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オンラインゲーム

ドキュメント内 一九九〇年代韓国における情報化過程分析 (ページ 31-34)

5.1.1. オンラインゲームの始祖

そもそもオンラインゲームは,インターネット の前身と言えるARPANETの技術者らが時間つぶしのため に文字中心のゲームを作ったのが始まりとされる。本格的なオンラインゲームが市場に姿を見せるのは1980 年のことであり,それは1977年にある高校生が学校の宿題で制作した「ウルティマ」というゲームであった 1) 。現在では実に多様なゲームが市場に出回っているが,中心となっているのは対戦型,またはロールプレ イング型のゲームである。

5.1.2. オンラインゲームの諸相

オンラインゲームといっても様々な種類がある。伝統的なトランプゲームもあれば,ロールプレイング型 のゲームもある。特に後者は個人でプレイ,もしくは個人同士で対戦するというよりも,仮想の共同体を構 成するゲームであったり,その場合が多いのが韓国の特徴であると言える。その結果, 3.4.1.で述べたよう に仮想空間の中でのプレイヤー同士の接触は必然的に多くなり,参加者間のコミュニケーションも豊かにな る。文化的な影響も大きく,企業と年俸制で契約を結ぶプロが存在したり,一日中ゲームの進行を実況・解 説付きで放送するケーブルテレビのチャンネルが存在する。

例えば2001年に流行した「リニッジ(Lineage,血盟・血統の意)」というゲームの中では,各々のプレ イヤーは仮想の共同体組織を構成し,魔法使いや騎士など役割を決め,それぞれの容貌を決めて参加する。

逆に言えば,リニッジというタイトルにふさわしく,またゲームの設定上,ゲームへの参加者は役割や階 級,中央集権を特徴とした封建主義的な仮想の社会システムの中に組み込まれることが要求されるのであ る。

しかし,オンラインゲームで興味深いことは,他の仮想社会および現実社会との関係性である。例えば,

上段で挙げたリニッジにおいて,ピラミッド状の仮想共同体の「長」を務めるプレイヤーは,オンライン ゲームから離れても自分の「家臣」のためにインターネット上でコミュニティを運営して親睦を図ったりす

1) 조동기·김병준·조회경. 연구보고 01-39 사이버문화의 특성과 사회적 영향 . 과천 : 정보통신정책연구 원, 2001 : p.83.

2) 。また,特にゲーム上のイベントとして設定(プログラム)されていないにも関わらず,客を集めてオ ンライン結婚(ゲームの世界だけにおける仮想の結婚)をしたりする例も見られ,ゲームに参加してるとい うよりも,インターネットという別の世界で別の「生」を生きている感すらある。

 また,次の話はリニッジから離れるが,ゲームで使われるアイテムはゲーム内で奪取したり,譲り受けた りして入手するほか,実際の貨幣で購入する場合もあるという。オンラインゲームのアイテム専用の売買掲 示板までも存在するということである。価格も決して安いものではなく,40万ウォン(約4万円)台に始ま り,中にはゲームの中で劇的な効果を示すものに関しては 200万ウォン(約20万円)の売り値が付けられる こともある3) 。これを利用して金儲けをたくらむ者もおり,中にはこのゲームアイテムを売ることを専門と し,一年間に2,000万ウォン(約200万円)以上の収益をあげる者もいる4) 。当然のことながら,アイテムの 現実空間での取り引きにおいて詐欺などの事件が頻発しており,果たしてオンラインゲームのアイテムが財 産として認められるのか否かが問題になったことがある。各オンラインゲーム事業者はアイテムの著作権を 主張し,オンラインゲーム中のアイテムは財産になり得ず,また詐欺やゆすりなどの行為が社会に悪影響を 与えるとしてアイテム取り引きを禁止する条項をオンラインゲームの約款に入れるなどの措置を行った。

ゲーム利用者と事業者の間で議論が交わされたが,結局は公正取引委員会の判断によって,約款にアイテム 取り引き禁止条項を入れることは問題ないとの判断が出された5)

いずれにせよ,ゲームの場以外でもコミュニティを形成したり,現実空間に存在する貨幣で仮想空間に存 在するアイテムを取り引きする,など現実空間と仮想空間の間をいわば「またぐ」事例が観察されるのが興 味深い。

5.1.3. オンラインゲームの中毒性

オンラインゲームは,深刻な社会問題になっているインターネット中毒の原因として挙げられることが多 い。実際,ゲームを数日間プレイし続けた結果,死に至った事例もしばしばに耳にする。 [表5-1]は様々 なゲームの利用者を対象に調査されたものであるが,オンラインゲームを利用する当事者もいわゆる「ハマ りやすさ」を認識していることが分かる。前述したようなシステムを備えたオンラインゲームに魅力を感じ

2) 위의 책 : pp.84-86.

3) 2000年12月26日のレート(1ウォン=0.1000円)に基づく。この章の他の部分も同様。

4) 박현주·이기영·이시은 외4인. "온라인 게임과 아이템". 서울대학교 2001년 제2학기 강의 "정보사회와 사 이버윤리" (담당 정원섭)에 있어서의 발표문, 2001.

5) 공정거래위원회, "사건번호 : 2000약제0995, 사건명 : (주)엔씨소프트의 "리니지"게임이용약관상 불공정 약관조항에 대한 건, 의결일자 : 2000/10/07 (http://ftc.go.kr/data/hwp/case/20001021_2440.hwp)", 공정거래위원 홈페이지 (http://www.ftc.go.kr) , 참조일 2002.12.28., 및

공정거래위원회, "사건번호 : 2000약제0996, 사건명 : (주)넥슨의 '바람의 나라, 어둠의 전설' 등 게임이용약 관상 불공정 약관조항에 대한 건, 의결일자 : 2000/10/07 (http://ftc.go.kr/data/hwp/case/20001021_2439.hwp)", 공 거래위원회 홈페이지 (http://www.ftc.go.kr) , 참조일 2002.12.28.

2.6 13.2 15.8 18.4 50.0 49.3

24.3 18.9 6.1 1.4 2.7

23.2 23.2 24.1 26.8

3.2 16.9 21.0 28.1 30.8

2.0 11.1 20.6 22.2 44.1

モバイル ゲーム ビデオ

ゲーム オンライン

PCゲーム ゲーム アーケード

ゲーム

非常に中毒になっている 多少中毒になっている 中毒になっているかも知れない

別に中毒になっていない 全く中毒になっていない

中毒性区分

出所:조동기·김병준·조회경. 연구보고 01-39 사이버문화의 특성과 사회적 영향 . 과천 : 정보통신정책연구원, 2001 : p.86.

原典:게임종합지원센터. 2001 대한민국 게임백서 , 2001.

   上記資料に基づいて坂hが翻訳,および下線を付与。

[表5-1] ゲーム中毒に対する利用者の意識

る若年層が多いのであろう。

ドキュメント内 一九九〇年代韓国における情報化過程分析 (ページ 31-34)

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