第 3 章 課題解決のプロセスの概要 10
4.1.11 グッズ
グッズ関連活動には
• 既存のグッズの販売・管理
• 新グッズの計画立案・製作
という大まかに分類すると2つのないように分けることができる。
・既存グッズの販売・管理
既存グッズにはIKABOプロジェクターボールペン(図4.7)、IKABOカンバッジ(図4.8)、 IKABOキューピーストラップ(図4.9)の3種類が在庫としてあった。これらの在庫管理も グッズ関連活動の一部である。まず、プロジェクト活動開始時期に引き継いだグッズの在庫の数を チェックした。数をチェックすると同時にグッズに不良品が混じっていないか検査も兼ねた。結 果、数本のIKABOプロジェクターボールペンが点灯不良となっていることがわかり、サンプル 品として活用していくためにプロジェクトで買い取った。これらのグッズを各種イベント時に販売 していった。
花と緑のフェスティバル終了時点でIKABOキューピーストラップの在庫が残り3個となって いたため、大学で新しく個数を注文するかの選択を迫られた。プロジェクト内で話し合った結果、
IKABOキューピーストラップは販売価格がIKABOプロジェクターボールペンより高いが、
IKABOプロジェクターボールペンの方が視覚的なインパクトが大きく、需要量ではIKABO プロジェクターボールペンに劣ると考え、IKABOキューピーストラップは絶版にすることに決 定した。ただし絶版といっても今年度の再発注をしないだけで、昨年度のグッズ販売委託先である 函館空港には在庫が残っているとの話だった。イベントでの売れ行きを見ているとIKABOプ ロジェクターボールペンの売れ行きが好調で、来年、再来年と主力商品として販売されていくだろ う。このIKABOプロジェクターボールペンはさらに販売箇所を拡大し、より広い範囲で販売し ていただけるように委託販売できるお店を探すことも一つのグッズ販売計画である。今年度は新 グッズ計画に時間を割いていたため新たな販売先を探し、委託している暇はなかった。
図4.9 プロジェクターボールペン
図4.10 IKABO缶バッジ
・新グッズの計画立案・製作
今年度の活動計画目標に、新しいグッズの製作を行うという目標があり、5月中にどのような グッズを製作するかという意見を出し合った。
はじめに出た意見は業者のカタログから商品を選び委託して大量(1000個単位)に注文する という案だった。この意見は実現可能性という観点からいうときわめて簡単であり、完成の手ごた えが弱いという意見と独創性に欠けるという意見が出たため却下となった。
次に出た意見はIKABOトランプを製作する、というものだった。こちらも製作する場合は業 者に頼むことになるので実現可能性に関しては簡単な方であり、絵柄を工夫することで独創性も出 すことが可能であったが、需要があるのか、という意見が出たため、話し合いの結果こちらも却下 となった。
図4.11 IKABOキューピーストラップ
そして、採用された意見が飲料製品を作るというものだった。グッズとして飲料製品を売り出す 理由は、需要量が他のグッズと比べて遥かに大きいからである。一度買ってしまうと使い切ったり 破損したりしないと新しい商品を買わない従来のようなボールペンやカンバッジとは違い、消費す る前提の商品なので、リピート購入が見込める。従来のグッズよりも安価に提供できるため、消費 者も手に取りやすいのでは、と考えたためである。また、本プロジェクトの今までの活動記録上は 食品の販売を行ったことは一度もなかったため、新しい経験をしてみたいという意見もあった。
しかし、食品を扱うためには食品衛生法などの法律、保健所の指導など従来のグッズ製作とは違 う手間もかかる。そこで本プロジェクトでは函館食品衛生協会に意見を伺った。その結果、大学内 で食品を作るには多大な手間とコストがかかるので、飲料製品を生産している会社にグッズ飲料の 生産を依頼することが現実的であろうというアドバイスを受けた。
ここまでの期間で
• 今年度のグッズは飲料製品にする。
• 大学内での生産はせず、飲料製品製造会社に生産を委託する。
という方針となった。
7月に入るとより具体的な内容を決定していった。飲料製品の中身に関しては 1. 函館市水道局に許可を取り、函館市の上水道水を詰めて販売するという案
2. 北海道内で広く親しまれている「ガラナ飲料」をガラナ飲料製造会社に許可を取って詰めて 販売するという案
という2つの案が出た。それぞれに対し実現可能性を検討した。
この案は函館市の上水道水を容器につめる装置がないため、物理的に不可能という意見が出たた め廃案となった。
この案が実現可能か、函館市に本社を構え、主に北海道内でのガラナ製品を出荷、販売を行って いる株式会社小原様(以下、小原)にお話を伺った。その結果、既存の小原の飲料製品といかロ ボットがコラボレーションして、以下の条件下であれば特別版ガラナ飲料(以下、IKABOガラ ナ)として販売することであれば可能である、とのお返事をいただいた。
• ラベルのデザインを所定の様式で提出すること。 item 生産した飲料製品は全て本プロ ジェクト側が買い取ること。ただし、小原が生産したIKABOガラナの売り上げの一定比 率で折半することで小原がIKABOガラナを買い取りなおし、販売を小原へ委託すること も可能。
このグッズ製作を実現するため、次にラベル案の製作に着手した。
ラベル案としてまずIKABOのロゴをAdobe illustrator CS4を作成した。しかし、慣れな いデザイン作業のため、商品として販売するクォリティにたどり着くには相当の時間がかかると考 えたため、プロジェクト外部の協力者にラベルのデザイン製作を依頼した。
まず、ラベルの中核となるIKABOを描いていただき、メインデザインとした。(図4.10)
図4.12 IKABOラベル草案
このメインデザインを描画ソフトウェアSAIなども活用し、色彩をつけていった。柳先生に見 ていただき、アドバイスを仰いだところ、メインデザインなので色味は強めがいいとのアドバイス をいただいた。アドバイスどおり色味を強めに彩色していった。(図4.11)
図4.13 IKABOガラナラベル改良案
さらによりラベルに近い形になるように本物のラベルと同じ縮尺の長方形の紙にデザイン案を聖 書していった。配色とロゴを付け加えた方が良いと考え。具体的には、背景は透明にし、帯状に暖 色を配置するその点に関してさらに改良をしていった。未来大学開学10周年記念冊子上のロゴ マークも著作者である柳先生の許可を得て貼り付けし、いくつかの最終案をまとめた。(図4.12)
図4.14 IKABOガラナラベル最終案
ラベル案完成まで、直接描画ソフトウェアを多岐にわたって活用したわけではないが、暖色を用 いること、メインの絵の色味を強めること、などの目立つ広告に必要な視覚的知識を得ることがで きた。
しかし、グッズ製作にかけられるプロジェクトの予算と、売り上げに対する利益率の悪さ、そし て食料品であるがゆえに販売する期間も短く、売り捌けないと赤字になってしまう、などの数々の 懸念が出たため、プロジェクト内で広く話し合いをした結果、IKABOガラナ生産・販売を小原 に委託する案は2012年12月現在で白紙にもどる形となった。
具体的には、ガラナ飲料製品は生産する場合、逐次生産方式ではなく一括生産方式のため、一度 に大量の製品を生産しないとコストが非常に高くなってしまうということがわかった。例を挙げる と、5000本を一度に生産する場合、1本あたりのコストが約110円に、1万本であれば1本 のコストが約90円に、とかなりのハイリスクであった。利益を鑑みない場合であれば特に問題は ないが在庫の販売、管理を小原に委託する予定であったため、小原の利益が薄利となってしまうの は明らかであった。このことから生産委託先の小原に迷惑がかかる恐れがあったため、計画を白紙 に戻した。
このように、今期の本プロジェクトの活動において、新グッズ関連の成果物は採用予定であった ラベルデザイン以外は何も創り出すことができなかった。このような失敗が二度と起こらないよう に、原因を究明し次年度以降の活動へつないでいくことが大切であると考える。
新グッズ製作を失敗した大まかな原因は 1. 計画性
2. 学外の組織との関係の意識の薄さ である。
計画性について
今回の飲料製品製作計画には「どの工程を経て完成まで進めるか」というステップの設定と「各 ステップの期限」を決めずに活動をしていた。この結果、小原を正式に訪問した時期が10月初旬 とプロジェクトの後期になってしまっていたり、ラベル案をまとめるころには11月下旬となって しまっていた。もし予算面の問題がなく商品化が進んでいたとしても12月初旬の最終発表には間 に合わない速度であった。
このような事態にならないためにはプロジェクト開始時の会議期間でしっかりと商品完成・販売 を最終項目とした工程を先生の指導の下でしっかり組み上げ、そのプロセスを複数人の担当者で分 担し、情報共有を円滑にしながら連携して進めることが必要である。
学外の組織との関係の意識の薄さについて
今回のグッズ製作では、飲料製品を扱うということで民間企業に生産を委託する形態をとる予定 であった。ここで、民間企業と連携しているので、少なからず利益について考え、赤字にならぬよ うに計画を立てる必要があった。しかし、プロジェクト内でのグッズ製作活動という視点を重視し 企業との連携という視点を軽視していたため、実際に連携を取る前に計画断念という結果に終わっ てしまった。
このような事態にならないためには、グッズ製作にどのような手段・方法を用いるのかを明確に し、そのために必要な作業や人員、技術やコストのことを考えた計画をしっかりと立てる必要が ある。
総じて、何事もプロジェクトを進めていくときは、誰もがわかるしっかりとした計画を立て、期 日や工数をしっかりと定めて活動していく必要があることを学習した。今回のようなはっきりとし