第 2 章 訪問看護ステーション票の結果
9. 管理者自身のことや訪問看護ステーションの状況
58
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③ 訪問状況
管理者について、訪問を「行っている」は 85.7 %、「原則行っていない」は 8.2 %だ った。
訪問を行っていると回答した 408 人に、1週間あたりの訪問回数をたずねたところ、
374 人から回答を得て、平均で 13.6 回だった。
図表 2‑114 管理者の訪問の状況(n=476)
85.7% 8.2% 6.1%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
行っている 原則行っていない 無回答
図表 2‑115 管理者の1週間あたりの訪問件数(記入式)
回答件数 平均値 標準偏差 中央値 最大値 最小値
1 週間あたりの訪問
件数(件) 374 13.6 11.2 12.0 80 1
④ 経験年数
管理者の看護師としての経験年数は、平均値で 25.3 年目、訪問看護師としての経験 年数は、 10.1 年目、ステーションの管理者としての経験年数は 6.3 年目だった。
図表 2‑116 管理者の看護師等の経験年数(記入式)
単位:年目
回答
件数 平均値 標準
偏差 中央値 最大値 最小値
看護師として経験年数 442 25.3 8.2 25.0 79 2
訪問看護師の経験年数 447 10.1 5.4 10.0 27 0
ステーションの管理者
としての経験年数 450 6.3 4.6 5.0 20 0
60
⑤ はじめて訪問看護ステーションの管理者になる前に受けた研修
はじめて訪問看護ステーションの管理者になる前に受けた研修は、 「訪問看護管理者 を対象とした外部研修」が 35.7% と最も多く、ついで「訪問看護師養成講習会( 30.3% )」
が多かった。
なお、「受けていない」は 26.3% だった。
図表 2‑117 はじめて訪問看護ステーションの管理者になる前に受けた研修
(複数回答)(n=476)
35.7%
16.2%
15.1%
30.3%
5.5%
26.3%
1.9%
5.9%
0% 10% 20% 30% 40%
訪問看護管理者を対象とした外部 研修
管理者を対象とした法人内や併設 施設等での内部研修
別のステーションでの実地研修 訪問看護師養成講習会 その他 受けていない 覚えていない 無回答
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⑥ ステーションの状況
ステーションの状況は、 「ステーション内の問題について事業主や法人に相談できる
( 80.5% )」、「管理者 と しての判断・対 応に困 った時、ステー ション 内で相談でき る
( 76.9% )」、「制度改正/省庁から出された通達等の情報を得る仕組がある( 72.3% )」
などが多かった。
なお、最も少なかったのは「管理者の管理業務を代行できる人がいる( 33.2% )」で あり、ついで「対応が難しいケースについて、他組織に相談できる仕組がある( 47.3% )」
だった。
図表 2‑118 ステーションの状況(複数回答)(n=476)
33.2%
67.4%
76.9%
80.5%
63.2%
54.6%
70.4%
72.3%
47.3%
58.8%
52.3%
5.7%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
管理者の管理業務を代行できる人 がいる
管理者の訪問看護業務を代行でき る人がいる
管理者としての判断・対応に困った 時、ステーション内で相談できる ステーション内の問題について事業主
や法人に相談できる 管理者が訪問看護師として知識・
技術を向上できる機会がある 管理者が管理者として知識・技術を
向上できる機会がある 他ステーションの管理者と相談・支援し
あう場がある
制度改正/省庁から出された通達 等の情報を得る仕組がある 対応が難しいケースについて、他組織
に相談できる仕組がある 管理者は、必要時に休みを取れて
いる
根拠に基づいたマニュアルを作成して いる
無回答
62
看護職員の規模別では、比較的規模が小さい 2.5 人以上〜 3.0 人未満の事業所におい て、選択が少ない傾向がみられた。具体的には、「管理者が管理者として知識・技術を 向上できる機会がある( 44.8% ) [全体平均: 54.6% ]」、 「他ステーションの管理者と相 談・支援しあう場がある( 52.2% )[全体平均: 70.4% ]」などが挙げられる。
なお、「管理者は、必要時に休みを取れている」については、 2.5 人以上〜 3.0 人未満 の事業所は 70.1% と、全体平均( 58.8% )と比較して高かった。
図表 2‑119 看護職員の常勤換算数 × ステーションの状況(複数回答)
合計
管理者 の管理 業務を 代行で きる人 がいる
管理者 の訪問 看護業 務を代 行でき る人が いる
管理者と しての判 断・対応 に困った
時、ステ ーション 内で相談 できる
ステー ション 内の問 題につ いて事 業主や 法人に 相談で きる
管理者 が訪問 看護師 として 知識・技
術を向 上でき る機会 がある
管理者 が管理 者とし て知識・
技術を 向上で きる機 会があ る
全体 476 158 321 366 383 301 260
100.0% 33.2% 67.4% 76.9% 80.5% 63.2% 54.6%
2.5 人以上〜3.0 人未満
67 19 43 48 53 38 30
100.0% 28.4% 64.2% 71.6% 79.1% 56.7% 44.8%
3.0 人以上〜5.0 人未満
202 62 130 162 165 118 109
100.0% 30.7% 64.4% 80.2% 81.7% 58.4% 54.0%
5.0 人以上〜7.5 人未満
120 45 96 92 99 86 71
100.0% 37.5% 80.0% 76.7% 82.5% 71.7% 59.2%
7.5 人以上 60 28 40 46 49 45 37
100.0% 46.7% 66.7% 76.7% 81.7% 75.0% 61.7%
合計
他ステ ーショ ンの管 理者と 相談・支
援しあ う場が ある
制度改 正/省庁
から出 された 通達等 の情報 を得る 仕組が ある
対応が 難しい ケース につい て、他組
織に相 談でき る仕組 がある
管理者 は、必要
時に休 みを取 れてい る
根拠に 基づい たマニ ュアル を作成 してい る
無回答
全体 476 335 344 225 280 249 27
100.0% 70.4% 72.3% 47.3% 58.8% 52.3% 5.7%
2.5 人以上〜3.0 人未満
67 35 42 27 47 30 4
100.0% 52.2% 62.7% 40.3% 70.1% 44.8% 6.0%
3.0 人以上〜5.0 人未満
202 139 144 91 112 100 13
100.0% 68.8% 71.3% 45.0% 55.4% 49.5% 6.4%
5.0 人以上〜7.5 人未満
120 100 91 68 78 74 3
100.0% 83.3% 75.8% 56.7% 65.0% 61.7% 2.5%
7.5 人以上 60 46 49 30 35 37 3
100.0% 76.7% 81.7% 50.0% 58.3% 61.7% 5.0%
63
⑦ ステーションの安全管理に係る環境
ステーションの安全管理に係る環境では、 「仕事を行うのに十分の数のスタッフがい る」では「全くそう思わない」と「そう思わない」の合計が 42.9 %、「スタッフにと って最適な労働時間よりも長時間にわたって働いている」では、 「強くそう思う」と「そ う思う」の合計が 24.4% だった。
図表 2‑120 ステーションの安全管理に係る環境(n=476)
0.2%
41.8%
29.6%
2.5%
17.0%
12.4%
10.1%
12.6%
0.4%
11.8%
0.8%
0.6%
47.5%
52.5%
2.3%
43.5%
49.2%
32.8%
35.7%
11.6%
42.0%
7.1%
2.7%
8.2%
14.1%
2.5%
26.9%
27.5%
27.5%
25.2%
38.4%
31.3%
35.5%
54.0%
0.4%
1.5%
56.1%
9.0%
7.8%
21.4%
20.6%
42.4%
11.3%
49.8%
40.5%
0.0%
0.0%
34.2%
1.1%
0.4%
6.3%
3.8%
5.0%
1.7%
4.6%
1.9%
2.1%
2.3%
2.3%
2.5%
2.7%
1.9%
2.1%
2.1%
1.9%
2.1%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
ステーションでは、スタッフがお互いに 助け合って仕事をしている
医療安全の問題が繰り返し 起きていても見過ごしている ステーションで「何か違う」と感じても
質問しづらい雰囲気がある スタッフはステーションで起きた医療安全の
問題について知らされている スタッフは、ミスをすると不利な
立場になると感じている スタッフは自分のミスが記録に残される
ことを心配している 仕事を行うのに十分の数のスタッフがいる
スタッフにとって最適な労働時間よりも 長時間にわたって働いている 医療安全を向上させるための取り組みを
積極的に行っている
これまでステーションで深刻なミスが起きて いないのは偶然でしかない 業務手順やシステムは医療事故や
ヒヤリハットを予防することができる
全くそう思わない そう思わない どちらともいえない そう思う 強くそう思う 無回答
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看護職員の規模別では、比較的規模が小さい 2.5 人以上〜 3.0 人未満の事業所におい て、 「仕事を行うのに十分の数のスタッフがいる」で「全くそう思わない」が 19.4% と 高かった。また、 「医療安全を向上させるための取り組みを積極的に行っている」では、
「強くそう思う」と「そう思う」の合計が 35.8% と、全体平均( 47.4% )と比較して低 かった。
図表 2‑121 看護職員の常勤換算数 × 仕事を行うのに十分の数のスタッフがいる
合計
全く そう 思わ ない
そう 思わ ない
どち らと もい えな い
そう 思う
強く そう 思う
無回 答
全体 476 48 156 131 102 30 9
100.0% 10.1% 32.8% 27.5% 21.4% 6.3% 1.9%
2.5 人以上〜3.0 人未満
67 13 19 15 12 5 3 100.0% 19.4% 28.4% 22.4% 17.9% 7.5% 4.5%
3.0 人以上〜5.0 人未満
202 23 68 69 33 7 2 100.0% 11.4% 33.7% 34.2% 16.3% 3.5% 1.0%
5.0 人以上〜7.5 人未満
120 5 43 30 32 7 3 100.0% 4.2% 35.8% 25.0% 26.7% 5.8% 2.5%
7.5 人以上 60 2 17 10 21 10 0
100.0% 3.3% 28.3% 16.7% 35.0% 16.7% 0.0%
図表 2‑122 看護職員の常勤換算数 × 医療安全を向上させるための取り組みを積極 的に行っている
合計
全く そう 思わ ない
そう 思わ ない
どち らと もい えな い
そう 思う
強く そう 思う
無回 答
全体 476 2 55 183 202 24 10
100.0% 0.4% 11.6% 38.4% 42.4% 5.0% 2.1%
2.5 人以上〜3.0 人未満
67 0 10 30 22 2 3
100.0% 0.0% 14.9% 44.8% 32.8% 3.0% 4.5%
3.0 人以上〜5.0 人未満
202 0 27 77 84 11 3 100.0% 0.0% 13.4% 38.1% 41.6% 5.4% 1.5%
5.0 人以上〜7.5 人未満
120 0 10 49 51 7 3 100.0% 0.0% 8.3% 40.8% 42.5% 5.8% 2.5%
7.5 人以上 60 0 6 17 34 3 0
100.0% 0.0% 10.0% 28.3% 56.7% 5.0% 0.0%
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⑧ 医療安全の総合的評価
医療安全の総合的評価は、 「まあまあ」が 64.9% で最も多かった。 「特に優れている」
と「とてもよい」の合計は 28.6% だった。
なお、看護職員の規模別では、医療安全の総合的評価に大きな差はみられなかった。
図表 2‑123 医療安全の総合的評価(n=476)
2.9% 64.9% 27.3%
1.3%
3.6%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
悪い まあまあ とてもよい 特に優れている 無回答
図表 2‑124 看護職員の常勤換算数 × 医療安全の総合的評価
合計 悪い まあま
あ
とても よい
特に優 れてい る
無回答
全体 476 14 309 130 6 17
100.0% 2.9% 64.9% 27.3% 1.3% 3.6%
2.5 人以上〜3.0 人未満
67 3 43 16 0 5
100.0% 4.5% 64.2% 23.9% 0.0% 7.5%
3.0 人以上〜5.0 人未満
202 3 130 59 3 7
100.0% 1.5% 64.4% 29.2% 1.5% 3.5%
5.0 人以上〜7.5 人未満
120 3 78 32 3 4
100.0% 2.5% 65.0% 26.7% 2.5% 3.3%
7.5 人以上 60 4 39 17 0 0
100.0% 6.7% 65.0% 28.3% 0.0% 0.0%
66
⑨ 1人で訪問看護ステーションを安全・安定的に運営することの可否
1人で訪問看護ステーションを安全・安定的に運営することの可否は、 「できない(い いえ)」が 88.4% を占めた。「できる(はい)」は、 7.6% だった。
なお、看護職員の規模別では、 2.5 人以上〜 3.0 人未満の小規模な事業所では「でき る(はい)」の割合が 13.4 %と高かった。
また、性別にみると、男性では「できる(はい)」の割合が女性と比較して高かった。
図表 2‑125 1人で訪問看護ステーションは安全・安定的に運営できるか(n=476)
7.6% 88.4% 4.0%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
はい いいえ 無回答
図表 2‑126 看護職員の常勤換算数 × 1人で訪問看護ステーションは安全・安定的 に運営できるか
合計 はい いいえ 無回答
全体 476 36 421 19
100.0% 7.6% 88.4% 4.0%
2.5 人以上〜3.0 人未満
67 9 53 5
100.0% 13.4% 79.1% 7.5%
3.0 人以上〜5.0 人未満
202 16 180 6
100.0% 7.9% 89.1% 3.0%
5.0 人以上〜7.5 人未満
120 6 108 6
100.0% 5.0% 90.0% 5.0%
7.5 人以上 60 2 57 1
100.0% 3.3% 95.0% 1.7%
図表 2‑127 性別 × 1人で訪問看護ステーションは安全・安定的に運営できるか
合計 はい いいえ 無回答
合計 476 36 421 19
100.0% 7.6% 88.4% 4.0%
男性 13 5 8 0
100.0% 38.5% 61.5% 0.0%
女性 439 28 394 17
100.0% 6.4% 89.7% 3.9%
無回答 24 3 19 2
100.0% 12.5% 79.2% 8.3%
67
開設主体別にみると、「できる(はい)」の回答に占める、営利法人や社団・財団法 人の割合が、開設主体別の構成比と比較して高かった。医療法人、医師会、社会福祉 法人では低かった。
図表 2‑128 開設主体 ×1人で訪問看護ステーションは安全・安定的に運営できるか
4.9%
0.0%
5.3%
38.0%
30.6%
38.6%
5.3%
2.8%
5.5%
4.9%
5.6%
4.8%
7.5%
11.1%
7.2%
8.2%
2.8%
8.6%
23.0%
38.9%
21.6%
8.4%
8.3%
8.4%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
合計(n=453)
はい(n=36)
いいえ(n=417)
都道府県・市区町村・広域連合・一部事務組合 医療法人
医師会 看護協会
社団・財団法人 社会福祉法人
営利法人 その他の法人
※選択肢のうち「日本赤十字社・社会保険関係団体」、「農業協同組合及び連合会」、「消費生活 協同組合及び連合会」、「特定非営利活動法人(NPO)」については、回答数が少ないため、こ こでは「その他の法人」に含めている
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「1人で訪問看護ステーションを安全・安定的に運営することの可否」別に、ステ ーションの状況をみたところ、「はい(1人で安全・安定的に運営できる)」と回答し ている事業所では、ステーションの状況についての回答が比較的低い傾向がみられた。
15 ポイント以上差があった項目としては、「管理者の管理業務を代行できる人がい る」、「管理者の訪問看護業務を代行できる人がいる」、「他ステーションの管理者と相 談・支援しあう場がある」が挙げられる。
図表 2‑129 1人で訪問看護ステーションは安全・安定的に運営できるか × ステー ションの状況(複数回答)
19.4%
50.0%
69.4%
75.0%
55.6%
44.4%
52.8%
72.2%
52.8%
52.8%
44.4%
8.3%
34.7%
69.1%
78.1%
81.2%
63.9%
55.1%
71.7%
71.7%
46.3%
59.1%
52.3%
5.2%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
管理者の管理業務を代行できる人がいる 管理者の訪問看護業務を代行できる人がいる 管理者としての判断・対応に困った時、ステーション内で
相談できる
ステーション内の問題について事業主や法人に相談でき る
管理者が訪問看護師として知識・技術を向上できる 機会がある
管理者が管理者として知識・技術を向上できる機会 がある
他ステーションの管理者と相談・支援しあう場がある 制度改正/省庁から出された通達等の情報を得る仕
組がある
対応が難しいケースについて、他組織に相談できる仕 組がある
管理者は、必要時に休みを取れている 根拠に基づいたマニュアルを作成している
無回答 はい(n=36)
いいえ(n=421)