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ノイズモデル

ドキュメント内 JAIST Repository https://dspace.jaist.ac.jp/ (ページ 85-88)

3. ノイズの見えを利用した応用

3.1. デジタルカメラのノイズと知覚

3.1.3. システムモデル

3.1.3.2. ノイズモデル

本研究で用いるノイズモデルは加算ノイズであり,

n I

G(x,y)= (x,y)+ (3.3)

と表せる.ここで,I(x, y) は座標(x, y)における理想的なカラー画素値,n はノイズを表 す.本研究の主観評価実験で用いるノイズモデルは,カメラノイズモデル(CamNoise,

CamLumNoise, CamColorNoise)とLabノイズモデル(LabLumNoise)である.

・  カメラノイズモデル

カメラノイズモデルは実際のデジタルカメラを模擬したノイズのモデルである。デ ジタルカメラのノイズはその要因を元にモデル化されている[76].EMVA1288はデジタ ルカメラのノイズモデルを物理モデルと数学モデルに分けて定義している[77].デジタ ルカメラのノイズモデルを図 3-5,表 3-1に示す。この中で実際のカメラにおける主要 なノイズ源は(a)光ショットノイズ、(b)PRNU、(e)読み出しノイズであることが知られて いる[78][79]。本研究ではカメラノイズの最も主要な要素と考えられる光ショットノイ ズとダークカレントノイズを扱う。光ショットノイズは光子によって光電変換される過 程で発生する不可避なノイズであり、ポワソン分布に従うことが知られている[76]。光 子数 が十分多いとき,ポワソン分布 ( )は、平均が , 標準偏差が の正規分布 ( )に近似できる。ここで は観測される光(電)子数である。本節で用いる仮想カメラ ノイズモデルは,ノイズの標準偏差(σ )がオフセットノイズ( )と信号レベル( )に依存 したショットノイズ( ∙ )を用いて次のように表せるものとする.

σ ( ) = ∙ + (3.4)

ここで信号レベル( )は画像Iの各画素値に相当する.また, はショットノイズゲイン である.式(3.4)で表されるノイズモデルは視細胞においても生じるノイズであり,視覚 系においても成り立つ[80].

 

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図 3-5 カメラノイズ生成モデル

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表 3-1 主なカメラノイズ要素

モデル  ノイズ要素  パラメータ  光起因 

ノイズ 

(a) 光ショットノイズ  入射光子数  (b) 光感度不均一性(PRNU)  入射光子数 

(c) クロストーク  隣接画素の入射光子数  ダーク 

ノイズ

(d) ダークショットノイズ  温度、露光時間  (e) オフセット不均一性(DSNU)  温度、露光時間  (f) 読み出しノイズ  温度、読み出し率  量子化 

ノイズ

(g) 量子化ノイズ  AD 変換ビット精度 

ノイズモデルCamNoiseはショットノイズを考慮したノイズであり,センサーの画 素信号Icに対して信号依存ノイズncを加算するノイズモデルである.Ic およびncはカ メラのデバイス色空間で表せ,

[ ]

[

(( ,, ),), ((,, ),), ((,,))

]

T,,

T

y x nB y x nG y x nR

y x iB y x iG y x iR

=

=

c c

n

I (3.5)

のように線形RGB空間で定義する.ここでiR, iG, iB はセンサーが出力する理想画素値,

nR, nG, nB はそれぞれの画素に付加されるショットノイズである.このショットノイズ

の確率密度関数は,

( )

( )



− −

= ⋅ 22

) ( exp 2

) ( 2 ) 1

( iR

iR nR nR iR

P

cn σcn

σ

π ,

iR k

cn2(iR)= ⋅ σ

(3.6)

と表せる.式(3.6)は iR について記述したが,iG, iB についても同様である.ここで σcn はガウス関数の標準偏差を表し,k はデバイスに依存したパラメータである.本研究で はk = 4 とし,固定的に使用する.またiR, iG, iB は8bit値とする.

CamNoiseを加えた信号Gcは上記カメラモデル(C = Gc)によって信号処理される.

本研究では信号処理の過程で使用するホワイトバランスとして wbR=2.6, wbG=1.0,

wbB=1.5を固定的に用い,sRGB信号を生成する.信号処理後のsRGB信号をCIELAB

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信 号 に 変 換 し , 輝 度 と 色 に 分 離 し た 信 号 を そ れ ぞ れ CamLumNoise お よ び

CamColorNoise と呼ぶ.CIELAB への変換においては,白色点として D65 (x=0.31271,

y=0.32902)を用いる.

・  Labノイズモデル(LabLumNoise)

LabノイズモデルはCIELAB色空間における加算ノイズである.Lab輝度ノイズモ

デルLabLumNoiseはCIELAB色空間における輝度信号ILに対する加算ノイズnLである.

加算ノイズnLの確率密度関数は,

( ) ( )

= 22

exp 2 2

) 1 (

nL nL

nL l l L

P π σ σ (3.7)

で表せるガウスノイズである.ここで,l はノイズを付加した画像GLの輝度値,L は 画像ILの輝度値であり,背景輝度レベルを意味する.σnL はノイズの標準偏差である.

Labノイズモデルは信号に依存しないガウスノイズモデルである.同様にLabノイズモ デルの一つにCIELAB空間での色信号に対する加算ノイズ(LabColorNoise)があるが,本 節の実験では直接使用せず,比較の際に参照する.

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