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︵ ニ ︱

ドキュメント内 中立的行為による幇助の可罰性 (ページ 98-102)

1 0 )

により︑経済状況と先物取引の危険を説明した顧客獲得のための小冊子を作成し︑これを顧客の手に渡るようにした

場合に詐欺罪の帯助となるかどうかが問題とされた︒ここでは︑抽象的に先物取引に関する法的状況を説明したのか︑

一定の専門的助言が行われるとき︑それが一般的情報提

して経済状況ないし先物取引の仕組みや危険性に関する情報提供という社会的に有用な行為が併存しており︑詐欺に

特殊な危険の創出は否定されるであろう︒詐欺的投資であることを知りつつ︑具体的に投資を推奨するような小冊子

を作成に協力した場合には︑すでに一般的性格を失い︑当該詐欺行為に特殊な危険を具体的に創出したといえよう︒

この類型は︑先の﹁一義的犯罪行為促進類型﹂に属することになる︒

なお︑すでに述べたように︑正犯の不法の中核にかかわらない間接的促進類型に属するような周辺行為については︑

正犯者との意思の連絡がない場合にも︑危険創出行為が認められず︑可罰的捐助は否定される︒したがって︑例えば︑

強盗の計画を立てているが空腹状態にある者に︑強盗計画を知りながら食事を提供したレストランの主人や︑パンを

販売したパン屋の主人は︑日常生活必需品を提供しているのであって︑原則的には正犯行為にとっては周辺行為にす

ぎない︒特に具体的犯行計画上その食事の提供が特殊な危険を高めていないかぎり︑強盗に特殊な危険を創出したわ

( 1 8 0 )

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法一

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この

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じる

( 1 8 1 )  

W o h 尽呈

a a O . ( F n .   1 2) , 

S.  1 3.  

一般的情報提供にとどまるかぎり︑投資者に対

( 1 8 2 )   ( 1 8 3 )  

中立的行為による帯助の可罰性

W o h l e r s , c   S hw .  e i t s c h r i f t   f u r   S t r a f r e c h t   1 1 7 ,  

43 6.  

危険創出連関と危険実現連関の判断構造の相違など基本的な帰属論の概念については︑山中敬一﹁刑法における客観的帰

属の理論﹄(‑九九七年︶︑なお︑同﹃刑法総論I

§88,

§

6以下参照︒報助が正犯行為に実現しないさまざ

まな類型については、

vgl•

K l au s  L e t z g u s ,   V o r s t u f e n   d er   Be i h i l f   e ,   G e d a c h t n i s s c h r i f t   f u r   Th eo

  Vo g l e r ,   2

00 4,

S .    

49 

f f .  

( 1 8 4 )  

F r i s c h ,   T a t b e s t a n d s m a s s i g e s   V e r h a l t e n ,   S .   2 90 . 

( 1 8 5 )  

R o x i n , t r   S a f r e c h t   A T, d   B .   2

,  §

2 6

R  

d n r .

  2

41 , 

( S .  

21 4. ) 

( 1 8 6 )

前掲大判昭七・九・ニ六刑集︱︱.ニ︱‑六七°

( 1 8 7 )

山中敬一﹃ロースクール講義刑法総論﹂︵二

0

0五年︶四0

( 1 8 8 )  

J a k o b s ,   S t r a f r e c h t   A T,

2 

. 

A u f l . ,  

24 . 

Ab sc h 

17 . 

(1 89 )R o8

F e s t s c h r i f t f u r   M

iy az aw a, .     S

51 4.  

( 1 9 0 )  

Sc hu ma nn

̀ 

 a

aO .  ( F n .  

6) , 

S .  

69 . 

(191)

「一般的生活需要の充足」に過ぎないともいえる。これについて、ランジーク•前掲(注

99)-―六頁参照。(192) 前掲東京高判平ニ・ニ―•

10

判夕七五ニ・ニ四六、大阪高判昭六一

·10•ニ―六三0.二三0

(193)

前掲東京地判昭五七・七・ニ八判夕四八六•一七七。

( 1 9 4 )  

V g l .   S t e f a n   J a e g e r , n   A bi et en   vo

n  , , H a c k e

r   , T

oo ls

"

  ‑

u r  

S t r a f b a r k e i t   , , n e u t r

a l e r '

^ 

Ha nd lu ng en l s   a   B e i h i l f e ‑ ,   RDV 

19 98 , 

S .  

252 

f f .   わが国におけるいわゆる﹁ウィニー事件﹂につき︑ファイル共有ソフトを用いて二本の映画をアップロードし︑ア クセスしてきた不特定多数のインターネット利用者に各映画の情報を自動公衆送信できるようにし︑各映画の著作権者が有 する著作権を侵害した行為が、著作権法――九条一号、二三条一号に該当するとした京都地判平一六•一―•三〇判時一八 七•一五三があるが、中立的行為による料助の問題には触れられていない。ただ、本件において、弁護人は、本件の正犯は、

ウィニーを開発したE

であり︑被告人は︑これを猜助したに過ぎないなどと主張した︒しかし︑本判決は︑﹁被告人は︑自

らが購入した

D V

Dを使用して︑各映画の情報をアップロードし︑送信可能化したものであり︑

Wi nn

の他の利用者が各y

映画の情報をダウンロードできるよう︑これを提供しようとする自己の意思を実現するために︑被告人自らがその実行行為 を行っているのであるから︑被告人が本件の正犯であることは明らかである﹂とした︒

~

山中﹃刑法総論l

﹂︵

一九

九九

年︶

99 . 2.  

( 4 )  C

険実現連関からなるが︑両者が肯定されてはじめて客観的帰属が肯定される︒

~

ニ ニ

ニ ︶

中立的行為による射助の可罰性の問題は︑とくにドイツの判例や学説において︑理論的にも︑実際上の処理におい

ても詳細な議論が展開されている︒しかし︑その解決提案は︑問題の本質を衝いた類型化によって合理的な論証が可

能なほど体系化されたものとは言い難い︒そこで︑本稿の考察によって︑この問題の解決のための枠組みを提案して

中立的行為による捐助の可罰性を決定するには︑割助行為の客観的要件を充足する必要がある︒客観的要件は︑

正犯の実行行為の容易化・促進を通じて正犯結果を惹起したかどうかに関する要件である︒その基準は︑正犯結

果︑とくに︑その中間結果である正犯行為に対する客観的帰属の有無である︒客観的帰属は︑危険創出連関と危

中立的行為による招助には︑正犯者との意思の相互連絡がある場合とない場合とがある︒意思の相互連絡があ

る場合には︑中立的行為は︑帯助行為としての適性をもつかぎり︑すなわち︑客観的には正犯行為に対する危険

の創出であるかぎり︑正犯者の行為に対する心理的因果関係が否定されない︒したがって︑例えば︑包丁を買い

に来た顧客に﹁殺人のために買いたい﹂と打ち明けられたとき︑それを売れば︑その販売行為によって︑心理的

因果関係を通じて客観的帰属が肯定され︑可罰的帯助である︒しかし︑意思の連絡があっても︑中立的行為によ

る封助の問題として採り上げられる事例のなかで︑犯罪計画者の食事のために﹁パンを販売する﹂︑﹁脱税の対象 (二) (一)

みた︒以下でその要点をまとめておく︒

( 1 9 5 )  

. ま と め

(五) 岬 (三) 中立的行為による討助の可罰性

となった納税義務の生じる仕事を依頼する﹂といった正犯行為に対する直接の促進とはいえない﹁周辺的な援助 行為﹂については︑客観的な危険創出行為性そのものが否定される︒

これに対して︑意思の連絡がない場合︑すなわち︑片面的捐助にすぎない場合には︑正犯者が﹁柑助者に助け られ︑犯行を支持されている﹂という実感はもたないから︑心理的幣助の程度はきわめて低い︒しかし︑片面的 帯助も可罰的でありうることは否定できない︒この捐助者の片面的な認識の情報源は︑①正犯者の知らないう ちに正犯者から得られる場合ないし情を知る第三者から提供される場合と︑②柑助行為者が︑経験と勘にもと づいてそれがありうることを考慮に入れているにすぎない場合とがある︒後者の場合には︑正犯行為の予見は︑

客観的帰属を根拠づけるほどの高い蓋然性を持たない危険にすぎず︑信頼の原則にもとづいて危険創出の意味に おける帰属は否定される︒前者の片面的料助の場合にいかなる状況において中立的行為による割助が可罰的にな るかは︑類型化された事例群に応じて考察しなければならない︒

桐助は︑予備的従犯と随伴的従犯の場合とに分けられるが︑随伴的従犯の場合には︑料助行為者の目前で実行 行為が行われているので︑たとえ片面的捐助であっても︑犯行計画について予め知らなくても︑正犯行為の容易 化・促進は明らかであり︑摺助は可罰的である︒予備的従犯の場合であっても︑正犯の実行行為が切迫しており 明白に認識できる場合には︑柑助が可罰的である︒

予備的従犯においては︑物・情報の提供の類型と事前の役務の提供の類型とに分類できる︒前者においては︑

犯罪の内容を構成する物であることが明らかな場合︑犯罪の手段となることが多いため︑犯罪予防の観点からそ の物の所持•取引・提供等ないし情報の提供等が法的に禁止されている場合については、可罰性に疑いはない。

~

ドキュメント内 中立的行為による幇助の可罰性 (ページ 98-102)

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