付録 3 ソユーズ宇宙船について
⑥ Go/ No-go決定/推進薬の充填【打上げ当日】
3.6 ソユーズ宇宙船の捜索・回収
回収部隊によるソユーズ宇宙船の捜索・回収は以下の流れで実施されます。
① ヘリコプター等による捜索/着陸地の確認
② 着陸地に到着
③ 搭乗クルーをカプセルの外に出す
④ 医学検査用エアテント内で簡単な医学検査を実施
⑤ 帰還モジュールに搭載して持ち帰った実験試料の回収
⑥ ヘリコプターで空港に移動し、飛行機でモスクワへ移動(注:
2010
年6
月より、NASAとJAXA(ロシア人以外)の宇宙飛行士はNASAのビジネスジェット機
で米国へ直接移動するようになりました。)⑦ 帰還モジュールカプセルをモスクワに回収
図3.6-1 ソユーズTMA-12着陸に備えて出動準備を行なうロシアの回収部隊
図3.6-3 ソユーズ宇宙船から搭乗クルーを引き出している様子 (カプセルが横倒しにならなかったときは、このように梯子を使って引き上げる)
図3.6-4 回収部隊に運ばれる搭乗クルー
帰還したクルーは、リクライニングシートに運ばれてしばらく重力に慣らした後、
医療用テントへ運ばれます。その後は、ヘリコプターで空港まで運ばれます。
【帰還直後の転倒の危険性について】
スペースシャトルでの帰還でも同様ですが、長期滞在を終えたクルーが帰還直 後にすぐに立ち上がると、頭から下半身への血流のシフトが起きて貧血を起こした 時のような状態になって転倒し、怪我をする可能性があります。このため、クルー には医者から許可が出るまでじっとしているように指示されています。
ミール時代や
ISS
の初期の頃に比べると、クルーは軌道上でのエクササイズや 帰還に備えた医学的な指示が充実してきたお陰で遙かに元気な状態で帰還できコラム付録3-2
図3.6-5 医学検査用エアテント(inflatable medical tent)
図3.6-6 帰還モジュールに搭載して持ち帰った物品の取出し
【帰還後の体の変化・回復状況】
ISSに長期滞在して帰還したクルーの様子は、プライバシーの問題があるため通常は公表 されません。しかし、2013年5月に帰還したカナダのクリス・ハドフィールドの回復状況は CSAのホームページで(本人が同意の上で)公開されているので以下にその貴重な情報を紹介 します。彼が地上に帰還したのは5月14日で、その日のうちにヒューストンに戻っています。
5/15:歩くときに時々脚をもつれさせている。背中に痛みがあり、歩いて角を曲がるのが困 難な状態で、角にぶつかってしまう。めまいを感じており、階段を上り下りするのは コラム付録3-3