Torigea straminea 環境省カテゴリー: ――
選定理由 九州から青森県を経て北海道南部まで産する 日本特産種である。幼虫はブナ、イヌブナを食する。香 川県内唯一のブナ自生地である、大滝山山頂付近のみに ごくわずかに産する。
形 態 前翅は灰緑色で中型である。近縁4種と特別が 困難である。本種は前翅にある外縁線、内横線などが他 種より明瞭である。雄の触角の櫛が長い。雌は糸状。
生息環境 幼虫の食樹の関係から、ブナ林が生息環境と なっている。
分 布 九州から北海道南部まで産する。四国でも徳島 県剣山のような中央山地にあるブナ帯には普通に産する
が、県内では大滝山山頂付近のみにわずかに産する。
現 状 県内唯一のブナ自生地である、大滝山山頂付近 のみにわずかに産する。
危険性・絶滅の要因 大滝山山頂付近は冷温帯樹林地帯 であるが、食樹のブナ、イヌブナもわずかであり、危機 的な状況である。林周囲の道路等の開発による乾燥化や 人工造林の圧力が常に懸念される。
文献 107、239、252
(増井武彦)
選定理由 香川県内唯一のブナ自生地である、大滝山山 頂付近のみに生息し、8月下旬にごくわずかに産するに 過ぎない。
形 態 前翅は全体に暗い茶色で、ぎざぎざした外横線 の外側の淡褐色が目立つ。黒い腎状紋が特徴的である。
生息環境 県内唯一のブナ自生地である、大滝山山頂付 近のみにわずかに産する。
分 布 九州から青森県まで産する日本特産種である。
四国山地でも徳島県剣山のようなブナ帯には少なくない
が、県内では大滝山山頂付近のみにわずかに産する。
現 状 県内唯一のブナ自生地である、大滝山山頂付近 のみにわずかに産する。
危険性・絶滅の要因 大滝山山頂付近は冷温帯樹林から なるが、食樹のブナもわずかであり、生息状況が危機的 である。林周囲の道路等の開発による乾燥化や、人工造 林の圧力が常に懸念される。
文献 235、252
(増井武彦)
選定理由 かつて海岸近くから中間山地にかけて得られ ていたが、最近では確認が難しくなっている。
形 態 近似種のウスキシャチホコが山地性であること と、本種より薄い黄色をしていることで容易に区別でき る。全体が鮮やかな黄色の中型種である。
生息環境 過去に人手が入り放置されたネザサの生えた 明るい丈の低い二次林。そのような人里的環境が最適の ようである。
分 布 九州から北海道まで本土域に産する。荘内半島 詫間町箱峠、高松市屋島・宮窪、東かがわ市(旧大内町)
馬篠のような海岸近くから七宝山、高松市一ノ宮町、西 植田町藤尾山、石清尾山、綾南町陶、塩江町不動滝、戸 石、小豆島の人里近くの11箇所で確認されている。
現 状 人里に近い11箇所で確認されているが最近では
得られにくくなっている。いずれも多産することはな い。
危険性・絶滅の要因 継続的に人手の入ったネザサの生 えた明るい低い二次林を含んだ場所は、住宅・道路など 各種の環境改変が容易におこなわれる。また逆に管理放 棄によって植物遷移が進み適切な生息環境が維持できな くなる恐れがある。
文献 235、252
(増井武彦)
昆虫類
−300−
チョウ目ヤガ科
リンゴケンモン
香川県カテゴリー: 絶滅危惧類(VU)Triaena intermedia 環境省カテゴリー: ――
チョウ目ヤガ科
キハダケンモン
香川県カテゴリー: 絶滅危惧類(VU)Triaena leucocuspis leucocuspis 環境省カテゴリー: ――
チョウ目ヤガ科
クビグロケンモン
香川県カテゴリー: 絶滅危惧類(VU)Viminia digna 環境省カテゴリー: ――
選定理由 主に都市近郊など平地に産しまれに山地で得 られることもある。何れも個体数はごく少ないが、近年 はほとんど姿を見かけなくなっている。
形 態 近縁4種の判別は季節型、雄雌の違いもあり難 しい。本種は開長40〜50で近縁種のなかで最も大型で ある。
生息環境 幼虫はサクラ、ヤナギなど多くの落葉樹を食 べる。人手の入った人里的場所に発生するようである。
分 布 九州から北海道まで全域に普遍的に産する。主 に都市近郊など平地に産しまれに山地で得られることも ある(国分寺町、一宮町、石清尾山、白峰山、琴平山、
大窪寺)。
現 状 主に都市近郊など平地に産しまれに山地で得ら れることもある。何れも個体数はごく少ない。近年はほ とんど姿を見かけなくなっていたが、1997(平成9)年 に矢筈山、2003(平成15)年に五色台で確認された。
危険性・絶滅の要因 都市近郊の人里的環境は農村の急 速な近代化の波で、環境が一変してしまっており、生息 地の復活は困難である。逆に遷移が進みすぎても生息状 況としては良くなく、やや荒地のような環境が必要と思 われる。
文献 91、237、252
(増井武彦)
選定理由 塩江町椛川と三木町虹の滝の2か所で得られ ているのみでまれである。ハンノキ依存種であることか
た め い け
ら河川や溜池等特殊な環境の指標となる。
形 態 リンゴケンモンよりやや小型で、後翅がやや淡 褐色である。前翅の模様がやや鮮明である。
た め い け
生息環境 ハンノキが自生している河川の河畔林や溜池 等の周辺湿地林に生息している。
分 布 中国地方は山口県から北は北海道まで局地的に 産する。四国では香川県からのみ知られている。塩江町
椛川、と三木町虹の滝の2か所で得られているのみでま れである。
た め い け
現 状 近年河川改修工事や溜池改修でハンノキが伐採 され改変が著しいので、確認できていない。
危険性・絶滅の要因 河川改修に伴う河畔林の伐採と
た め い け
溜池改修による周辺樹木の伐採により、生息環境が急激 に奪われている。
文献 252
(増井武彦)
選定理由 香川県内4か所で得られているのみでまれで ある。全国的にも、特殊な環境にのみ産する。
形 態 紫色前翅の模様が鮮明で黒色の外横線が後角付 近で大きく半円状にえぐれているのが特徴である。やや 大型の種である。
生息環境 幼虫がカキツバタ、イタドリなどを食するの で、やや人手の入った人里的場所の湿性の草原環境に生 息するようである。山地の樹林地では得られない。
分 布 九州、四国から本州中部地方を経て青森県が北 限の記録となっている。産地は局地的である。四国内で も産地は数か所しか知られず、県内でも荘内半島詫間町 箱峠、綾上町柏原渓谷、三木町虹の滝、西植田町藤尾山 の4か所で得られているのみでまれである。
現 状 荘内半島詫間町箱峠、綾上町柏原渓谷、三木町 虹の滝、高松市西植田町藤尾山の4か所で単発的に得ら れているが、きわめてまれである。
危険性・絶滅の要因 人手の入った人里的場所でありな がら、湿性植物のある草地を主体とした環境が生息地で あり、そのような環境は常に容易に開発が行われる。
文献 111
(増井武彦)
昆虫類
昆虫類
−301−
チョウ目ヤガ科
キクセダカモクメ
香川県カテゴリー: 絶滅危惧類(VU)Cucullia elongata 環境省カテゴリー: ――
チョウ目ヤガ科
クビジロツメヨトウ
香川県カテゴリー: 絶滅危惧類(VU)Oncocnemis campicola 環境省カテゴリー: ――
チョウ目ヤガ科
ショウブオオヨトウ
香川県カテゴリー: 絶滅危惧類(VU)Celaena leucostigma 環境省カテゴリー: ――
選定理由 主に都市近郊など平地に産し、まれに山地で 得られることもある(国分寺町、一宮町、石清尾山、琴 平山、大窪寺、大川山)。何れの場所でも個体数はごく 少なかったが、近年特に姿を見かけなくなっている。
形 態 紫灰色の長い前翅を有する大型種である。近縁 のタカネキクセダカモクメよりやや明るく。後翅の外縁 部がより黒い。
生息環境 幼虫はキク類やヨメナなどの草食性で、農地 や人里的場所が発生する環境のようである。
分 布 九州から北海道まで全域に普遍的に産する。主 に都市近郊など平地に産し、まれに山地で得られること
もある。香川県内からは国分寺町、一宮町、石清尾山、
琴平山、大窪寺、大川山で得られている。
現 状 主に都市近郊など平地に産し、まれに山地で得 られることもあるが、近年姿を見かけなくなっている。
危険性・絶滅の要因 都市近郊の人手の入った農村部、
人里的場所で草地を主体とした環境は農村の急速な近代 化のもとで大きく変化してしまい、本種の生息環境が失 われてしまっている。生息地の復活は困難である。
文献 91、237
(増井武彦)
選定理由 四国(香川)と本州(新潟、長野、石川)に 産する。全国でもまだ6箇所の産地しか知られていな い。県内では、小豆島寒霞渓で10月に得られているだけ である。
形 態 青味を帯びた暗い前翅の内横線基部と、外横線 下半分外側が白色で、黒いすじ状の横線とともに独特な 模様をしている小型種である。
生息環境 食樹のイワガサが自生している崖地や岩場の 特殊環境を含んだカシを混交した林に依存している。食 樹のイワガサは、崖地や岩場のような乾燥を好む植物で あり、本種はそのような特殊環境に依存している。
分 布 四国(香川)と本州(新潟、長野、石川)に産
し、全国でも産地もまだわずか6か所知られているに過 ぎない。国外では、内陸アジア、モンゴル、アムールに 分布する。県内では、小豆島寒霞渓で得られているだけ である。
現 状 小豆島寒霞渓で得られているだけである。食樹 のイワガサが崖地や岩場のような乾燥を好む植物であ り、生態的にごく限られた特殊環境に依存している。
危険性・絶滅の要因 食樹のイワガサが生息する崖地や 岩場の環境は、防災上の目的でコンクリート化され易 い。
文献 106
(増井武彦)
選定理由 香川県の小豆島寒霞渓で1977(昭和52)年の 1雄のみが西日本唯一の記録である。日本における分布 の西限に当たる。
形 態 全体に前後翅とも茶褐色で中型種であるが、大 きさで個体変異が大きい。白色腎状紋のある型やない型 がある。
生息環境 北海道では低地の湿地、湿原に産し、マコモ、
ヒメガマの混じるようなヨシ群落に生息する。ヒメヒカ ゲと同じように小豆島の山地の湿地が生息を可能にして いたと思われるが、すでにそのような特殊環境は消失し てしまった可能性が高い。
分 布 本州では京都府から北海道まで産し、東北地方 から北海道にかけては比較的産地が多く知られている。
西南日本では小豆島寒霞渓で1977(昭和52)年の1雄の みが唯一の記録である。
現 状 四国でも香川県の小豆島寒霞渓で1977(昭和 52)年の1雄のみが唯一の記録である。
危険性・絶滅の要因 小豆島の山地の湿地が生息を可能 にしていたと思われるが、すでにそのような環境は植林 で消失してしまった可能性が高い。
文献 114
(増井武彦)
昆虫類
−302−