4.1.1 レガシーシェーパの概要
シェーパは,各キューからのフレームの出力順序,および各ポートの出力順序や出力帯域を制御する機能で す。
レガシーシェーパは,次の図に示すように,どのキューにあるフレームを次に送信するかを決めるスケ ジューリングと,イーサネットインタフェースの帯域をシェーピングするポート帯域制御から構成されてい ます。レガシーシェーパの概念を次の図に示します。
図 4‒1 レガシーシェーパの概念
4.1.2 送信キュー長
送信キュー長とは,一つのキューにキューイングできるバッファ数のことです。一つのバッファには 256 バイトまで格納でき,256 バイトを超えたフレームの場合は,複数のバッファを使用して格納します。ま た,一つのバッファに複数のフレームを格納できません。
本装置では,キュー長 192 で動作します。
4.1.3 スケジューリング
スケジューリングは,各キューに積まれたフレームをどのような順序で送信するかを制御する機能です。
本装置では,次に示す二つのスケジューリング種別があります。デフォルト動作は PQ です。スケジューリ ングの動作説明を次の表に示します。
表 4‒1 スケジューリングの動作説明 スケジューリン
グ種別 概念図 動作説明 適用例
PQ 完全優先制御。ポート当たり 8
キュー。
複数のキューにフレームが存在す る場合,優先度の高いキューから
(Q#8,Q#7,…,Q#1)常にフ レームを送信します。
トラフィック優先 順を完全に遵守す る場合
2PQ+6DRR 最優先キューと重み(バイト数)
付きラウンドロビン。ポート当た り 8 キュー。
最優先のキュー 8(Q#8)は,常 に最優先でフレームを送信しま す。キュー 7(Q#7)は,キュー 8(Q#8)の次に優先的にフレーム を送信します。キュー 8,7 にフ レームが存在しない場合,キュー 6〜1(Q#6〜Q#1)は各キューに 設定した比率(z:y:x:w:v:
u)に応じたバイト数でフレームを 送信します。
最優先キューに映 像,音声,DRR キューにデータ系 トラフィック
スケジューリングの仕様について次の表に示します。
表 4‒2 スケジューリング仕様
項目 仕様
キュー数 8 キュー
2PQ+6DRR キュー 1〜6 の重みの設定範囲 1〜254
4.1.4 ポート帯域制御
ポート帯域制御は,スケジューリングを実施した後に,該当するポートに指定した送信帯域にシェーピング する機能です。この制御を使用して,広域イーサネットサービスへ接続できます。
例えば,回線帯域が 1Gbit/s で ISP との契約帯域が 400Mbit/s の場合,ポート帯域制御機能を使用してあ らかじめ帯域を 400Mbit/s 以下に抑えてフレームを送信することができます。
ポート帯域制御は穴の開いたバケツをモデルとする,Leaky Bucket アルゴリズムを用いています。
ポート帯域制御の設定範囲を次に示します。設定帯域は回線速度以下になるように設定してください。設 定できない場合,運用ログが表示されポート帯域制御の設定は無効となります。
表 4‒3 ポート帯域制御の設定範囲(10BASE-T,100BASE-TX,1000BASE-T,1000BASE-X)
設定単位※1 設定範囲 刻み値
Gbit/s 1G 1Gbit/s
設定単位※1 設定範囲 刻み値
Mbit/s 1M〜1000M 1Mbit/s
kbit/s 1000〜1000000 100kbit/s※2
64〜960 64kbit/s※3
注※1 1G,1M,1k はそれぞれ 1000000000,1000000,1000 として扱います。
注※2 設定値が 1000k 以上の場合 100k 刻みで指定します(1000,1100,1200,…,1000000)。
注※3 設定値が 1000k 未満の場合 64k 刻みで指定します(64,128,192,…,960)。
表 4‒4 ポート帯域制御の設定範囲(10GBASE-R)
設定単位※1 設定範囲 刻み値
Gbit/s 1G〜10G 1Gbit/s
Mbit/s 1M〜10000M 1Mbit/s
kbit/s 1000〜10000000 100kbit/s※2
64〜960 64kbit/s※3
注※1 1G,1M,1k はそれぞれ 1000000000,1000000,1000 として扱います。
注※2 設定値が 1000k 以上の場合 100k 刻みで指定します(1000,1100,1200,…,10000000)。
注※3 設定値が 1000k 未満の場合 64k 刻みで指定します(64,128,192,…,960)。
バーストサイズの設定範囲を次の表に示します。
表 4‒5 バーストサイズの設定範囲
回線種別 設定範囲 省略時のデフォルト値
10BASE-T 100BASE-TX 1000BASE-T 1000BASE-X 10GBASE-R
4〜16Mbyte
(4kbyte 刻み)
8kbyte
Leaky Bucket アルゴリズムの特性によるバーストサイズの特徴を次の表に示します。
表 4‒6 バーストサイズの特徴
バーストサイズ 特徴
小さくする バーストトラフィックが比較的廃棄されやすい。通信をしていない状態でトラフィックを 送信した際,送信帯域の揺らぎが比較的小さい。
大きくする バーストトラフィックが比較的廃棄されにくい。通信をしていない状態でトラフィックを 送信した際,送信帯域の揺らぎが比較的大きい。
ポート帯域制御の対象となるフレームの範囲は MAC ヘッダから FCS までです。ポート帯域制御の対象範 囲を次の図に示します。
図 4‒2 ポート帯域制御の対象範囲
4.1.5 シェーパ使用時の注意事項
(1) パケットバッファ枯渇時のスケジューリングの注意事項
出力回線の帯域を上回るトラフィックを受信したとき,本装置のパケットバッファの枯渇が発生する場合が あります。そのため,受信したフレームがキューにキューイングされず廃棄されるため,指定したスケ ジューリングどおりにフレームが送信されない場合があります。
パケットバッファの枯渇については,show qos queueing コマンドの HOL1 カウンタがインクリメント されていることで確認できます。
パケットバッファの枯渇が定常的に発生する場合,ネットワーク設計の見直しが必要です。