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コンジョイント分析

表 3-1 プロフ ァイ ルの例

質問: 以下 のよう なレ クリエ ーシ ョン施 設が 実際に 整備 される とす れば、 あな たはど れ を 選 びます か?

プ ロ フ ァ イ ル 1 プ ロ フ ァ イ ル 2 プ ロ フ ァ イ ル 3 プ ロ フ ァ イ ル 4

駐 車 場 の 広 さ 5 0 台 2 0 台 1 0 0 台

遊 歩 道 の 長 さ 3 0 0 m 5 0 0 m 8 0 0 m

キ ャ ン プ 場 の 数 3 ケ 所 5 ヶ 所 2 ケ 所

魚 の 生 息 数 1 0 0 匹

現 状 の ま ま 2 0 匹

5 0 匹

利 用 料 金 1 0 0 0 円 3 0 0 0 円 5 0 0 0 円

一 つ を 選 択 □ □ □ □ 引 用 : 栗 山 浩 一 : エ ク セ ル で で き る コ ン ジ ョ イ ン ト (2000)

3-1-2 コンジョイント分析の手順

①評価対象の決定

①評価対象の決定

⑤本調査⑤本調査

④プレテスト

④プレテスト

③調査票の作成

③調査票の作成

②情報収集と事前調査

②情報収集と事前調査

⑦便益の推計

⑦便益の推計

⑥支払意思額の決定

⑥支払意思額の決定

コンジョイント分析は対象を広く適用可能

・複数の項目を評価対象とすることが可能

正確にシナリオを伝えるためにはフォーカスグ ループによるディスカッションが欠かせない

・多くの調査が議論の結果、調査票を修正

・現実的なシナリオが要求される

与える情報が多ければ多いほど良い訳ではない

・選択型が最も多い

・プロファイルは現実的か

・異なるプロファイルを示して望ましいプロファイルを聞く

本調査の10分の1以下で実施

・情報が正しく受け止められているか

・属性の数と設問の数とのバランスをチェック

・金額の設定は妥当か

・必要があれば複数回実施

一人の回答者に複数回の繰り返し調査を行う必要 がある

・サンプリングは偏りがないか

・郵送方式かインタビュー形式か

・提示価格があまりにも近すぎると推定が困難になる

主にロジットモデルにより推計

・無回答の取り扱いに注意

再検討

⑧結果の解析と報告

⑧結果の解析と報告

支払い意思額を母集団に拡大する

・母集団の範囲を適切に

①評価対象の決定

①評価対象の決定

⑤本調査⑤本調査

④プレテスト

④プレテスト

③調査票の作成

③調査票の作成

②情報収集と事前調査

②情報収集と事前調査

⑦便益の推計

⑦便益の推計

⑥支払意思額の決定

⑥支払意思額の決定

コンジョイント分析は対象を広く適用可能

・複数の項目を評価対象とすることが可能

正確にシナリオを伝えるためにはフォーカスグ ループによるディスカッションが欠かせない

・多くの調査が議論の結果、調査票を修正

・現実的なシナリオが要求される

与える情報が多ければ多いほど良い訳ではない

・選択型が最も多い

・プロファイルは現実的か

・異なるプロファイルを示して望ましいプロファイルを聞く

本調査の10分の1以下で実施

・情報が正しく受け止められているか

・属性の数と設問の数とのバランスをチェック

・金額の設定は妥当か

・必要があれば複数回実施

一人の回答者に複数回の繰り返し調査を行う必要 がある

・サンプリングは偏りがないか

・郵送方式かインタビュー形式か

・提示価格があまりにも近すぎると推定が困難になる

主にロジットモデルにより推計

・無回答の取り扱いに注意

再検討

⑧結果の解析と報告

⑧結果の解析と報告

支払い意思額を母集団に拡大する

・母集団の範囲を適切に

図 3 -1 コ ン ジ ョ イ ン ト 分 析 の 実 施 手 順 と 留 意 点

3-1-3 コンジョイント分析適用上の留意点( 2-1-4 CVMの再掲)

コンジョイント分析は前述のCVMと同様、実際には金銭取引が行われていないものを 対象として、人々の表明選好で金銭評価する。このため、調査方法において誤差(バイア ス)が入り込む可能性があることに留意する必要がある。

以下は CV Mでの バイ アスと 同一 の表で ある 。コン ジョ イント 分析 も表明 選好 による 分 析 である ため 、バイ アス も基本 的に は同様 のこ とが起 こり 得ると 考え るべき であ る。

ただし 、プ ロファ イル の選択 を元 にした コン ジョイ ント 分析で は、 シナリ オ伝 達のミ ス に よるバ イア ス等は 軽減 される 可能 性が高 い。

表 3 -2 コ ン ジ ョ イ ン ト 分 析 に お け る バ イ ア ス

項 目 名 内 容

対 象 財 が 供 給 さ れ る こ と は 決 ま っ て い る が 、 表 明 し た 金 額 に よ っ て 課 税 額 が 決 ま る の で あ れ ば 、 過 小 表 明 し よ う と す る 誘 因 が 働 く 。 課 税 額 が 一 定 で あ れ ば 、 逆 に 働 く 。

戦 略 バ イ ア ス

追 従 バ イ ア ス 質 問 者 や 調 査 機 関 に 喜 ば れ る よ う な 回 答 を し よ う と す る 。 開 始 点 の バ イ ア ス 最 初 に 示 し た プ ロ フ ァ イ ル の 金 額 に 影 響 さ れ る 。

範 囲 の バ イ ア ス 支 払 意 思 額 と し て 示 し た 範 囲 に 影 響 さ れ る 。 相 対 評 価 に よ る バ イ ア

評 価 対 象 と 他 の 財 と の 関 係 を 示 す と 、 そ れ が 影 響 す る 。 重 要 性 の バ イ ア ス 質 問 内 容 が 評 価 対 象 の 重 要 性 を 暗 示 す る と 回 答 に 影 響 す る 。

位 置 の バ イ ア ス

理 論 的 伝 達 ミ ス 掲 示 し た プ ロ フ ァ イ ル が 政 策 的 あ る い は 経 済 理 論 の 面 か ら 妥 当 で な い 。

評 価 対 象 の 伝 達 ミ ス 質 問 者 の 意 図 と 回 答 者 の 理 解 が 異 な る 。

状 況 伝 達 ミ ス 提 示 す る 仮 想 的 市 場 の 状 況 が 調 査 者 の 意 図 す る も の と は 異 な る 。

選 択 さ れ た 母 集 団 が 評 価 対 象 財 の 便 益 や 費 用 が 及 ぶ 範 囲 か ら み た と き に 不 適 切 。

母 集 団 選 択 バ イ ア ス サ ン プ ル 抽 出 枠 バ イ ア

サ ン プ ル 抽 出 に 用 い る デ ー タ が 母 集 団 の す べ て を 反 映 し て い な い 。

サ ン プ ル 非 回 答 バ イ ア

プ ロ フ ァ イ ル を 選 ん だ 回 答 者 と 選 ん で い な い 回 答 者 で 属 性 に 統 計 的 に 有 意 な 差 が あ る 。

サ ン プ ル 選 択 バ イ ア ス 評 価 対 象 に つ い て の 関 心 が 高 い ほ ど 有 効 回 答 が 高 く な る 傾 向 が あ る 。

時 間 選 択 バ イ ア ス 質 問 を 行 な う 時 期 に よ っ て 評 価 額 が 影 響 を 受 け る 。

地 理 的 に 離 れ て い る 評 価 対 象 の 支 払 意 思 額 を 不 適 切 な 順 序 で た ず ね て 集 計 し て し ま う ( 地 理 的 集 計 順 序 バ イ ア ス ) こ と や 複 数 の 評 価 対 象 の 支 払 意 思 額 を 不 適 切 な 順 序 で た ず ね て し ま う こ と

( 複 数 財 集 計 順 序 バ イ ア ス )。

集 計 順 序 バ イ ア ス

出 典 : 栗 山 (1997)、 環 境 経 済 評 価 研 究 会 (2001)を も と に 作 成

3-2 評価対象の決定

3-2-1 属性と水準の設定

コンジョイント分析では評価対象を設定した上で、評価対象に対してどのような視点か ら評価するのかという視点を表す「属性」(評価項目)と、その評価項目がどの程度の状態

(仮想状態)にあるかを定量的に示す「水準」を設定する。

(参考:栗 山浩一;EXCELで でき るコン ジョ イント 、環 境評価 フォ ーラム 研究 報告書 、2000)

コ ン ジ ョ イ ン ト 分 析 は 、ま ず 評 価 対 象 を 構 成 す る 属 性 を 決 定 す る 。例 え ば 、タ ン カ ー 事 故 な ど の 油 濁 汚 染 を 防 止 す る こ と の 価 値 に は 、海 水 浴 場 や 釣 り 場 な ど の レ ク リ エ ー シ ョ ン 地 の 保 護 、気化し た 油 に よ る に お い・め ま い な ど の 健 康 被 害 の 防 止 、干 潟 生 態 系 の 保 護 、漁 港 の 保 護 な ど が 考 え ら れ る 。こ れ ら が 油 濁 汚 染 対 策 の 属 性 に 相 当 す る 。ま た 、各 属 性 に は い く つ か の 水 準 が 設 け ら れ る 。例 え ば レ ク リ エ ー シ ョ ン 地 の 保 護 の 場 合 、 全 体 の 何 % を 保 護 す る か に よ り 数 種 類 の 水 準 が 考 え ら れ る 。表 3 -3 は こ こ で 用 い た 属 性 と 水 準 で あ る 。 属 性 や 水 準 の 設 定 に は 、 評 価 対 象 の 現 実 性 を 考 慮 す る が 、あ ま り 属 性 数 が 多 く な り す ぎ る と 回 答 が 困 難 に な る 。コ ン ジ ョ イ ン ト 分 析 で 使 わ れ る属 性 数 は 一 般 に 6 個 以 下 で あ る 。

引 用 : 栗 山 浩 一 ; E X C E L で で き る コ ン ジ ョ イ ン ト 、 環 境 評 価 フ ォ ー ラ ム 研 究 報 告 書 、 2000

(1) 属性 と水準 の作 成例

具体的 な事 業を対 象に 作成さ れた 属性と 水準 を 表 3-3 に例示 する 。 表 3 -3 属 性 と 水 準 の 設 定 例

属 性 水 準

① レ ク リ エ ー シ ョ ン 地 の 保 護 ( 保 護 さ れ る 割 合 ) 7 % 2 4 % 6 9 % 9 3 %

② 健 康 被 害 の 対 策

( ダ ミ ー ; 有 = 1 、 無 = 0 )

③ 干 潟 の 保 護 ( 保 護 さ れ る 割 合 ) 2 4 % 4 8 % 7 9 % 9 0 %

④ 漁 港 の 保 護 ( 保 護 さ れ る 割 合 ) 6 6 % 1 0 0 %

⑤ 負 担 額 ( 万 円 ) 0 . 5

3-2-2 調査範囲の設定(CVM 2-2-2 再掲)

調査範囲については、CVMと同様、既存の調査事例をもとに適切な集計範囲を想定す る。一般的にはデータの得やすさの視点から、この調査範囲を含む市区町村等を調査の単 位として設定する。また、より詳細な設定が可能な場合には、調査範囲を町丁目単位また は字単位としてもよい。

適切な集計範囲は、調査範囲を限度として、WTPの信頼性に関する要素を検証した上 で設定すべきである。

( 出 典 : 河 川 に 係 る 環 境 整 備 の 経 済 評 価 の 手 引 き ( 試 案 ) [別 冊 ]、 H12.6)

(1) 調査 範囲( 母集 団)設 定の 考え方

調 査範 囲の設 定は 、何を 評価 したい のか によっ て決 まって くる 。例え ば、 ある環 境 質 に 対して 当該 住民が 感じ る価値 を測 りたい 場合 は、地 域住 民が対 象に なる。 地域 住民ば か り で はなく 、距 離が離 れた 地域の 住民 にとっ て、 ある環 境質 が存在 する ことの 価値 を測り た い の であれ ば、 調査対 象を より広 げる 。全国 の動 向を調 べる 場合に は、 全国民 が母 集団と なる 。

北海道 十勝 地方を 流れ る札内 川を 守るた めに 、今後 5年 間だけ 日本 中の世 帯か ら寄 附を集 めて 基金を つく ると仮 定し ます。

(札内 川の 事例か ら)

( 「 札 内 川 の 清 流 の 価 値 」 H12.3、 北 海 道 開 発 局 を も と に 作 成 ) 上記 の事 例では 、日 本中の 世帯 から寄 附を 集める こと が前提 とな ってい る。 このた め 、 母 集団も 「日 本中の 世帯 」とい うこ とにな る。 したが って 、調査 の実 施範囲 は日 本中の 世 帯 の 中から ラン ダムに サン プリン グさ れる必 要が あり、 例え ば、調 査対 象の周 辺の みでこ の 調 査

(アン ケー ト)を 実施 し、日 本中 の世帯 の支 払意思 額と 考えて 日本 全体の 人口 で拡大 すれ ば 、 集計結 果は 現場に 近い 人のみ の支 払意思 額が 全国ベ ース で集計 され た、偏 った 結果が 得 ら れ てしま うこ とにな る。

(2) 収集 可能デ ータ と調査 範囲 (母集 団) の対応

CVM と同 様、コ ンジ ョイン ト分 析によ って 実際に WT Pを推 計す るため には 、調査 範 囲 から得 られ たサン プル での集 計結 果を母 集団 全体に 拡大 する必 要が ある。 この ため、 調 査 範 囲の設 定に あたっ ては サンプ ルデ ータを 母集 団拡大 する ため活 用可 能なデ ータ の制約 を 考 慮 する必 要が ある。

一般的 には データ の区 分上、 事前 調査や 既存 の調査 事例 等をも とに 、適切 な集 計範囲 を 想 定して おき 、この 範囲 を含む 市区 町村等 を単 位とし て設 定する のが 有効で ある 。(多 くの 事 例 では、流域 市町村 、周 辺市町 村、利用者 の居 住範囲 等を 集計範 囲と してい る)。より 詳細 な 設 定がで きる 場合に は、 調査範 囲を 町丁目 単位 または 字単 位とし ても よい。

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