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スキルの育成:成功と失敗

ドキュメント内 IBCS_DNA.indd (ページ 31-34)

今回の調査では、参加者の半数以上が、スキルの教育が速やかに 行われていないことが一番の人財に関する課題であると回答し、

3分の1以上が、従業員のスキルが会社の現在のビジネス・ニーズに 合っていないと回答している(図10を参照)。

30 適応力のある組織が持つ DNAの解明

52%

36%

36%

31%

27%

24%

22%

18%

15%

11%

0% 20% 40% 60%

出典:IBM Global Human Capital Study 2008

現在または将来のビジネス・ニーズに応えるための スキルを持つ従業員の迅速な育成が困難である

リーダー人財が不足している

従業員のスキルが企業の考える優先事項に適合していない

組織内でのコラボレーションおよび知識の共有が困難である

優秀な求職者を惹き付けるのが困難である

従業員のモチベーションを高められない

新たなビジネス・チャンスに対応するための リソースの再配置または再編成が困難である

優秀な社員を保持することが困難である

競合他社よりも人件費が高い

現地の労働関連の法規制の下では従業員数の規模の見直しが困難である

30% 50%

10%

図10 あなたの組織が直面している従業員関連の課題の中で最も深刻なものは何ですか?

我々の関心は、このスキルのギャップをなくすために、組織がど の教育手段に最も価値を認めているかを理解することであった。

参加企業の回答によると、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)

やインストラクターの指導によるクラスルーム型授業など、従来の 教育形式による効果はやはり大きいということだ(図11を参照)。

このため、参加企業の52%がスキル速成に苦しんでいるという のも驚くに当たらない。OJTとクラスルーム型授業は、特に時間と リソースを要するため、ビジネスに対して費用がかさみ、市場の

変化に素早く対応できないこともある。

一部の企業は、大きくなりつつある今日の労働人口の高齢化・

大量退職の問題をとらえて、こうしたアプローチは持続可能でない ことを認めている。フランスのある銀行の人事担当ディレクターは 次のように説明している。「これまで知識の伝授は、“ 現場で ” 行わ れていました。それは熟練者のチームに中に新人を混ぜるという やりかたです。しかし(ベビーブーマー世代の)大量退職と新規 

採用者数の増加を考慮すると、この方法ではもう効果は上がり ません。それゆえ、すべての手順の文書化を進めており、知識を 継承し展開するためのトレーニングを開発しているところです」

参加企業の多くは、eラーニングだけでは十分なリターンを得られ ないと認識している(図11を参照)。 学習者の自己管理による コンピューターまたはWebベースのトレーニングを効果的とと らえているのは、参加企業のわずか27%に過ぎない。 配信型 ラーニングをいつどこで行うべきかについて、組織には確信が ない。ある銀行の人事担当責任者が述べた次のようなコメントに もそれが反映されている。「e ラーニングは技術的な内容や方法 の習得には適しているかもしれませんが、人との応対に必要と される対 人関係スキルの習得には適していません」。Web上で の仮想クラスルーム・トレーニングを有効としているのはわずか 17%であり、参加企業の3分の1以上は、この方法をまったく  導入していない。

31

図11 あなたの組織では、従業員の育成に関する以下の方法がどの程度効果を発揮していますか?

41% 16% 18% 15% 7% 3%

21% 9% 24% 31% 10% 5%

16% 6% 18% 34% 20% 7%

15% 6% 16% 29% 24% 10%

12% 6% 13% 25% 31% 13%

14% 4% 11% 26% 31% 14%

7% 4% 11% 24% 32% 22%

3%1

1

1

2

8% 30% 46% 11%

6% 30% 43% 19%

3% 15% 46% 33%

34% 9% 16% 24% 12% 5%

80%

60%

40%

20%

0% 100%

出典:IBM Global Human Capital Study 2008 OJT(実地トレーニング)

社内で行われるクラスルーム型の教育 社外のベンダーや機関によって行われる クラスルーム型の教育 ジョブ・ローテーション 複合教育(クラスルーム型の教育と Webベースの教育の組み合わせ)

メンタリング(アドバイス役の設置)

教育費用の援助制度

独学(コンピューター・ベース以外)

自己管理式のコンピューター・ベースまたは Webベースのトレーニング Webを介して提供される 仮想クラスルーム型のトレーニング

 無回答または「分からない」    [1]全く効果が出ていない    [2]    [3]    [4]     [5] 非常に効果が出ている 通信教育

大量の従業員に強制的にトレーニングを実施し、その進捗状況の 確認を必要としている業界では、配信型ラーニングは有効な役割 を果たしている。 例えば、金融サービス会社の42%は、業種 固有のニーズに対応するためWebベース・ラーニングは有効で あると回答している。“ 製品認定のeラーニング ” で成功している オーストラリアの ある銀 行 の 人 事 担 当 責 任 者が強 調している ように、配信型ラーニングは、グローバル全体で進捗確認や評価 が必要な法規制やコンプライアンス対応などで利用する場合は 有効なのかもしれない。

さまざまな形式の配信型ラーニングとクラスルームなどの従来型 の教育手段を組み合わせた混合型ラーニングが深く浸透してきて いる。混合型ラーニングのアプローチは、優れた実践方法として 何年も注目されてきた。10  今回の調査においても、従業員の能力 開発の有効な手段として複合型ラーニングを挙げた回答は44%

を占めている。ある産業用製品会社の人事担当シニア・バイス・

プレジデントは次のように述べている。「当社では、混合型ラー ニングを活用しています。 例えば、従業員は、まず仮想トレー ニングを受け(関心のある分野を確認し)、次に、他の必須クラ スを受講して、最終的に認定を受けます」

32 適応力のある組織が持つ DNAの解明

図12 貴社の従業員の離職率はこの2年間でどのように変化しましたか?

0%

20%

40%

60%

80%

100%

14%

33% 36%

3% 1%

以前よりもはるかに多い 以前よりもやや多い 以前とほぼ同様 以前よりもはるかに少ない 13%

以前よりもやや少ない 不明

出典:IBM Global Human Capital Study 2008

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