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デジタル技術を利用した球技の拡張

ドキュメント内 修 士 論 文 の 和 文 要 旨 (ページ 30-34)

第 3 章 関連研究

3.2 デジタル技術を利用した球技の拡張

実際のスポーツに対して,映像効果などを用いて特殊効果や新たな要素の付 加を実現した研究も存在する.石井らは卓球に注目し,ボールの位置に応じて 様々な映像効果を卓球台に投影するシステム“PingPong++”を開発した[8].卓 球台の裏には 8 箇所にピエゾ素子が取り付けられており,台の振動を各素子に

よって計測することでボールのバウンド位置の推定を行う.その情報を基に,

上部に取り付けられたプロジェクタから様々な映像効果を投影することが出来,

卓球に新たな楽しみを付加することに成功した.

図 3.5 PingPong++[8]

また,フィールドへの映像投影を利用して,プレイヤの支援を行う事も可能 である.菅沼らは,ビリヤード台に対して情報を投影することにより,プレイ ヤに対し適切なボールの撞き方を提案するシステムを開発した[21] .カメラに よって手球および的球の位置を検出し,適切なターゲットおよび撞球の方向を 可視化することで,初級者への練習支援や試合のバランス調整等が可能となる.

図 3.6 ビリヤード台への情報の可視化[21]

また,菅野らが開発したSHOOTBALL[22]は,カメラとディスプレイに囲ま れたフィールドと,センサを内蔵したボールを使用した新たな球技である.フ ィールド内のカメラとボールに内蔵された衝撃センサによってボールの動きを 検出し,プレイヤは周囲のスクリーンに対してインタラクションを行う.

図 3.7 SHOOTBALL[22]

出田らもまた,ボールおよびフィールドにデジタル技術を適用することで新 たな球技を創出した[7].開発したボール「跳ね星」には各種センサやLEDが内 蔵されており,運動状態を判別出来るほか,その状態に応じて色を変えること が出来る.さらにボールに内蔵した赤外線LEDと外部に設置した赤外線カメラ によってボールの位置検出を行い,光による様々な映像演出をフィールドに投 影する.

図 3.8 跳ね星を用いたゲームの様子[7]

このように,デジタル技術を利用して球技に様々な特殊効果を付加した研究 は多く行われている.しかしながらその特殊効果の多くは視聴覚的演出による ものであり,プレイヤや道具,フィールド等に対する物理的な効果に関しては ほとんど注目されてこなかった.本研究ではスポーツに用いられる道具の中か ら特にボールに着目し,その軌道を変化させることで,球技における物理的制 約を越えたプレイの実現を目指す.以下では,ボールにデジタル技術を適用す ることで,様々な機能を付加した研究を紹介する.

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