第 4 章 実験
4.3 提案高階ポテンシャルを用いたセグメンテーション
4.3.4 エッジの抽出
データ項
データ項で必要な統計は,確率 P(Xv0 |Lv0) である.Ground Truth でラベル l が付 けられているボクセルの数をnl ,ラベル l が付けられているボクセルのうち,CT 値が x であるボクセルの数をnx,l とすると,
P(Xv0 =x|Lv0 =l) = nx,l
nl (4.12)
を計算することによって取得される.
CT 画像 エッジ抽出画像
図 4.5: エッジ抽出の例.左が入力 CT 画像.右が出力のエッジ抽出画像である.白い 部分がエッジを示す.
CT 画像 Ground Truth ベース結果
wtri4= 0.0001 wtri4 = 0.0002 wtri4 = 0.0003
図 4.6: 直角三角錐状に並んだクリークを用いた高階ポテンシャルを加えたセグメンテー ション結果.高階ポテンシャルの重みを強くすればするほど背景のラベルが増えている.
4.3.6 直角三角錐状に並んだクリークを用いた高階ポテンシャル
3.3.1節で提案したエネルギーEtri4を用いて実験を行う.このとき,エネルギー関数は,
E(L;X) =watlasEatlas(L)+wdataEdata(L;X)+wsmoothEsmooth(L;X)+wtri4Etri4(L) (4.14) となる.
セグメンテーション実行時は,各項の重みパラメータをwatlas = 0.02, wdata = 1, wsmooth=
0.003 に固定して,wtri4 の値を様々に変えて実験を行った.
結果を図4.6に示す.入力画像の領域全体で学習すると,背景のラベルの組の出現確率 が一番高くなるので,高階ポテンシャルの重みを大きくすればするほど,背景のラベル を割り振る領域が増えてしまう.学習領域を分割して,分割した領域ごとに異なる確率 を用いるようにすれば,結果が改善される可能性がある.
Ground Truth ベース結果 |−→
d|= 100 |−→
d|= 150 |−→
d|= 200 図 4.7: 離れたボクセルを用いたクリークのポテンシャルを加えたセグメンテーション結 果.距離が異なる場合を示している.
4.3.7 離れたボクセルを用いたクリークのポテンシャル
3.3.2節で提案したエネルギー Eapart を用いて実験を行う.このとき,エネルギー関
数は,
E(L;X) =watlasEatlas(L) +wdataEdata(L;X) +wsmoothEsmooth(L;X) +wapartEapart(L) (4.15) となる.
セグメンテーション実行時は,各項の重みパラメータをwatlas = 0.02, wdata = 1, wsmooth=
1, wapart = 0.001 に固定して実験を行った.提案ポテンシャルのクリークの2ボクセル間
の距離 |−→
d| を変えてセグメンテーションした結果を図4.7に示す.距離によっては心臓 に穴が空いてしまったり,短い距離では消えてしまっていた脾臓が,長い距離ではセグ メンテーションされるようになっているのが分かる.セグメンテーション結果のJaccard Indexはベース結果のとき 0.7124 ,|−→
d|= 100のとき 0.7056 ,|−→
d|= 150 のとき0.7112
,|−→
d|= 200 のとき0.7175 であった.また,図4.7とは異なる症例で,距離と提案エネ ルギーの重みを様々に変えてセグメンテーションした結果を図4.8に示す.
最適な距離と重みを判断するには至らなかったが,離れたボクセルを用いたクリーク のポテンシャルは,セグメンテーションにとって良い影響をもたらす可能性がある.
次に,3.3.2節で提案したエネルギー EapartF を用いて実験を行う.実験に用いたエネ ルギー関数は,
E(L;X) = watlasEatlas(L) +wdataEdata(L;X) +wapartFEapartF(L) (4.16) であり,平滑化項 Esmooth(L;X) は用いていない.
本実験では,基準となるボクセルの z 座標のみ固定して実験を行った.セグメンテー ション実行時は,各項の重みパラメータを watlas = 1, wdata = 1, wapartF = 1 に固定して
図 4.8: 距離と提案エネルギーの重みを様々に変えてセグメンテーションした結果.距離 は 25ごと,重みは 0.01ごとにセグメンテーションしている.左上の図はGround Truth
,各結果の下の数字は一致率(パーセント表示)を示す.
Ground Truth 座標固定なし 座標固定あり 座標固定なし 座標固定あり 図 4.9: 基準となるボクセルのz 座標を固定した場合とそうでない場合の比較.左から 2 番目と3 番目は2 ボクセル間の距離|−→
d| が 1,左から 4 番目と5 番目は2 ボクセル間 の距離 |−→
d|が 30 のときの結果である.
実験を行った.提案ポテンシャルのクリークの 2 ボクセル間の距離 |−→
d| を 1と 30の 2 通りにしてセグメンテーションした結果を図4.9に示す.座標の固定によって,セグメン テーション結果を改善することは出来なかった.