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ガーゼ

ドキュメント内 平成17年年報_ indd (ページ 58-90)

10月~12月

2 ガーゼ

(鋼線なし) 近似部位の手術

鏡視下術後も症状が改善しない ため切開術を行った際に異物を 発見。病理検査でガーゼと推定。

10年以上前の手術のものと考え

られた。

( 2 ) 異残の実例

① ガーゼが体内に残存した事例

ガ ー ゼ が 体 内 に 残 存 し た と い う 医 療 事 故 は 平 成

1 6

1 0

月 か ら 平 成

1 7

12

月までに

8件報告されております。また、ヒヤリ・ハット事例収集事業に

おいてもガーゼを体内に残存させてしまったり、残存させそうになったりした とする報告は多く寄せられています。

一般的にガーゼが体内に残った場合には下の写真のようにX線写真に写ります。

左の X 線写真は人口骨頭置換術の数日後、横方向撮影したものです。拡大部分 にガーゼに織り込まれた X 線不透過の綱線が写っています。

この事例では、この X 線写真でガーゼの異残が判明しました。

この事例では、この写真とは別に、手術直後に正面からの X 線写真を撮影して いました。

ガーゼ

この X 線写真は同じ部位を正面から撮影したものです。拡大してある部分にガー ゼに織り込まれた X 線不透過の綱線が写っています。

【上】正面写真

②鉗子が体内に残存した事例

鉗 子 が 残 存した医 療 事 故 報 告は、平 成

16年 10月から平 成 17

年12月まで の間に2件でした。これらは

2件とも血 管 外 科の手 術において使 用するブ ルド

ック鉗子でした。また、ヒヤリ・ハット事例報告でも同様の事例が

1

件報告され ています。

ブルドック鉗子はチタンのような金属で作られているものと、ディスポーザブ ルのプラスティックで作られているものとがあり、ディスポーザブルのものは 左下の写真のような外観です。これが体内に残存した場合には右下のように鉗 子内部のバネ部分のみがX線写真に写ることになります。

この写真は、手術終了数日後、経過確認のために撮影され、残存が確認された 写真です。

【 左 】 術 数 日 後 に 経 過 確 認 の た め に 撮 影 さ れ た 胸部 X 線写真(正 面)。

こ の 写 真 で は、

異 物 の 確 認 は 困 難です。

【 右 】 同 日 に 撮 影 さ れ た 胸 部 X 線写真(側面)。バネが確認で きます。

こ の 写 真 で 鉗 子 の 残 存 が 発 見 されました。

【下】当該部分を拡大し、コン ト ラ ス ト を 変 え て 分 か り や す く加工した写真です。

この写真は同じ患者の手術直後に撮影された X 線写真です。

実際に患者さんに装着されているワイヤーやチューブ等が写っています。その 中で拡大した部分に鉗子が残存しており、そのバネが写っています。

【上】前頁写真の再掲

【右】当該部分を拡大し、

コントラストを変えて分 かりやすく加工した写真 です。

胸骨を固定する ワイヤー 気管内の挿管 チューブ 心嚢ドレーン チューブ 心電図モニターのクリップ

③吸引嘴

し か ん

管のネジが残存した事例

手 術 用器 械に付 属するネジが残 存したという医 療 事 故 報 告は、平 成

16

10

月 から平 成

17

12

月まで の 間 に

1

件 でした。ヒヤリ・ハット事 例 報 告 で は、ネ ジ が 残 存した 事 例

2件、ネジ を 紛 失した が 遺 残 が な いことを 確 認 できた 事 例 3

件の報告がありました。

この写真は、緊急手術終了直後に撮影された胸部X線写真です。

【右】当該部分を拡大し、コントラストを 変えて分かりやすく加工した写真です。

【左】前頁写真の再掲

【下】吸引嘴管とネジとワッシャー

【上】手術室から帰室した後に撮影した腹部 X 線写真。この写真でネジとワッシ ャーの残存が確認されました。

図表Ⅲ‐4 第15回・第16回 ヒヤリ・ハット事例 記述情報 (手術における異物残存)

No. 具体的内容 背景・要因

【帰室までに遺残物を発見】(ガーゼ等)

1

胃癌に対しバイパス術を実施。16:30頃、手術終 了前の閉腹操作で腹膜縫合を開始したので、ガーゼを カウントすると1枚不足していた。直ちに執刀医に「ガ ーゼが1枚不足しているので確認してください。」と言 ったが、「今日はガーゼを腹腔内に入れていないので、

ガーゼはない。」と言われ、再度看護師で腹腔外のガー ゼをカウントしたがやはり1枚不足していた。再度枚 数が合わないことを報告するが「腹腔内ではなく、外 にガーゼがあることがよくあるじゃないの。」と言わ れ、他の看護師の応援を得て再度カウントするがやは り合わないため、執刀医にX線撮影を要請。腹腔内の 確認はなされずに腹膜の縫合が終了したが、X線撮影 で腹腔内にガーゼが残存していること

が分かった。

・ 今までも時々ガーゼカウントが合わない ことがあり、閉創してからX線撮影しても 大丈夫だと考えた(今まで腹腔内に残存し ていた事がなく、交換した手袋内に入って いたり、手術場の床で発見されたりしてい た。)

・ ガーゼカウントは閉創時に行うため、閉創 時の業務である腹腔内の洗浄の準備、ドレ ーン・閉創糸の準備、手袋の交換など慌た だしい状況下で、看護師だけの確認しかで きておらず医師との協力関係が出来てい なかった。

・ 麻酔医がいないため、執刀医が麻酔覚醒さ せないといけないシステムとなっている。

緊張感の持続と焦りがある。

・ 看護師の 1 人ひとりの確認に任されてい る。

・ 使用するガーゼ量が多く、一包の単位も多 い。(開腹手術用に、30枚/1袋や60 枚/1 袋を準備していた。)

2

乳癌手術の際に、閉創前と閉創開始時にガーゼカウン トを行ったが、何度確認してもガーゼが1枚不足して いた。閉創前に医師にガーゼの不足を伝えたが、「体内 にガーゼの遺残はない。」との返答であった。1/3程 度閉創が済んだところで、執刀医の要請によりX線撮 影を行った結果、創内の鎖骨付近にガーゼの遺残があ ることを確認し取り出した。閉創途中での発見であっ たため、再び開創せずに済んだ。

・ 閉創前のガーゼカウント手順がチーム内 で共有できていないこと。

3

手術終了後、確認のための腹部X線撮影で腹腔内にガ ーゼが残っていたのを確認し、直ちに取り出した。こ の手術については、ガーゼカウントをしていなかった。

・ 慣れのための不注意。

ヒヤリ・ハット事例(手術における異物残存)

No. 具体的内容 背景・要因

4

開腹の手術で後腹膜閉創時、ガーゼのカウントが合わ ず探したところ、後腹膜腔に1枚ガーゼが残っていた。

・ 閉創前にガーゼカウントをしなかった。

5

術後腹腔内へガーゼ残存。術後のX線撮影の結果、ガ ーゼの遺残を確認し取り出した。

・ 術中ガーゼのカウントが合わなかった。

・ 閉腹時、術野にガーゼは確認されず閉復し た。

6

患者は耳鼻科と形成外科が合同で行う手術を受けた。

閉創時、看護師は手術野からガーゼが1枚戻って来な かったので形成外科医に報告するが、「術野にはない。」 との返答だった。外回り看護師に探して貰うが見つか らなかった。再度手術野やその周囲を探して欲しい事 を形成外科医に伝えるが、「術野にはガーゼはない。」

との返答であり閉創した。麻酔科医、耳鼻科医、看護 師で話し合いをした結果、レントゲン撮影で確認して から気管内チューブを抜管することになりX線撮影を 施行。X線不透過のガーゼが写っており、再開創して ガーゼを取り出すことになった。

・ 手術におけるガーゼカウント不一致時の 取り決めがなされていない。

・ コミュニケーションの問題。

・ 形成外科医には、ガーゼが術野に残ってい ないという思い込みがあった。

7

開腹手術の直接介助看護師が、昼休憩のため交代した。

その際、腹腔内にガーゼを1枚挿入中であることを、

交代した看護師に伝え忘れた。閉創前に、ガーゼカウ ントをした際に、ガーゼが1枚不足であることが医師 へ報告された。腹腔内を確認したところ、ガーゼが発 見され枚数が一致した。

・ 手術中のガーゼカウントの伝達漏れと術 者の術野確認不足である。

・ 術中に異物遺残防止マニュアルどおりに 実施されているかどうか十分にチェック されていない。

8

腹腔鏡下胆嚢摘出術で術中胆汁の漏出があり、鏡視下 手術から開腹手術へ変更することとなった。開腹後す ぐに腹腔内にガーゼを3枚入れたため、忘れないよう に紙に記入して覚えていた。閉腹時にガーゼカウント を行うこととなった。まだ開創器がかかっているのに、

「開創ガーゼと腹腔中のガーゼとを含め、ガーゼカウ ントOKです。」と伝えてしまった。医師には中に入っ ていることが伝わっておらず、腹膜を閉じ始めた。半 分ほど閉じかけて、中のガーゼが出てきていないこと に気付き、もう1度ガーゼカウントをしてもらったと ころ、3枚足りないことが分かった。医師に腹腔内を

・ まだ開創器がかかっているのにガーゼカ ウントを行った。

・ 医師に開創器を外してもらうことと、中の ガーゼを出して下さいということをはっ きりと伝えることができていなかった。

ドキュメント内 平成17年年報_ indd (ページ 58-90)

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