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キーデバイスの戦略拠点

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最先端の半導体生産拠点「長崎 Fab 」徹底レポート

31 世界最先端の半導体工場

 長崎

Fab

は、㈱ソニー・コンピュータエンタテ インメント(

SCE

)の半導体生産拠点として設立 され、 プレイステーション

2

PS2

)向けの高 性能描画プロセッサ グラフィックス・シンセサイ ザ (

GS

)をはじめ、

PS2

LSI

群の生産を行っ てきました。

2000

年春に

Fab1

2001

年春に は

Fab2

が稼働を開始し、常に最先端の半導体 生産設備を導入してきました。

Fab

1と

Fab2

に は合 計

3

つのクリーンルームがあり、現 在、

Fab1

では直径

200mm

の半導体ウエハに対 応した

0.18

0.15

マイクロメートル(μ

m

1

μ

m

1mm

1,000

分の

1

)・プロセスの生産ラ インが、

Fab2

上層階では同じく直径

200mm

ウエハに対応した

90

ナノメートル(

nm

1nm

1

μ

m

1,000

分の

1

)・プロセスの生産ライン が 稼 働しています 。

2004

年 春 の 時 点で、

90nm

プロセスで本格的な量産を行っているの は世界の半導体業界でもわずか数社であり、長 崎

Fab

は、業界屈指の半導体工場として世界 に知られています。

ソニーグループの戦略拠点としての位置づけ  ソニーグループでは、

2003

11

月、ソニー

㈱内にセミコンダクタソリューションズネット ワークカンパニー(

SSNC

)を設立し、半導体の 開発・設計などを含め、グループ内の半導体戦 略を統合的に進める体制を構築しました。この 体制をさらに強化し、グループ内の半導体生産 を統合的に運営する体制を築くべく、

2004

7

月には

SCE

の半導体製造事業と、ソニーグ ループの半導体生産会社であるソニーセミコ ンダクタ九州㈱(

SCK

)の半導体製造事業を 統合する(半導体製造事業は

SCK

が継承)計 画です。

SCE

SCK

は、これまでも生産オペ レーションや人材・技術両面での相互協力など で密接な関係を築いてきましたが、今回の統合 により、これらを強化し、より効率的かつ円滑な 半導体供給体制を構築します。

 ソニーグループは、この長崎

Fab

に、

2004

3

月までに累計約

2,900

億円の設備投資を 行い、世界最先端の半導体製造プロセス技術 を取り入れてきました。

2003

年度からは、次世 代のデジタル・コンスーマー・エレクトロニクス

やコンピュータエンタテインメント・システムの 核となるプロセッサ群の供給に向けて、

Fab2

下 層 階 に 直 径

300mm

ウエハに対 応した

65nm

プロセスの生産ラインの導入を始めて います。

65nm

プロセスに対応したプロセッサ の量産体制を確立することにより、長崎

Fab

の 半導体生産の戦略拠点としての重要性がます ます高まっています。

業界のスタンダードを塗り替えた 工場の立ち上げスピード

Fab1

の建設は

1999

年春から始まりました が、

2000

3

月に発売を控えた

PS2

向けに大 量の半導体を供給するため、当時の常識を覆 すスピードでの製造ラインの立ち上げが必要 でした。

Fab1

クリーンルームの立ち上げに要 した期間は、わずか

5

ヵ月半。生産設備の設置 とプロセスの立ち上げを含め、

9

ヵ月で試作が できるまでに工期を短縮しました。これは従来 の半導体業界の標準的な工期の約半分であ り、それ以降、半導体工場立ち上げの業界標

準が一変しました。

クリーンスーツと呼ばれる防 塵 服に身を包んだスタッフ パッケージング後の電 気 特 性 検 査

LSI製 造 過 程の200mmウエハ LSI製 造 工 程の 途中で行われるウエハ外 観 検 査

業界標準を上回る高い生産性

 長崎

Fab

は半導体の生産性においても業界 をリードしています。この高い生産性は、

SMIF

(スミフ:

S t a n d a r d o f M e c h a n i c a l Interface

)方式と呼ばれる新しい生産システ ムのいち早い採用・導入と、

PS2

という全世界 に大量に出荷される最終製品の存在により可 能になりました。

 超微細半導体の製造工程においては、空 気中に存在するほんのわずかなゴミが致命傷 となります。そのため、従来は半導体製造設備 内の空気をクラス

1

1

立方フィートにダストが

1

個)という高レベルのクリーン度に保っておく 必要があります。これに対して、長崎

Fab

で 採用された

SMIF

方式は、従来のように製造ラ インが置かれた室内全体を一律にクリーン化 しようとするのではなく、製造装置の内部と原 材料のウエハを収納する

SMIF

ポッド内のみを 局所的にクラス

1

にする技術です。これにより、

製造装置の配置や工程管理などで自由度が 大幅に増加し、装置の稼働率の向上や高い 生産性を実現しています。

PS2

は発売からわずか

4

年で累計

7,000

万 台を超える出荷を記録し、引き続き高水準の出 荷を維持しています。長崎

Fab

は立ち上げ当初 から

PS2

の核となる半導体の一つである

GS

の 生産を担当してきましたが、

PS2

の旺盛な需要 に対応するため、継続的に生産性を向上させ 安定的かつ大量に生産・供給する必要があり

ました。

GS

DRAM

混載

LSI

という種類の半 導体で、通常のロジックLSIに比べて複雑です が、長崎

Fab

では、

GS

に代表されるような特定 の半導体を大量に生産する強みを活かして、集 中的に製造工程の改善を行うことにより世界 最高水準の生産性を達成しました。

 生産性の向上に貢献している取り組みに は、他社の追随を許さない品質評価・解析シス テムによる製造工程途中の徹底した品質モニ タリングも挙げられます。工程での異常に対す る検出感度を上げ、異常が発生すれば即時に 対応することにより、工程内での品質と生産性 の向上を図っています。

半導体プロセス技術を考慮した 最適な生産戦略

 長崎

Fab

では、各生産ラインの半導体プロ セス技術を考慮に入れ、最適な生産戦略を立 案、実行しています。現在、

Fab1

0.18

0.15

μ

m

プロセスでは、

PS2

LSI

群をはじめ、

テレビの高画質回路 ベガエンジン やビデオ カメラなどの

AV

機器向け

LSI

群を生産していま す。近い将来、このプロセスを使って、需要の 拡大が見込まれるモバイル機器向けの

CMOS

イメージセンサの製造にも着手する計画です。

Fab2

上層階の

90nm

プロセスでは、

PS2

向 けに開発された

128

ビット

CPU

エモーションエ ンジン (

EE

)と

GS

1

チップ化した最先端半 導体(現在

DVD

レコーダー

PSX

に採用さ

れている)を生産しています。この半導体に集 積されているトランジスタは

5,350

万個を数え、

一層の低消費電力化とコストダウンを実現して います。さらに、ここでは

2004

年度に発売を予 定している携帯型ゲーム機 プレイステーショ ン・ポータブル (

PSP

)向けの

CPU

も生産され る計画となっています。

Fab2

下層階に導入を進めている

65nm

プロ セスの製造設備には、

SMIF

方式の発展型であ る

FOUP

(フープ:

Front Opening Unified Pod

)方式を採用しています。加えて、自動搬送 システム(

AMHS

Automated Material Handling System

)と工程管 理システム

M E S

M a n u f a c t u r i n g E x e c u t i o n System

)の統合による完全自動化も進めて います。この最先端プロセスでは、次世代のデ ジタル・コンスーマー・エレクトロニクスやコン ピュータエンタテインメント・システムの核となる 最先端プロセッサ群の生産を予定しています。

局 所クリーン化を実現するSMIF方 式 SMIF方 式で使 用される専 用の搬 送 用ボックス 超 微 細 加 工をささえる生 産 設 備

33 最先端の省エネ・環境技術を導入

ゼロエミッションも達成

 長崎

Fab

では、「人、地域との共存、調和

( 禁止物 を絶対に含まない製品づくり)」

「環境負荷の軽減」の

2

つをスローガンに、半 導体ビジネスにおける先進の環境保護技術や ノウハウの導入、実践を行っています。環境保 全活動の具体的なアクションとして、廃棄物の 再資源化率を

99.8%

までに高め、廃棄物を出 さない「ゼロエミッション」にも取り組んでいま す。純水や薬液を多量に使う半導体工場では ファシリティ管理が重要となりますが、長崎

Fab

では敷地内の

3

つの大きな段差を活かし、高低 差を利用した廃液処理系配管を行い、ポンプ の消費電力を

20%

削減しました。また、前述 の局所クリーン化技術、

SMIF

方式の採用も 消費電力の削減に貢献しています。

ソニーグループの競争力向上に向けて  長崎

Fab

は、徹底した品質検査と生産現場 への十分なフィードバック、

SMIF

方式による工 程管理面での高い自由度、そして大量に生 産・出荷される製品アプリケーションをソニーグ ループ内に保有する強みを最大限に活かし、

短期間で世界最先端の半導体生産拠点にな るとともに、業界をリードする生産性を実現し、

さまざまな技術ノウハウを蓄積してきました。こ れらは長崎

Fab

という一つの拠点内にとどまら ず、ソニーグループにおけるデジタル・コンスー マー・エレクトロニクスやコンピュータエンタテイ ンメントビジネスの今後の展開にとっても、欠か せない要素であり、大きな武器になっています。

300mmラインに導 入された自 動 搬 送システム 300mmウエハを収 納するFOUP 超 高 純 度の純 水 精 製 装 置

「長崎Fab」概要

所在地:長崎県諫早市

総敷地面積:99,000平方メートル

クリーンルーム面積:

Fab1 / 11,120平方メートル Fab2 / 20,000平方メートル

ウエハ月産処理能力(200mm Fab1 / 12,000枚 

Fab2 / 9,000*

*Fab2下層階の次世代生産設備の処理能力は含まれて いません。

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