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TC, HDL, LDL, TG T4 治療で改善するか?

第二部 スクリーニング

スクリーニングをすべきかどうか

スクリーニングが正当化されるかどうかは、潜在性甲状 腺機能異常症の頻度が高いことと、それを発見し治療

することの健康に与えるリスクとベネフィット によって決定される。

The rationale for population screening hinges on the high prevalence of subclinical thyroid dysfunction in the adult population, and on the potential health

benefits and risks of detecting and treating these disease.

スクリーニングに関しての委員会の意見

1.無症状の人すべてにスクリーニングすることは反対

• その理由は、「無症状の人をスクリーニングで発見し、

その状態を治療した場合、スクリーニングを受けずに、

症状があって始めて見つかる人と比較して、

measurable and important health outcomesにおいて改 善されるというエビデンスがない」

• しかし、積極的に症例を見つけることが大事である

(症状、所見、などを参考に)。

2.妊婦、妊娠を計画している女性全員にスクリーニン グすることには賛成しない

• 賛成、反対の双方のエビデンスが不十分

• 甲状腺疾患の既往歴、家族歴、症状、所見、甲状腺 腫、自己免疫疾患、1型糖尿病を持つものには行う

臨床甲状腺家の反論

Gharib H. et al.

Subclinical Thyroid Dysfunction

A Joint Statement on Management from the American Association of Clinical Endocrinologists, the American Thyroid Association, and The Endocrine Society,

JCEM 2005

委員会スポンサーである3つの学会のメンバーの意見

1.routine screening for subclinical thyroid disease in the general population(全員にスクリーニングすべきである)

2. routine screening for subclinical thyroid disease in women who are pregnant or planning pregnancy(妊婦、妊娠を計画 している人はすべてスクリーニングすべきである)

3. routine treatment of patients with subclinical hypothyroidism with serum TSH levels of 4.5–10 mU/liter.(軽度であっても 潜在性甲状腺機能低下症は治療すべきである)

臨床甲状腺家の反論

ルーチンスクリーニング を行うべきである

• 委員会は、aggressive case findingをするという考えで は一致しており、practicing clinician に勧告している。

したがって、臨床家がスクリーニングをしようとする気 持ちをそぐようなことをしてはいけない。

• 甲状腺機能低下症は連続的なものである。重症例は 粘液水腫になるが、潜在性甲状腺機能低下症はそれ と連続したものであり、何らかの悪影響があるはずで ある。

• したがって、明らかなエビデンスがない条件では、早 期に発見して、早期に治療をすべきであるという考え。

委員会( Surks )の反論

ルーチンスクリーニングに対して

• TSHの上昇が見つかるのは、60歳以上のものに多 く、そのほとんどが、ごく軽度のTSHの上昇である。

• そのような人は、他にも投薬を受けていることが多 く、臨床甲状腺家が言うように、スクリーニングして 見つかったごく経度の潜在性甲状腺機能低下症を 治療することになれば、すでに飲んでいる薬剤に加 えて甲状腺ホルモンが投与されることになる。

• Polypharmacy (過剰投与、多剤投与、薬物乱用)は, 薬を間違われたり、過剰に投与されたりすることに つながる。

委員会 (Surks) の反論

ルーチントリートメントに対して

• 甲状腺ホルモン補充療法を受けている患者 の 20 %が潜在性機能亢進症になっている。

• Gharibらは、教育すればそのことは問題にならない

ので、そのことを理由に治療を反対することにはなら ない、としているが、一般の医師がT3摂取率をいつ までも使用していたり、それを間違って理解している ことがあるように教育はそれほど簡単ではない。

• 効果が明らかではないのに、20%ものひとが潜在性 甲状腺機能亢進症になるのはいけない

臨床甲状腺家の反論

妊婦、妊娠を計画している女性は 全員スクリーングすべきである

• 潜在性甲状腺機能低下症は胎児や妊娠の経過に 悪影響がある(fairなエビデンス)としている

• 妊娠可能年齢の女性においても潜在性甲状腺機 能低下症の頻度は高い(約5%)

• そのような場合、胎児のsurvivalやoptimal brain developmentを危険にさらす

• したがって、妊娠がわかったらすぐにTSHの測定を 行うべきである。

委員会( Surks )の反論

妊婦スクリーニングに対して

• 妊娠中は、甲状腺機能が正常であっても、

TSH, FT4, FT3 は正常範囲を外れることが多

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