単純なEthernetネットワークは、ネットワークインタフェースカード(NIC)を
装備した1台のパソコン、1本のクロスケーブル、1台のEthernet対応型フィー ルドバスノード、そしてカプラ/コントローラ用の電源として1台のDC 24V電 源があれば構築できます。
1台のフィールドバスノードは、Ethernet TCP/IP対応のフィールドバスカプラ/
コントローラ、I/Oモジュール、および終端モジュールで構成されます。各I/O モジュールは、キャリアレールに搭載されることで内部バスによってEthernet
TCP/IP対応のフィールドバスカプラ/コントローラに接続されます。
1台のEthernet TCP/IP対応型フィールドバスカプラ/コントローラには最大64
枚のI/Oモジュールが接続できます。
メ モ
ワゴのバス延長カプラモジュール750-628および延長終端モジュール750-627を 使用すると、1台の750-842に対して最大64枚のI/Oモジュールを最大で10分 割してがセットする(分割間距離は最大5m)ことができます。
センサとアクチュエータは、デジタルまたはアナログI/Oモジュールのフィール ド側に接続されます。これらの機器はそれぞれプロセス信号の入力とプロセスへ の信号出力に使用されます。
フィールドバスカプラ/コントローラは接続されるすべてのI/Oモジュールを自 動検出し、そのローカルプロセスイメージを作成します。アナログモジュールと デジタルモジュールを混在させた構成も可能です。
フィールドバス
センサと アクチュエータの接続 DC 24V
の接続
ネットワークアーキテクチャ〜原理とルール
マスタアプリケーションとフィールドバスコントローラ間のフィールドバス通信 は、MODBUS/TCPまたは /UDPのいずれかを使って行います。
5.2.1 伝送媒体
一般的なEthernet伝送規格
Ethernet規格はデータ転送に関して多様なパラメータ(伝送速度、媒体、セグメ
ント長、伝送タイプなど)をもつ多くの方式をサポートします。
10Base5 AWG 24のUTP(ツイストペア線)を用い、スター型トポロジで最大
500m(1セグメント当たり250m)にわたって1Mbpsのベースバンド信
号を伝送します。
10Base2 5mm、50Ωの同軸ケーブルを用い、バス型トポロジで最大185mにわ
たって10Mbpsのベースバンド信号を伝送します(Thin Ethernetまたは
ThinNetとも言います)。
10Base5 10mm、50Ωの同軸ケーブルを用い、バス型トポロジで最大500mにわ
たって10Mbpsのベースバンド信号を伝送します(Thick Ethernetとも言
います)。
10Base-F 光ファイバを用い、スター型トポロジで最大4kmにわたって10Mbps
のベースバンド信号を伝送します(この規格には、光ファイバリンク
用の10Base-FL、光ファイババックボーン用の10Base-FB、光ファイバ
パッシブ用の10Base-FPという3種類の下位仕様があります)。
10Base-T AWG24のUTPまたはSTP/UTP(ツイストペア線)を用い、スター型トポ
ロジで最大100mにわたって10Mbpsのベースバンド信号を伝送します。
10Broad36 75Ωの同軸ケーブルを用い、バス型トポロジで最大1800m(ダブルケーブ
ルでは3600m)にわたって10Mbpsのベースバンド信号を伝送します。
100BaseTX スタンダー ド
カテゴリー5のツイストペア線とRJ45のコネクタを用いて行われる
100Mbpsの伝送を規定します。最大100mまで伝送が可能です。
表 5-1:Ethernetの伝送規格
伝送規格は上記以外にもあります。例:100Base-T4(ツイストペア線を用いた
Fast Ethernet)、100Base-FX(光ファイバを用いたFast Ethernet)、無線伝送を規
定するP802.11(無線LAN)。
媒体の種類はIEEEの略号で示されます。IEEEの略号には3つの情報が含まれて います。最初の部分(「10」など)は媒体を示します。3つ目の部分はセグメン トの種類や長さを大まかに示します。Thickケーブルの場合、「5」は各セグメン トについて許容される最大長が500mであることを示します。またThinケーブル の「2」は、各セグメントに許容される185mの最大長を切り上げたものです。
「T」と「F」はそれぞれツイストペア(twisted pair)と光ファイバ(fiber optic)
を表し、たんにケーブル種別を示します。
10Base–T, 100BaseTX スタンダード
ワゴのEthernetフィールドバスノードでは、10Base–T(750-841では100Base–TX
スタンダードも使用できます。)
ネットワーク構成はきわめて単純であり、伝送媒体にS-UTPケーブルまたは STPタイプのケーブルを使用できるため安価で済みます。いずれのケーブルもパ ソコンショップで入手できます。
S-UTPケーブル(シールド付きの非シールド・ツイストペア線)はカテゴリー5
の一重シールドケーブルで、シールドされないツイストペア線の全体をシールド で被覆しています。インピーダンスは100Ωです。
STPケーブル(シールド付きツイスト・ペア線)は、それぞれのより対が個々に シールドされたカテゴリー5のケーブルです。ケーブル全体のシールドはありま せん。
フィールドバスノードの配線
フィールドバスノードをパソコンのネットワークカードに直接接続する場合はク ロスケーブルを使用します。
図 5-2:クロスケーブルによるノードの直接接続 g012906d
1枚のネットワークカードに複数台のフィールドバスノードを接続するときは、
ストレートケーブルを使ってノードをEthernetスイッチまたはハブに接続すると いう方法があります。
図 5-3:ストレートケーブルとハブを使ったノードの接続 g012908d
ネットワークアーキテクチャ〜原理とルール 注 意
信号調整装置(リピータ)を使わない場合、ノードとハブの間のケーブル長は 100mを超えることができません。長距離ネットワークについては、Ethernet規格 にさまざまな可能性が記載されています。
5.2.2 ネットワークトポロジ
10Base-Tの場合、10Base-TのEthernet規格に従って複数のステーション(ノー
ド)がスター型トポロジで接続されます。
そのため本書では、スター型トポロジおよび大規模ネットワーク向けのツリー型 トポロジのみを詳しく扱うものとします。
スター型トポロジ
スター型トポロジのネットワークでは、全ノードがそれぞれのケーブルで1つの 中央点に接続されます。
ネットワークカードを 装備したパソコン ハブ
ネットワークノード
図 5-4:スター型トポロジ G012903e
スター型トポロジには、既存ネットワークを延長できるというメリットがありま す。装置の増設や撤去の作業がネットワークを停止せずに行えます。またケーブ ル障害が発生したときも、そのネットワークセグメントとそのセグメントに接続 されるノードにしか影響が及びません。ネットワーク全体の耐障害性がこれに よって大幅に向上します。
ツリー型トポロジ
ツリー型トポロジは、バス型とスター型の特徴を併せもっています。この構成で は、バックボーンとなる1本のバスケーブルにスター構成をした端末群が接続さ れます。ツリー型トポロジは既存ネットワークの延長が可能であり、学校などが ニーズに合うようネットワークを構成することができます。
第3階層
第2階層
第1階層
フロア ごとの 制御盤
フロア ごとの 制御盤 フロア
ごとの 制御盤
フロア ごとの 制御盤
フロア ごとの 制御盤
フロア ごとの 制御盤
フロア ごとの 制御盤
建屋全体 の制御盤
基層レベル の制御盤 建屋全体
の制御盤
建屋全体 の制御盤
図 5-5:ツリー型トポロジ G012904e
5-4-3ルール
Ethernetプロトコルを使ったツリー型トポロジを構築する際に考慮するべきもの
が「5-4-3ルール」です。Ethernetプロトコルでは、ネットワークケーブルに送出 された信号はある一定時間内にネットワークの各部分に到達しなければなりませ ん。信号が集線装置やリピータを通過するごとに伝送時間はわずかに増加します。
そこで次のようなルールが生まれました。それは、ネットワークの任意の2つの ノード間では、4台のリピータ/集線装置を使って最大5つのセグメントまでし か接続できないというルールです。また同軸ケーブルで接続するときは、3つの セグメントまでしか占有(中継)セグメントにできません。占有セグメントとは、
ノードが1つ以上設置されているセグメントです。図5-5は、この5-4-3ルール に従っています。ネットワーク内で最も離れた2台のノード間には、4つのセグ
ネットワークアーキテクチャ〜原理とルール 配線に関する指針
LANのネットワークアーキテクチャに関する一般的な指針(たとえば基層エリ ア、建屋、フロアの配線における最大ケーブル長など)は、「構内配線
(Structured Cabling)」に記載されています。
EN 50173、ISO 11801、およびTIA 568-Aで標準化されている「構内配線」は、
将来を意識し、アプリケーションに依存せず、費用効果の高いネットワーク基盤 の基礎となっています。
これらの配線基準では、3kmの地理的エリアをカバーし、50〜50,000台の端末を 装備した最大100万平方メートルのオフィス向け領域が規定されています。また 配線システムの構築における推奨事項が記載されています。
仕様は、産業環境で使用されるトポロジ、伝送媒体、中継機器のタイプ、さらに はネットワーク内で異なるメーカの機器が使用されるかどうかによって異なりま す。したがってここで紹介する仕様はあくまで参考としてください。
5.2.3 中継機器
Ethernetネットワークの柔軟な構築を実現するさまざまなハードウェア機器が存
在します。どれも重要な機能を備えていますが、一部の重要機能はよく似ていま す。
各種の中継機器を以下の表にまとめます。機器を正しく選択し、適切に利用する ための参考にしてください。
機 器 特性/用途 ISO/OSI
のレイヤ リピータ 増幅器として信号を再生し、物理層レベルの接続を行
います。 1
ブリッジ ネットワークのセグメント境界を設け、長さを延長し
ます。 2
スイッチ
マルチポートのブリッジです。すなわち各ポートがそ れぞれブリッジの機能を果たします。ネットワークセ グ メ ン ト を 論 理 的 に 分 割 し 、 ネ ッ ト ワ ー ク の ト ラ フィックを減らします。矛盾なく使用することによっ て衝突のないEthernetが実現します。
2 (3)
ハブ
スター型トポロジの構築に使用します。各種の伝送媒 体に対応しますが、ネットワーク衝突を防ぐことはで きません。
2
ルータ
複数のデータネットワークを中継します。トポロジ変 更や互換性のないパケットサイズにも対応します(た とえば産業エリアとオフィスエリアで使用)。
3
ゲートウェイ
異なるソフトウェアおよびハードウェアを使用する、
メーカ依存の 2つのネットワークを中継します(たと えばEthernetとInterbus-Loop)。
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