスムーズでノイズが見えにくいことがわかる.

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(a) (b)

(c) (d)

(e) 図 3-14 ノイズ軽減結果 (a) 元画像.赤枠は拡大領域 (b) 元画像の拡大表示 (c) ガウ

スノイズを加えた画像i(x, y). (d) バイラテラルフィルター適用後画像 g(x, y). (e) ランダム サンプリング後画像o(x, y).

3.2.4. まとめ

本節では視覚特性を利用した画像処理である,視覚的画像処理の一例として,ノイ ズ低減について議論した.視覚特性にはノイズ感度特性と背景色依存性を利用した.ノ イズ低減手法は二種類の画像処理からできている.一つは通常のバイラテラルフィルタ ーをカラー画像に対応させたものであり,もう一つは誤差拡散的に一定の条件で空間的 に広がりを持ったノイズを生成する,ランダムサンプリングである.この一定の条件に ノイズの視知覚特性を組み込むことで,ノイズの見えを軽減した.バイラテラルフィル ターのような平滑化では色ノイズが低周波側へ移動し,かえって色ノイズが見やすくな る場合がある.一方,ランダムサンプリングでは低周波ノイズを,ノイズが見えにくい

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色方向の高周波ノイズに変換することで,ノイズ低減することが可能であることを示し た.このノイズ低減は応用の一例であり,さらに有効な方法があると考えられるものの,

本節では視覚特性の活用が有効であることを示した.

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