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図7。1 仕様発散防止QFDの成果物
まず,「②一1ニーズー覧の作成」と「②一2ニーズの重み付け」を行う.顧客 がどのニーズを重視しているかを評価し,その評価をもとにニーズの重み付けを
算出する.
次に,あらかじめ作成した機能一覧と,今作成したニーズー覧表をもとに機能 とニーズの関係評価を行い,機能の重要度を算出する.機能の重要度の算出方法 は,ニーズの重要度と機能・ニーズ間の対応強度をもとに,独立配点法で算出す る. この重要度は顧客ニーズとの関連性の高さを示すもので,重要度の高い機 能ほど顧客からの注目度が高いと考えられる.
(2)機能複雑度
各機能の複雑度を,刀個の評価項目を評価し算出する.機能複雑度は,その機 能が持つ難しさを示した値であり,機能の特性やシステムインタフェースの有無
などで評価する.
n個の評価項目のウェイトを乗算することにより,次式の機能複雑度を求める.
(機能複雑度)=(機能重要度)× 按 エ
×…×娩 @
エ )機能複雑度係数
(3)対策要求度の算出
各機能の対策要求度を,m個の評価項目を評価し,次式により算出する.
(機能対策要求度)=(機能複雑度)×(第1ウェイト)×…×(第mウェイト)
機能対策要求度係数
7.4 仕様発散防止QFDの活用方法
各機能の対策要求度により,ソフトウェアの備えるべき多くの機能の中で仕様 を早く決定すべき機能はどれかを把握したり,仕様が収束していかない機能を検 出することができる.
機能の対策要求度が高いという現象は,その機能に何らかの対策が必要である という警告であり,対策内容は,プロジェクトの状況により異なる.この警告を 契機に,管理者は,担当者からのヒアリング等により問題の根本原因を把握し,
対策する必要がある.
(1)対策要求度が高い場合
作業者のスキルを含め,現状体制で十分かどうか確認する.
(2)対策要求度の推移が思わしくない
対策要求度の判定を複数回実施した場合,前回より上がっている,下げ幅が小 さい,変化がない,などの問題が浮かび上がる.これらに対して,原因を至急究 明することが必要である.体制,スキル,顧客などに何らかの問題がある可能性
が高い.
問題数の推移(異常に増加,解決が非常に少ない等),進捗報告と比べて矛盾が ないか,にも着目する.
(3)品質表が作成できない
機能一覧が作成できない,機能複雑度や対策要求度を算出するための評価項目 の評価ができないプロジェクトでは,プロジェクト管理ができていない,実態を
把握している人がいないという問題がある.また,プロジェクトの初期段階では,
品質表を作成できない場合もあるが,機能一覧他システムとの関係,仕様提示 度合,問題解決状況を明らかにし,できるだけ早期にこの品質表*を作成するこ
とが必要である.
7.5 適用効果
仕様発散防止QFDの適用により,以下の効果がみられた.
(1)的確な対策優先順位付け
仕様発散防止QFDを適用した複数のプロジェクトについて,担当者へのアン ケートで「機能複雑度や対策要求度は,その時点でプロジェクトの主要な問題が
どこに潜んでいるかを的確に示したと思うか」という問いに対し,「そう思う」と 回答した割合が90%に達した.また,定められた納期を達成できなかったプロジ ェクトは30件中2件で6%程度しかなかった.これらの事実から,仕様発散防止 QFDが的確な対策優先順位付けに効果を発揮し,結果として納期遅延を防いでい
ることがわかる.
(2)可視化
プロジェクト全体をいくっかの機能に分類し,それらの状況をA3程度の大き さにまとめることで,プロジェクト全体の状況把握が容易に行えるようになり,
問題箇所の発見がスムーズに行えるようになった.この点は,特にプロジェクト 管理者や,より上位の管理者から高い評価を得ている.
(3)適用効果の小さかったケース
アンケートで「機能複雑度や対策要求度は,その時点でプロジェクトの主要な 問題がどこに潜んでいるかを的確に示したと思うか」という問いに,「そうは思わ ない」と回答したプロジェクトが10%あり,調査した結果,下記の2つの場合で あることが判明した.
(a)どの機能も対策要求度が高い場合
(b)認識どおりの結果である場合
(a)の場合は,特定部位の対策でなく,全体的な根本対策が必要であること を示しており,また(b)の場合は,スキルの高くない技術者,管理者でも仕様
*品質表:通常,縦の見出しに要求品質(顧客ニーズ)を列挙し,横の上段に代 用特性(製品の機能)を並べ,両者の対応を表現した2元表である.
発散防止QFDを適用することで,同様の認識をもつことができ,効果は大きい
と判断できる.
7.6 まとめ
仕様発散防止QFDは,定量化,可視化,重点化指向といったQFDの特徴を生 かし,QFDの適用が進まなかったプロジェクト管理の分野にも適用でき,非常に 効果の大きいものであると評価できる.今後もこの方式を発展させていくととも に,これを機にプロジェクト管理の定量化,可視化,重点化指向を進めて行きた
い.