協会春のセミナー報告
清水 満
会員総会とホイスコーレ春日が無 事終了しましたので、その報告を。
集まったのは最大で20人、そして17 人が宿泊しました。
1,筑後川をめぐる水環境問題(13:
30 〜 15:30)
「なぜ無駄なダムがつくられるの か、日田・大山の水量増加運動」
成毛克美(日田市民セミナー)
前日は朝まで学生等と飲んで、ク ローバープラザに来て、時間まで外 で寝ていたという成毛さん。二日酔 いでいまひとつ頭が働かないので、
という言葉の割には的確な報告がな されました。彼らの作った「筑後川水 環境マップ」というイラストマップ を使い、上流から下流に至る各地の 風土や水環境やダムをめぐる現在の 状況などが説明されました。
基本的には、開発依存経済である かぎりは、ダム建設や土木工事によ る環境破壊は避けられず、いかにし て自立した地域の経済や水の循環シ ステムをつくるかということが大事 であると語られ、開発依存経済から 脱して、自分たちの地域のリソース を生かした湯布院での実践や、日田 全市をあげての水量増加運動が報告 されました。
福岡市が適正な規模を超えて膨張 し、その水需要をまかなうために大 堰をつくり、筑後川から取水をして いるのですが、この取水自体が筑後 川の伝統的な水環境・水文化(アオ取 水など)を破壊し、都市は水を奪い、
筑後川流域はその開発による環境の 破壊と補助金依存体質の再生産とい う水問題における南北問題などにも 触れられ、内容の濃いお話でした。
2,協会会員総会(15:45〜17:00)
ホイスコーレにつきもののティー タイムを挟んで、会員総会。まず特別 ゲスト Jette によるスピーチ。彼女は 現在オーフス大学から関西外語大に 来て、日本語と陶芸を学んでいます。
この外語大のコースは世界30カ国く らいから学生が来ているとのことで すが、この学生相手の授業がまった くの日本スタイルで、暗記と試験の 繰り返しです。今回も来福の前後に 試験がたくさんあり、彼女はタメ息 をついていましたが、そのせいか、学 びにおける日本とデンマークのスタ イルの違いや今属してる日本でのク ラスの話などをしました。試験や暗 記中心の日本の学び。あるいは彼女 のクラスには日本人学生が3分の1い るが(Jette などの提携校の外国人学
生はいわばお飾りというか日本人学生 に「うちはこんなに国際的な大学なん だよ」と日本人学生に示すために呼ば れ、日本人学生を入れたクラスで英語 などの授業を行うわけです。まぁ国際 化を売りにする私大などにはよくある もの)、彼らの自己表現能力のなさな どが、批判がましくないおだやかな日 本語で語られました。参加したみなさ ん、彼女にたいへんいい印象をもった ようでした。
その後会員総会をしましたが、時間 が押してわずか 30 分。駆け足で私が 会計や活動の報告をするので手いっぱ いで、あまり議論ができませんでし た。大まかな方針としては、セミナー の再考や関連団体との交流をはかるこ となどが出されました。
3,百姓フォーク&ブルースシンガー 姫 野 洋 三 さ ん の ミ ニ ・ コ ン サ ー ト
(19:30 〜 21:00)
夕食(玄米ご飯)のあとは、姫野洋 三さんのコンサート。前日は京都の真 宗大谷派のお寺で僧侶相手のコンサー トをして、高速道路を飛ばして戻って きたというハードスケジュール。声が 出るかどうかということでしたが、さ すがに伸びやかな歌声で、魅了してく れました。オリジナルを中心に、とき おりはフォークの名曲やあるいはJette を意識したか、彼女も知っているよう な英語の歌を交えてくれました。憲法 9条の条文を使ってつくった「日出生 台、この想い届け」や日本のあちこち に実際ある学校の校則を詞にした「校 則」、あるいはオジサン、オバサンに 勇気を与えてくれる「おじさんブギウ ギ」など楽しく、また心揺さぶられる
歌を披露。最後はみなで踊って、終り ました。
4、交流会その後宿泊所に戻って交流 会
松本さんがスライドを上映したの ですが、ちょっと場所(メンバー も?)が悪かった?なにせみな酒を 飲みながら見るのですから、言いた い放題です。一つのスライドに思い 思いの方向から意見(ケチ?)がつけ られ、松本さんもときどきは立ち往 生。感動的なはずのスライドが酒宴 のサカナにされてしまって、松本さ ん申し訳ありません。
九州名物のグルントヴィおじさん に水俣の破戒牧師などが大いに騒ぎ まくり(彼らが最年長!)、他地区か ら来た人たちは驚いたことでしょう。
なにせパワーある砂川、松本さんら も目立たないくらいですから。でも これが協会のセミナーなんです .... ハ イ。
でも Jette はとても面白がって「日 本に来て初めてこんなクレイジーな 人たちにあった。グルントヴィ・ソサ エティはホントにデンマークなみの クレイジーなヒュッゲをもってる。
まるで若者たちの騒ぐあのホイス コーレそっくり。これぜったいデン マークの父母や友人たちにメールで 明日報告するわよ。こんなに楽しい 日本人たちがいるって」といってく れました。彼女は北海道、広島、大阪 と三ケ所でのべ一年以上も日本滞在 経験があり、多くの日本人と出会っ ているのですが、彼女の日本人イ メージをぶちこわす楽しい経験で
あったようです。デンマーク人の彼 女が「協会はホントにデンマーク in ジャパン」といってくれますので、こ のヒュッゲな雰囲気はいよいよ本物 のようです。
姫野さんが再度ギターをとりだし、
みなで歌い、Jette もデンマークの歌 を紹介して、手を組んで歌ったのも まさにヒュッゲでしたね。深夜3時ま で延々と宴は続くのでした。
5,ビデオ上映会「教えられなかった 戦争・阿波根昌鴻、伊江島の闘い」(12 日9:00〜11:30)日出生台訓練、日 米ガイドラインを考えながら
コメンテーター 成毛克美
夕べの寝不足でみな眠たい顔。お まけに朝からビデオではきっと寝る だろうと思っていましたが、それを 吹き飛ばす映画の内容で、終ると自 然に拍手が出ました。沖縄の語り部 阿波根昌鴻さんの半生とその語り、
沖縄のおかれた現状、日米安保条約 の真実、あるいは元海兵隊のネルソ ンさんの心に訴えるその語り口など が、眠気を吹き飛ばす迫力に満ちて いたのです。沖縄の基地でアジア諸
国の開発独裁国での反体制指導者暗 殺の特殊部隊訓練が行われているこ となど、衝撃的な事実に参加者も驚 いたようでした。
その後成毛さんが、日米ガイドラ インの意味やこうした有事体制にい かにしたら抵抗できるかについてな ど、解説をしてくれました。現状のガ イドラインでは国民が後方支援とし て位置づけられ、総動員体制がつく られようとしているのです。軍事基 地に依存しない経済づくりをしてい る湯布院での反対闘争やジュネーブ 条約追加第一議定書(世界132国が加 入。日本政府は未批准)にもとづく抵 抗のあり方など、有益な示唆に富む 成毛さんならではのお話でした。
ジュネーブ条約追加議定書にもと づく抵抗とは、政府が戦争を遂行し ても、地域や自治体などで非戦を宣 言すれば、そこは非武装地帯となり、
いっさいの国家からの強制や義務を 拒否できるというものです。あるい は世界人権宣言にもとづき、個人と して戦争加担に拒否することもでき ます。人権というものの内容を考え る意味でも有意義な話でした。
報告するイェッテ
5,オプション(12日13:00〜16:
00)博多フィールドワーク
いったんここで解散し、午後は博 多フィールドワークで、栄西が帰国 後初めて開いた寺、聖福寺(日本で始 めて茶の木が植えられ、ここからお 茶がひろまった)やその末寺の一朝 軒(尺八の元祖)、戦後すぐの博多の 町並みや山笠のお宮櫛田神社など歩 き、茶が始まった寺を訪ねたので、会 員の小林さん宅により、表千家のお 師匠さんである小林文子さんに茶席 を設けていただき、参加しました。よ そ者に開放的で人情あふれる博多っ 子の代表でもあり、参加者のみなさ ん、博多人の心意気を少しは感じ取 れたことでしょう。小林さんありが とうございました。
以上が今回のホイスコーレ春日の 報告です。わずか 2 日間(半日ずつ)
という短い期間でしたが、そのわり には中身が一杯つまって充実したも のだったと思います。今回アシスタ ントをしてくれるはずだった若い会 員が風邪で来れず、私一人で事務局 をしましたが、グルントヴィ協会の よさは、何も指示を出さずとも、各自 が適宜それに応じた行動ができ、片 づけや交流会の準備、企画の準備、
コーヒーの準備など自然発生的にで きることです。今回もおかげで、事務 局一人でもまったく混乱や問題がな く、スムーズに運びました。この各自 の自立ぶりは日本社会では貴重な存 在で、グローバルにもやっていける 協会会員の特徴だと思います。他の 会ではここまでスムーズにはいかな
いでしょう(時間通りにはいかない し、ビデオは機械の調子でうまく上 映できないなど、もちろん混乱はあ るのですが、ごく自然に収まって流 れていくので、あまり混乱したとい う印象を与えないのです)。セミナー に何度かでるとみなさんこのコツを 覚えるのです。それが一番の協会の セミナーの売りでしょうか。会員の みなさんに心より感謝します。