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シュウ酸塩による Ca の沈殿分離と酸化還元滴定

ドキュメント内 Microsoft Word - 目次注意事項2.doc (ページ 46-49)

参 考

実験 11. シュウ酸塩による Ca の沈殿分離と酸化還元滴定

 

 

 

 

2.3  過マンガン酸滴定 

  過マンガン酸滴定は、酸化還元滴定の一種であり、過マンガン酸イオン自体が指示薬となる。 

  過マンガン酸イオン(MnO4)は,酸性水溶液中で次の反応式により、酸化剤として作用する. 

    MnO+8H+5e  →  Mn2+  +4HO      (1) 

この式の左辺の 8Hは比較的強い酸性下でこの反応が右に進行することを示し,5eはこの反応で電子 が消費されることを示す.従って,この反応によって,共存物質は電子を奪われる(酸化される)こ とがわかる.Mn2+は通常の水溶液中で安定なマンガンのイオンの形で,ほとんど無色である. MnO4 は鮮やかな赤紫色なので,この反応の前後で色が劇的にかわり,呈色指示薬の働きを自ら持っている ことになる.一方、しゅう酸イオンは次のように分解する: 

    C2‐  →  2CO2  +  2e      (2) 

この反応では,1分子のしゅう酸の分解により2つの電子が放出される.この電子を受け取った物質 は還元されるので,しゅう酸は還元剤となり得る.  

 

  予習問題 3  過マンガン酸カリウムとシュウ酸の化学反応式を書きなさい。 

  予習問題 4  アルカリ性水溶液中における、過マンガン酸カリウムの働きについて調べなさい   

3.  実験 

[実験 1] 試料(大理石:主成分炭酸カルシウム)の溶解(班の代表 1 名が行う) 

(1) 大理石粉末約 1g を時計皿に精秤し,少量の水で 200mℓビーカーに移す. 

(2) 塩酸(1+4,体積比で濃塩酸 1 を水 4 で希釈した溶液)10mℓを加え,時計皿で蓋をして飛散を防 ぎ完全に溶解する.ドラフト内で行うこと。 

(3) 200mℓメスフラスコに移し 200mℓとする.  

 

[実験 2]  Ca の沈殿分離 

  (1) 試料溶液からホールピペットで 20mℓ分取し 200 mℓのビーカーに入れ,水で 100~150mℓに希釈 し沸騰する程度に加熱する. 

  (2) アンモニア水(1+4)により中和する.(メチルレッドを指示薬とする) 

  (3) 4%シュウ酸アンモニウム(NH4)2C2O4 溶液を,先ず少量加え良く撹袢する. 

      (しゅう酸カルシウム沈殿の核を形成させる) 

  (4) 次に、(NH4)2C2O4 溶液を当量より少過剰加えて撹袢,数分間静かに沸騰させる.(突沸に注意 する。)沈殿の量に応じて 4~24h 放置,沈殿を室温で熟成させる(時間がないのでこの場合 30 分程度放置するのみに短縮). 

 

      予習問題 2 から分かるように、少過剰のしゅう酸アンモニウムを加えることにより、カルシウ ムイオンをほぼ完全にしゅう酸カルシウムの沈殿として分離出来る。通常は、安全を見て当量の 1.5 倍程度加えて良い.秤量した大理石が純粋な炭酸カルシウムであったと仮定して,1.5 倍量 のしゅう酸イオンを加えるには 4%しゅう酸アンモニウム溶液をいくら加える必要があるか求め なさい. 

 

 

   

[実験 3]  0.02M(0.1N)KMnO4 溶液の調製と標定 

(1) 試薬特級過マンガン酸カリウム結晶 3.3g を 1ℓの水に溶かし,約 1h 沸騰させる.ガラスフィルタ ーで吸引ろ過し,清澄な褐色ガラスビンに保存する.(用意されている溶液を用いる) 

(2) しゅう酸ナトリウム特級試薬 1.34g を前もって恒量とした秤量ビンに秤取り,120℃で恒量とし,

水に溶かして 200mℓとする.しゅう酸ナトリウム標準溶液とする.(代表者 1 名が調製) 

(3) しゅう酸ナトリウム標準溶液を 10 mℓホールピペットで精確に測り取り,ビーカーに入れ,硫酸濃 度 0.5~1M 程度とし,80℃に加温し,過マンガン酸カリウム液で滴定する. 

滴定の最初は Mn2+などが無いので,反応が進行し難く,数分間の時間を要することが多いので,最 初 10 滴程度の過マンガン酸カリウム溶液を加えてから(濃い赤紫色になる)撹袢すると反応が早く 進行する.Mn2+が一旦できると触媒作用で反応が速くなるのである. 

 

[実験 4] シュウ酸カルシウムのろ別,洗浄,溶解とシュウ酸の定量 

(1) 5B ろ紙(東洋ろ紙規格)を用いてろ過し,沈殿とろ紙を水で5回程度洗浄する. 

(2) 別の 300mℓビーカー上に沈殿を回収したろ紙を広げ,洗浄ビンから水を吹き付けて,沈殿をビーカ ーに移す. 

(3) 液量を 100mℓ程度とし,1:1 希釈の硫酸が用意してあるので,液量の約 10%を加え,硫酸濃度を 0.5

~1M 程度とし,80℃に加温し,0.02M(0.1N)過マンガン酸カリウム溶液で滴定する.(温度計を 攪拌棒の替りに使用.)滴定量からシュウ酸の物質量を計算する。 

  滴定に失敗しない工夫として,ビーカー中に細いガラスビンを入れ,溶液の一部を入れてビンを立 て,この部分を滴定から切り離す.外側の滴定が終点をむかえた後ビンを倒し,滴定を戻し,再度 ビンを立てて滴定を続ける.これを数回繰り返すと,終点を行き過ぎて失敗することが防げる. 

 

  <レポート課題 1> 

  実験 4 で求めたシュウ酸の量から,実験 5-1 で溶解した大理石中に含まれる Ca の物質量を求めなさ い.Ca が純粋な CaCO3 として存在すると仮定し,この大理石の純度(大理石に含まれる CaCO3 の質 量分率%)を求めなさい.同じ班の他の人のデータも教えてもらい、比較検討すること。 

 

  <レポート課題 2> 

  標準的な大理石の純度、含まれている不純物などについて調べ、実験の結果と比較し、考察しなさ い。 

 

  <レポート課題 3> 

この実験では、Ca を定量するために、シュウ酸を過マンガン酸滴定により定量している。このよう    な方法を間接滴定と言うことがある。間接滴定の他の例について調べなさい。 

 

 

 

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