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シナリオ設定支援機能

第 1 章  序論

4.3 シナリオ設定支援機能

(1) モデルシナリオ生成アルゴリズム

モデルシナリオの生成は,過去の実績データをスクリーニングして現況に 近い類似パターンを検索し,過去時点を現時点と捉えてその過去時点から先 のシナリオ設定期間 Ts の実績データを,モデルシナリオとして設定する.

生成アルゴリズムは,以下のステップをふむ.

Step 1:現況の定義

    現時点 t0より過去の期間 Tを設定し,t0-Tから t0までの実績データ D(t) を現況データ Dc(t)と定義する(図 4.5(a)).

  Step 2:類似データの検索

実績データ D(t)と現況データ Dc(t)との差の二乗和が最小,すなわち下 記の制約式を満足する過去時点 tpを抽出する(図 4.5(b)).

) 1 . 4 2 (

)) ( )) 0 (

( (

min + − − ……

tpDc t t tp D t T

tp

  Step 3:モデルシナリオの生成

過去時点tpからシナリオ設定期間Tsの実績データD(t)を,下記式で調整し て,モデルシナリオDs(t)を決定する. 

[

0, 0

]

(4.2)

, 0 )

( ) (

0) ( ) (

… +

− +

=

=

Ts t t p d

t t t D t Ds

t p Dc t D d

これにより,自動生成されたモデルシナリオを必要に応じて変更すればよ くなるので,シナリオをはじめから設定する必要がなくなり,シナリオ設定 の負荷軽減が図れる.また,過去の実績に基づいてシナリオを生成するので,

その信頼性は高く,経験の浅い意思決定者でも適切なシナリオを設定してい くことができる.

図4.5 モデルシナリオの生成

Time t t0present t0-T

T

(a) A definition of the current state data

D(t)

Dc(t)

tp-T tp

T

d Ts

Tp+Ts

(b) A definition of a model scenario The current state Dc(t)

The actual achievement data D(t)

Time t The reference model scenario

Ds(t) Least sum square of the difference

between current state and the past data

(2) 近傍シナリオ生成アルゴリズム

自動生成されたモデルシナリオに必要な変更を加え,最終的に設定された シナリオ Dss(t) (t=[t0, t0+Ts]) に類似するデータを実績データ D(t)から検索 して,近傍シナリオを生成する.生成アルゴリズムは,以下のステップをふ む.

  Step 1:類似度εの設定

    実績データD(t)と現在設定されているシナリオDss(t)との差の二乗和が ε以内であれば,類似データとみなすεを設定する.

  Step 2:類似データの検索

    実績データD(t)と現在設定されているシナリオDss(t)の差分和がε以内とな る,すなわち下記制約式を満たす過去時点tppの集合を求める. 

) 3 . 4 2 (

)) ( ) 0 (

(

( + − − ……

+

tpp

Ts Dss t t tp D t

tpp

ε  

  Step 3:モデルシナリオ群の生成

Step 2 で求めた過去時点集合{tpp}に対して,「(1)モデルシナリオ生 成アルゴリズム」の Step 3 を適用して,モデルシナリオの集合{Dsp(t)}

を求める.

  Step 4:近傍シナリオの生成

図4.6 に示すように,Step 3 で求めたモデルシナリオ集合{Dsp(t)}の 中で各時点における最上値と最下値を求める.最上値が作るシナリオと最 下値が作るシナリオで挟まれる領域を,近傍シナリオとして生成する.

図4.6 近傍シ ナリオの生成 The setup scenario

The set of neighborhood scenarios

t0(present) t0+Ts

Ts

Time t The neighborhood scenarios

  設定したシナリオでシミュレーションを実行するとき,同時に,近傍シナ リオでもシミュレーションを実行する.具体的には,1回のシミュレーショ ン実行指示で,最上位値が作るシナリオと最下位値が作るシナリオ,及び近

できる.また,何度もシナリオを設定しなおしてシミュレーション実行を繰 り返す必要がなくなり,シナリオ設定の負荷軽減が図れ,シナリオの想定漏 れ防止も図ることができる.

4.3.2 シナリオデータのマルチビュー方式

  図4.7に,異なる複数の表示形式(マルチビュー)によるシナリオデータ の表示・設定を支援する機能概要を示す.本機能は,マルチビュー(たとえ ば,表形式やグラフ形式など)で,シナリオデータを表示・設定するインタ フェースを提供する機能である.また,各ビューは連動しており,あるビュ ーにおいてシナリオデータの変更があると,当該ビューがその変更イベント を他のビューに通知し,通知を受けた各ビューはシナリオデータを再表示す ることにより変更を反映する. 

  たとえば,金利シナリオを例にとると,金利シナリオデータが表形式の金 利変動表なるビューと,グラフ形式の金利変動グラフなるビューが,同一画

図4.7 シナリオデータのマルチビュー方式 Interface style-1 Interface style-2 update

display update

notification

update notification Scenario data

面上に表示されているとする.金利変動表の数値を変更すると,それに応じ て金利変動グラフの形状が変わる.逆に,金利変動グラフの形状を変更する と,それに応じて金利変動表の数値が変わる機能である. 

  本機能により,利用者は,使い慣れた入力インタフェースを選択できる.

また,グラフ形式などの可読性の高い表示ビューにより,まったく的外れで 不自然なデータを容易に発見できるので,入力ミスの防止を図ることができ る.たとえば,金利変動のシナリオを設定しようとする場合,グラフ形式の ビューで金利変動のトレンドをビジュアルに把握しながら大まかなシナリ オを設定し,表形式のビューで正確な値を設定していくという使い方ができ ることになる. 

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