2 EC に関わる法的問題についてのヒアリング結果
2.3 ヒアリング内容詳細
2.3.12 社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会
(1) 事業内容
社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(以下 ACCS)は、コンピュータソフト ウェアをはじめとしたデジタル著作物の著作権者の権利を保護すると共に、著作権の普及 活動を行い、コンピュータ社会における文化の発展に寄与することを目的として、調査研 究事業、著作権に関する相談受付事業、違法コピー根絶に向けた普及啓発活動等を行って いる団体である。
(2) ヒアリング内容
① ソフトウェアの頒布権に関する問題
中古ゲームソフトの販売において頒布権が消尽してしまうという判決が出ている が、中古ソフトウェアについてはどうか。中古流通によって著作者が権利を行使で きないことはソフトウェアのビジネスにとって大きな問題である
② シュリンクラップ契約の有効性について
シュリンクラップ契約(パッケージを破いたことで使用許諾内容に合意したとみ なす契約方式)において使用権という形でコントロールしているが、そもそもどこ までこうした契約が有効なのか。
③ 破産法の関係
ライセンサーが破産・倒産した場合のライセンシーの地位の保全という問題があ る。第三者がライセンサーの権利を引き継いだ際に、ライセンシーに対してソフト ウェアの使用を不可とする可能性もあり、金融機関等が使用しているコンピュータ ソフトウェアなどでは死活問題となる場合がある。米国ではライセンシーの地位に ついて一定の要件を満たせば第三者にも対抗できる制度がある。
④ オープンソースに関する問題
ソースコードを開示するか否かという問題と著作権制度のあり方には直接関係は ない。オープンソースのソフトウェアであっても著作権等の知的財産権の対象とな ることは明らかであり、それを前提に通常はGPL等のライセンス方式によって利用 行為や改変行為が可能になるようにカバーされているにすぎない。したがって、GPL 等のライセンス方式自体が有効であることが前提とされているが、この点には議論 がある。
⑤ インターネット・オークションでのオリジナルソフトの流通問題
最近ではソフトの CD がまるごとコピーされたうえで、オリジナルの方が流通す るという事態が生じている。ソフトのみオリジナルの所有権が移転された時には手 元のハードディスクにコピーを残すことは著作権法上違法であるが、現実問題とし てそれを確認するのは難しい。これが常態化すると、ソフトメーカーは開発費を回 収することが不可能となる。従来の著作権課金の方式(パッケージを売るときに回 収)では立ちゆかなくなるので、むしろこうした2次流通を前提として、「使われる」
たびに課金がなされるような仕組みを考えていく必要があるのではないか。課金シ ステムと連動させた仕組みが必要であろう。
⑥ 著作権のあり方について
情報のデジタル化により改変が容易になってきているが、情報の信憑性が低下し た時のリスクに対して、もっと真剣に考えるべきである。そういう意味では、著作 者人格権もっとフォーカスすべきではないか。
著作財産権の側面においては、著作権はどれだけ使われるかわからないところに ビジネスとしての妙味があり、使われるたびに著作者へ報酬が行くような形が望ま しい。そのためには、仕組み(ビジネスモデル)づくりが必要となる。例えば、頒 布権の集中管理等を行うことにより、中古ソフト流通からからうまく著作者に利用 料が分配されるようにする等。特にデジタル著作物のあり方として、今後、著作権 法だけで強固に守りを固めていくのは無理があり、いかに流通させて回収するシス テムを構築するかにかかっている。