第 2 章 10012 の5Sとコーチングの方法
2.3 グループコーチングの例
1)役職者による職場に適した5Sの説明
役職者:Z製造部長、コーチ:Cコーチ(外部からのプロコーチ),参加者:
U君、V君、W君、Y君によるグループコーチングを会議室で行う。
(アイスブレークの部分は省略)
C 「Z部長さんに測定器の5Sの経験談を聞かせてもらいましょう」
Z 「早速だけど、U君の職場のマイクロメータと工具の置き場のことだけど、
あれは使いにくいよ。早く直した方が良いよ。U君はどう思っているか」
U 「僕もそう思っていますが、うまい方法がなくて」
Z 「そうだろう。ほかでも使いにくい所はないか」
V 「僕の所もあります」
Z 「君の所は、使いにくいにしても少し状況が違うと思うよ」
少し、沈黙が起きる
W 「僕の所は、刃具の摩耗が早くて、測定器のことよりも刃具 の摩耗の方が気になります」
Z 「確かにそうだが、刃具の摩耗が早いと寸法を確認することが多くなるから、
測定器の置き場も関係するよ」
Y 「僕の所は問題ないです」
Z 「Y君の所もU君と同じ問題があるよ」
Y 「はい」
少し、沈黙が起きる
C 「U君はうまい方法がないと言っているし、Z君は内容がわかっていないし、
Y君も内容の理解が違うようだね」
Z 「今まで、この状態は説明する時間がなかったので、しかたがないな」
C 「Z部長、教えてもらえませんか」(リクエスト)
Z部長が説明する(ティーチング)
Z部長より測定器と刃具の置き方の指導を受けて、Cと、U、V、W、Yで 全員の職場を巡回して、各職場の状況を理解し合ってから、職場では機械の音 が激しく改善のアイデアが起きにくいので会議室に戻って、U君に対して個別 のコーチングを行います。
☆コーチングのポイント
「Z部長、教えてもらえませんか」と依頼すれば依頼した方はよく聴くので 説明がムダになりませんし、押しつけにもなりません。Z部長に会社の方法を 説明してもらい、個別コーチングでZ部長のやり方をコーチの測定の専門技術 で補足しながら進めることができます。
2)個別コーチングの例
CコーチとU君の個別コーチングの例。
C 「では、Z部長の説明は、どういう具合にやると良いということでしたか」
(全体の事を考えるためのオープンクエスチョン)
U 「測定がキチンとできるようにするとのことでした」
C 「キチンと測定するということはどういうことです か」(チャンクダウン)
U 「正しく計ることだと思います」
C 「そうです。ではU君の現場で正しく計ることはど うすることですか」
U 「この測定台にある測定器は、定期検査ができてい るので正しい測定器ですから、汚れていないこと、
正しく持つこと、油が付いていないこと、丁寧に計ることだと思います」
C 「そうだと思いますが、Z部長の説明の測定器の正しい持ち方が早くできる 方法と、刃具の置き場所をどのようにしますか」
U 「よくわかりません。何かよい方法はありませんか」
C 「その説明する前に確認ですが、Z部長の目的は早く正しく計ることでした ね」
U 「わかりました。刃具の置き場をこちらへ移せば、測定器が取りやすく置き やすくなり、そして早く正しく計れます」(目的の絞り込み)
C 「なるほど。その場合に測定器を持つ手は右か左か、どちらにしますか」(ク ローズドクエスチョン)
U 「作業の流れからすると左になります」
C 「それは、スムーズな流れですね」(承認)
この後から、V君,W君,Y君の個別コーチングを行い、最後に全員で状況 を話し合って本日のコーチングを終了します。この方法を 6 か月間繰り返して 該当職場の測定の5Sコーチングを完了させます。
◎コーチングのポイント
個別コーチングで、Z部長の方法にコーチの測定の専門知識を加えて個々の 職場に適した方法ができるようにコーチングします。
- 測定一口メモ 7 - 5S技術の必要性
中国の品質管理の視察の時にT社で、5S時間を設定して全員で5Sを行っ ていたが、成果が出なかったので本社から5Sの技術者に指導にきてもらった ら成果が出たという説明を受けて、5Sの技術力の重要性を再認識した。
広州の地下鉄の駅 記念写真 中部品質管理協会 中国視察団(2007/03)