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トロイダル磁場とイオン密度

ドキュメント内 電子情報・数理領域 (ページ 37-41)

第 3 章 波動伝播シミュレーション

第 2 節 トロイダル磁場とイオン密度

アンテナを一つ配置した場合のシミュレーション結果を検証していく.実験[1-3]より,

本来 FRC プラズマにはないトロイダル磁場(B) が励起され,伝播することがわかって いる.シミュレーションでも同様にトロイダル磁場の観測を行った.この際,シミュレーシ ョンはデカルト座標であるため,x-z 平面(y = 0)におけるByBに相当する.そのBy

の時間変化をFig. 3-2-1 に示す. Figure 3-2-1 は波動印加後1.58 s から6.26 s まで示している.今回採用したアンテナ周波数は160 kHz であるため,この観測時間

間隔1.58 s は約1/4 周期に対応し,6.26 s は1周期に対応するタイミングでの表

示になる.アンテナ付近から発生した By が径方向,軸方向に伝播していくことがわか る.発生直後の By をみるとわかりやすいが,アンテナの左右で磁場の向きが反転して

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いる.伝播しているByは約0.04 T の値であることがわかる.これは今回設定した外部

磁場(0.1 T) の40% 程度である.Byの発生起源については後述する.発生したBy

FRC プラズマの高圧力部分には伝播せずに,ある地点からカットオフされていることも 確認できる.

次に,波動印加によるイオン密度の変化を確認する.イオン密度の変化は Fig.

3-2-2に示される.この時の観測断面や記載時間はByと同様である.Figure 3-2-2 より,

1.58 sでは大きな変化が起こっていないことを示している.同時刻におけるFig. 3-2-1

Byの結果を見てわかるように,このタイミングではアンテナ付近のみ影響がでている.

そのため,イオン密度においては1.58 sでは大きな影響がでていない.3.15 sでは アンテナから装置軸にかけて高密度になっていることがわかる.このシミュレーションに て設定したアンテナ電流位相では波動印加直後にプラズマを圧縮する向きに磁場が 発生するため,アンテナから発生した磁場によってプラズマが圧縮されたことが予想さ れる.4.73 s, 6.26 sでは3.15 s時に装置軸付近にあった粒子がz 方向に動いて いるようにみえることがわかる.そのため,3.15 s で密度の高かった領域では密度が 低くなっているようにみえる.

Fig. 3-2-1 x-z 平面(y = 0 m) におけるBy の時間変化

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Fig. 3-2-2 x-z 平面(y = 0 m) におけるイオン密度の時間変化

ここで,今後の議論を単純化するために 方向の対称性について考える.FRC は 生成直後 方向に対称であるが,生成後その対称性が崩れることがある.対称性を 確認するために,x-y 平面をz軸を回転軸として方向にずつ回転した平面を作 り,それぞれの平面における磁場強度(|B| = Bx2By2Bz2 ) の径方向分布を確認し た.1平面に対して2つの径方向分布が得られるため,合計8つの分布を確認できる.

z位置は-0.25 m, 0 m, 0.25 m の3箇所とした.その結果をFig. 3-2-3 示す.

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Fig. 3-2-3 磁場強度の 方向に違い

アンテナ位置 r = 0.3 m

中央におけるセパラトリクス位置 r = 0.16 m

Figure 3-2-3 は5 s まで方向に対称であることを示している.一方,10 s では装

置壁からずれが生じていることがわかる.そのずれはアンテナ付近(r = 0.3 m) まで発 生している.この付近では軸対称性が崩れている.しかし,アンテナよりも内側では対 称性を保っている.本シミュレーションでは 10 s 程度までに発生する現象を取り扱う ため,本シミュレーションにおいては方向に対称とみなして議論していく.

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