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第 1 章 コミュニティワークの源流

第 4 節 小 括

以 上 の 歴 史 を 踏 ま え 、COSと セ ツ ル メ ン ト 運 動 に お け る コ ミ ュ ニ テ ィ ワ ー ク に つ い て 、 明 確 に な っ た 点 を 整 理 し て お き た い 。

ま ず 、COS の 活 動 の う ち 、コ ミ ュ ニ テ ィ ワ ー ク に つ な が っ て い く も の と し て 挙 げ ら れ る の は 、 設 立 目 的 で あ る 民 間 非 営 利 団 体 同 士 の 連 絡 調 整 と 協 働 機 能 と 、 中 央 審 議 会 を 中 心 に 繰 り 広 げ ら れ た コ ミ ュ ニ テ ィ ア ク シ ョ ン で あ る 。COS は 当 初 ロ ン ド ン を 中 心 と し た 組 織 で あ っ た が 、 や が て 地 方 都 市 に も 広 が り を み せ 、 慈 善

組 織 協 会 が 設 立 さ れ た 。 そ れ ら を 取 り ま と め た の が 中 央 審 議 会 で あ っ た 。 中 央 評 議 会 は 、 調 査 報 告 書 の 発 刊 、 書 籍 、 パ ン フ レ ッ ト 、 チ ラ シ の 発 行 、 新 聞 へ の 投 稿 を 行 っ た ほ か 、障 害 児 の 特 別 支 援 教 育 義 務 教 育 の 法 定 化 へ の 働 き か け を す る な ど 、 コ ミ ュ ニ テ ィ ア ク シ ョ ン も 行 っ た 。

次 に 、 セ ツ ル メ ン ト 運 動 に お い て コ ミ ュ ニ テ ィ ワ ー ク に つ な が っ て い く も の と し て 、 コ ミ ュ ニ テ ィ 教 育 と コ ミ ュ ニ テ ィ ア ク シ ョ ン が 挙 げ ら れ る 。 セ ツ ル メ ン ト 運 動 の 対 象 は 、COSと 同 様 に 、や は り 貧 困 問 題 で あ っ た が 、貧 困 の 要 因 を 低 賃 金 労 働 者 の 教 育 お よ び 文 化 的 素 養 の 欠 如 だ と み な し た 点 に 違 い が み え る 。 ま た 労 働 者 の 労 働 環 境 に つ い て は 、 構 造 的 問 題 で あ る の と 同 時 に 、 労 働 者 の 権 利 意 識 の 希 薄 さ に あ る と み な し た 。 ト イ ン ビ ー ホ ー ル で は 、 成 人 教 育 や 青 少 年 の た め の 余 暇 活 動 の 提 供 な ど 、 コ ミ ュ ニ テ ィ 教 育 を 中 心 に 、 住 民 の 組 織 化 を 行 い 、 活 動 を 発 展 さ せ た 。 ま た 、 教 育 活 動 を 通 し 、 労 働 者 に 権 利 意 識 を 育 て 、 労 働 者 自 ら が 行 動 で き る よ う 、 側 面 的 な 支 援 を 実 施 し た 点 は 住 民 主 体 性 の 尊 重 と い う コ ミ ュ ニ テ ィ ワ ー ク の 原 則 に 繋 が る 思 想 の 芽 生 え が み ら れ る 。

COS が 機 関 間 の 連 絡 調 整 と 団 体 の 代 表 者 ら に よ る コ ミ ュ ニ テ ィ ア ク シ ョ ン と 、 間 接 的 な コ ミ ュ ニ テ ィ ワ ー ク を 実 施 し た こ と と は 対 照 的 に セ ツ ル メ ン ト 運 動 は コ ミ ュ ニ テ ィ 教 育 や 自 助 グ ル ー プ の 組 織 化 、 労 働 組 合 の 支 援 な ど と 、 住 民 へ の 直 接 的 に 働 き か け る コ ミ ュ ニ テ ィ ワ ー ク を 実 施 し た 。 ど ち ら の モ デ ル や ア プ ロ ー チ も 20世 紀 に 入 る と 、政 府 の 社 会 政 策 と 結 び つ き 、様 々 な モ デ ル や ア プ ロ ー チ の 誕 生 に つ な が っ て い っ た 。

≪ 注 ≫

グ ル ー プ ワ ー ク の 歴 史 に つ い て は リ ー ド (Reid 1992) の 著 書 に 詳 し い 。

COSは 、1946 年 に 家 族 福 祉 協 議 会(Family Welfare Association )に 改 名 し 、 治 療 的 な 関 わ り が 必 要 な 家 族 に 対 す る ソ ー シ ャ ル ワ ー ク を 中 心 に 、 サ ー ビ ス を 提 供 し て き た 。2000 年 以 降 、家 族 福 祉 協 議 会 は 、政 府 が 導 入 し た 社 会 的 不 利 な 地 域 を 対 象 に 導 入 し た 親 子 向 け の 事 業 で あ る シ ュ ア ス タ ー ト (Sure Start) を 受 託 す る な ど 、 事 業 を 拡 大 し て き た 。2008 年 に は 、 団 体 名 の 見 直 し が 行 わ れ 、「 福 祉

(Welfare)」と い う 言 葉 を 取 除 き 、よ り 前 向 き な 名 称 に 変 更 す る こ と が 議 論 さ れ 、 フ ァ ミ リ ー ア ク シ ョ ン(Family Action)と 改 名 さ れ た 。フ ァ ミ リ ー ア ク シ ョ ン の ホ ー ム ペ ー ジ に は 、19世 紀 末 の 創 設 当 初 か ら 今 日 ま で の 歴 史 の 概 略 が 紹 介 さ れ て い る 。Family Action http://www.family-action.org.uk/home.aspx?id=11578, 2010年 8月 14日 ア ク セ ス 。

こ の 本 は 、 日 本 で も 、 阿 部 志 郎 監 訳 (1987)『 ト イ ン ビ ー ホ ー ル の 百 年 』 と し て 全 国 社 会 福 祉 協 議 会 よ り 出 版 さ れ た 。

ブ ー ス と ラ ウ ン ト リ ー の 調 査 内 容 に つ い て は エ バ ン ス (Evans 1978) の pp.158-261に あ る 記 述 を 参 考 に し た 。

フ ェ ビ ア ン 主 義 者 、自 由 主 義 者 、保 守 主 義 者 の 貧 困 観 に つ い て は 、マ ー シ ャ ル

(Marshall 1970) を 参 考 に し た 。

少 数 派 報 告 に つ い て は 、 ウ ェ ッ ブ (Webb 1909) を 参 照 し た 。

COSに つ い て は ボ サ ン ケ (Bosanquet 1914) を 参 考 に し た 。 日 本 で は 高 野

(1985) の 研 究 に 詳 し い 。

こ の 部 分 に つ い て は 、 市 ノ 瀬 (2004) が pp.141-142に お い て 、Charity Organization Society 1stReport of Council 1870を 引 用 し て 述 べ た も の を 参 考 に し た 。

ウ ッ ド ル ー フ の 著 書 の 中 で は 、コ ミ ュ ニ テ ィ ワ ー ク で は な く 、コ ミ ュ ニ テ ィ オ ー ガ ニ ゼ ー シ ョ ン と い う 用 語 を 使 っ て い る 。

1 0 オ ク タ ビ ア・ヒ ル の 事 業 に 関 し て は マ コ ー ネ ル(Morrell1996)を 参 照 に し た 。

1 1 セ ツ ル メ ン ト 運 動 は 第 一 次 世 界 大 戦 に 転 機 を 迎 え る 。 セ ツ ル メ ン ト は 社 会 に 変 革 を も た ら す た め に よ り 公 的 な ア ソ シ エ ー シ ョ ン を 必 要 と し て い た こ と か ら 、 1920年 代 に 2 つ の セ ツ ル メ ン ト の ア ソ シ エ ー シ ョ ン が 誕 生 し た 。1920 年 に 全 国 居 住 セ ツ ル メ ン ト 協 会(British Association of Residential Settlement)が 、1922 年 に 国 際 セ ツ ル メ ン ト 連 盟 (International Federation of Settlements) が 設 立 さ れ た 。 全 国 居 住 セ ツ ル メ ン ト 協 会 は 後 に 新 興 住 宅 委 員 会 と 協 働 し て コ ミ ュ ニ テ ィ ア ソ シ エ ー シ ョ ン 運 動 を 展 開 し た 一 方 、 教 育 型 セ ツ ル メ ン ト は 主 と し て 成 人 教 育 の プ ロ グ ラ ム を 実 施 し た 。 ど ち ら の セ ツ ル メ ン ト も 目 的 は 同 じ で あ り 、 お 互 い 密 に 連 携 を と っ た 。 そ し て ど ち ら も 全 国 組 織 と し て 連 携 し 、 国 際 的 な 組 織 と つ な が っ て い っ た 。

1 2 現 在 は ブ ラ ッ ク フ ラ イ ア ー ズ セ ツ ル メ ン ト(Blackfriars Settlement)と 改 称 し て い る 。

1 3 現 在 は パ ス モ ア ・ エ ド ワ ー ド ・セ ツ ル メ ン ト (Mary Ward House and the Passmore Edwards Settlement) か ら 改 称 さ れ 、Marry Ward Houseと し て 活 動 し て い る 。

1 4 こ の 部 分 の 記 述 は 、 ジ ョ ン ソ ン (Johnson 2001)p.73を 筆 者 が 要 約 し た 。

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