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スミス補償

ドキュメント内 回転子スロット高調波を利用した (ページ 35-38)

第 4 章 スロット高調波を利用した誘導電動機の速度センサレス制御系の提案

4.3 スミス補償

前節では,検出系による IM の回転速度に対する影響を補償した。その結果,IM の 回転速度は式(4.7)のように示される。よって,推定されるIMの速度にはむだ時間が含 まれていることがわかる。以上より,制御対象にむだ時間が含まれている場合の補償器 の設計法について説明する。

制御対象にむだ時間が含まれる制御システムに対して文献[17]のスミス補償法とい う手法が提案されている。

Fig4.7は制御対象にむだ時間を含んだ制御システムである。ここで,Fig4.7の入力u(s)

から出力y(s)までの伝達関数は式(4.8)と同様に以下のように表される。

       

   

Ts

Ts

e s P s C

e s P s C s

u s y

 

1 ··· (4.8)

式(4.8)よりFig4.7のようなシステムは,入出力の伝達関数の極にむだ時間を含んだシ ステムである。文献[17]では,このようなシステムに対してFig4.8のような補償器を付 加することで制御器設計を容易に行えるようにしている。Fig4.8 の入出力伝達関数は,

式(4.9)のように表される。

       

    sP s e G   s

C

e s P s C s

u s y

Ts Ts

 

1 ··· (4.9)

ここで,スミス補償器G(s)を式(4.10)のように設計する。

Fig 4.7 むだ時間を含んだ制御システム

  s

u C   s P   s e Ts y   s

制御器 制御対象

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33

     

    s P s e P   s G

s G e s P s P

n Ts Ts n

··· (4.10)

式(4.10)のPn(s)は制御対象のノミナルモデルである。ここで,制御対象P(s)と制御対 象のノミナルモデルPn(s)が式(4.11)のような関係であることを前提とする。

    s P s

P

n

··· (4.11)

以上のようにスミス補償器を設計すると式(4.9)は以下のように変形することができ る。

       

    s P s C

e s P s C s u

s y

n Ts n

 

1 ··· (4.12)

式(4.12)より,Fig4.8 は Fig4.9のように等価変換することができる。Fig4.9 よりスミ ス補償器を付加することで,閉ループ制御内にむだ時間を含まないシステムにすること ができる。そのため,Fig4.9の入出力伝達関数は極にむだ時間を含まないため,速度制 御器を簡易に設計することが可能になる。

以上を踏まえ,本研究で利用するスミス補償器を設計する。式(4.10)からわかるよう にスミス補償器は制御対象のノミナルモデルが必要である。ここで,本研究の制御対象 のノミナルモデルについて説明する。IMの速度制御系は,Fig4.4に示した。Fig4.4より,

IM の速度制御系は,d 軸回転子磁束鎖交数が入力される形であることがわかる。そこ で,本研究ではこのd軸からの入力を3.2節で説明したすべり周波数形ベクトル制御お よびIMの非干渉制御が成立していることを前提として考える。すなわち,d軸からの 入力は式(4.13)のように表される。

cmd ds dr

M

*

i

_

F

··· (4.13) また,q軸電流制御系について説明する。q軸電流制御系の閉ループ伝達関数は式(4.14 )のように示される。

iqs s s c iqs

iqs L s R K

G K

 

··· (4.14)

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34 以上より,本研究の制御対象のノミナルモデルを式(4.15)のように定義する。

 

p

s J L

p M K R s L s K

P

M ndr nr

n iqs

ns ns n

iqs

n 1 *

*

*

*

*

F

  ··· (4.15)

式(4.15)より,本研究で扱う制御対象のノミナルモデルを定義した。これより,むだ 時間を補償するためのスミス補償器の設計が可能となる。以上を踏まえ本研究で設計す るスミス補償は,式(4.16)のように設計される。

   eP   s

s Ts

G

smith Ts n

 

 

  

1 1

1 ··· (4.16)

スミス補償器が式(4.15)および式(4.16)により設計することができた。そのため,次章 では,提案した速度センサレス制御系により検出系による速度推定の応答遅れを改善さ れることを確認する。

Fig 4.8 スミス補償器を付加したむだ時間を含んだ制御システム

Fig 4.9 Fig4.8の等価変換

  s

u C   s P   s e Ts y   s

  s

G

制御器 制御対象

スミス補償器

  s

u C   s P   s y   s

制御器 制御対象

e Ts

  s '

y

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