第 IV 部
8.1 ネットワークシステム開発の設計検証におけるフェージ ング
新しいセンサーネットワークアプリケーションを考え、論理的な設計を行う場合、アプ リケーションが対象とする環境、利用するデバイス、適用するネットワーク技術など様々 な特性を考慮しない場合、図 8.1の様にアプリケーションで採用する既存技術の選択、既 存技術の改善要件や各種パラメータを適切に選択する事が困難となる。既存システムの改 善や新しいアプリケーションを提案し、実際の設計・開発を進めるためには、予算や人員
森林
市街地
新しいセンサーネットワーク システムの発案
DTN?
Routing?
実現性?
デバイス?
Yuz
災害時通信ネットワーク 生態観測ネットワーク
論理設計
Receiver/Server
AP AP
GPS
) ) ) SOUND WETHER
STORAGE MOTION
STORAGE MOTION STORAGE MOTION
GPS
) ) ) SOUND WETHER STORAGE MOTION
Move
Move
Move Move
図 8.1: 新しいセンサーアプリケーションの発案
アイデアから、論理的な設計の検討を行う際、システムの外部要因である、
環境特性が不明確では最適な設計が困難となる。
などのコストを獲得するためにも、早い段階でそのアプリケーションが実現可能である事、
その為に必要となる技術やシステム設計の妥当性を示す事が重要となる。
これまでアプリケーションに特化したワイヤレスセンサーネットワークシステムを設計 する為には、大規模実証検証環境を利用した図 8.2の様な設計段階を基づきネットワーク システムの設計と検証を行っていた。しかし、各段階で的確な設計、検証が行われない場 合, 実証検証段階で解決できない問題が発生しやすく、問題が発生した場合、図中の赤字 で示した設計・開発の段階を跨いだ手戻りが発生する。
設計・検証の段階を跨ぐ手戻りを抑制し、各段階で必要な設計・検証と考慮すべき特性 を明らかにするために、本論文では、図8.3の様に設計検証の段階を4つのフェーズに分類 する事を提案する。この4フェーズはアイデアの発案の後の最初のフェーズとなる論理検 証フェーズから、実装とコンポーネントテストを行う機構検証フェーズ、大規模実証検証 環境で実践的な実証実験を行う実証検証フェーズ、実環境へ投入したセンサーネットワー クから得られたデータを基に解析を行い、次のアイデアへとつなげる解析/フィードバック フェーズからなる。それぞれのフェーズでは、設計、実装、および検証を行うがそれぞれ のフェーズで、手戻りを発生させない為に反復的に検証を行い、各フェーズでの問題の修
1.新規アイデアの発案
2.論理的検証
3.実環境向け実装の作成
4.実証環境での実践的実験
問題の修正
問題の修正
5.大規模実証実験環境での実践的実験 問題の修正
問題の発生/発覚
問題の発生/発覚 問題の発生/発覚 問題の発生/発覚
X 手戻り 手戻り X
X 手戻り
6.実環境への導入
図 8.2: 既存の設計検証手法における課題
各ステップで考慮すべき環境特性や、ステップ間で引き継がれるべき特性、
注視すべき項目が明確になっておらず、手戻りが発生しやすい。IoT時代の ワイヤレスアプリケーションは実環境への導入後システムを改修することは 困難である場合もあり、大規模実証検証環境での実践的実験の妥当性を向上 させる必要がある。
③実証的検証フェーズ
②機能検証フェーズ
①論理的検証フェーズ
1.新規アイデアの発案
2.論理的検証
3.実環境向け実装の作成
4.実証環境での実践的実験
問題の修正
問題の修正
6.実環境への導入 5.大規模実証実験環境での
実践的実験 問題の修正
問題の発生/発覚 問題の発生/発覚 問題の発生/発覚
④解析/フィードバック フェーズ
課題解析/妥当性検証
7.データ解析
図 8.3: アプリケーション特化型センサーネットワークの設計・検証フェーズ
1章で示した大規模実証検証環境を用いたネットワークシステムの設計検証 工程を4つの工程に分類し、各工程で考慮すべき項目、解決すべき課題を定 義する。その結果、手戻りとなる工程間を跨ぐ問題の発生と修正を減少させ る。また、実運用から得られたデータの解析や課題の検討を通して、新たな 新規アイデアの発案や論理検証へとつながるサイクルを構成する。
正を行う必要が有る。その為には、各フェーズで期待する結果も定義する必要がある。