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IV. インド

1. 調査対象国・地域の現状及びニーズの確認

1.1. 対象国の政治・経済の概況

(1) 人口構成、国土面積、政治・マクロ経済指標、人口構成、国土面積、GDP、政治状況、

主要産業等

1) インドの概要

インド共和国は赤道の北、北緯8度4分 と37度6分の間、東経68度7分と 97度25分の 間に位置しており、国土総面積は3,287,263平方km(日本の約 8.8倍)である。南北に3,214 km、

東西に2,993km、の広がりをもち、南西部にアラビア海、東南にベンガル湾、南はインド洋に

囲まれて海岸線は7,517kmある。長い海岸線に沿って、13 の主要港湾と176の一般港を有し ている。

インドの気候は乾季(11 月~2 月)・暑季(3月~6 月)・雨季(6 月下旬~10 月)に分けること ができる。暑季は日中最高気温が 40℃を超える日が続き、雨季は、モンスーンの影響で雨が 多く、蒸し暑い。しかし、デリーやジャイプル等、北インド内陸部の暑季は、連日 40 度以上 で、乾燥しているが、海に面した南インドのチェンナイでは、気温がデリーやジャイプルと同 程度でも湿度が高い。また、カシミール・ヒマラヤなどの高地では気温が低い。

インドの一般概況を表Ⅳ-1に示す。

表 IV-1 インド一般情報 国・地域名 インド India

面積 3,287,263平方キロメートル(日本の約8.8倍)

人口 12億1,019万人(2011年センサス)※センサスは10年毎に発表

首都 デリー 人口1,675万人(2011年人口センサス)

言語 ヒンディー語、英語、ウルドゥー語、ベンガル語

宗教 ヒンドゥ教(82.7%)、イスラム教(11.2%)、キリスト教(2.6%)など 公用語 ヒンディー語(連邦公用語)、英語(準公用語)

出典:「JETRO国地域別情報」

インドの人口は 2011 年で 12 億 1,000 万強であり、世界で2 番目に多い人口を有し、民主 主義国家として、世界で最も人口の多い国である。インドの出生率は2.9人と高く、今後も右 肩上がりで人口が増えていくと予想されており、2030 年ごろには中国を抜いて世界一になる と推定されている。また、都市人口は全体の 31.2%の 3 億 7,710 万人、農村人口は 68.8%、

8 億 3,309 万人と推定されており、他の途上国に比べて都市部人口が比較的少ない。

人口構成はピラミッド型の典型的な途上国パターンを示しており、年齢中央値は 25歳で労

働人口が豊富である。ただし、近年は、かってほど出生率が高くないため、0-4歳、5-9歳は、

10-14歳に比べ、人口が少なくなってきている。

出典:「アメリカ合衆国国勢調査局」

図 IV-1 インドの年齢構成

2) インドの政治

インドの政治制度の枠組みは、1950 年1 月に施行されたインド憲法により定められ、正義・

自由・平等・友愛の4つの理念を掲げている。

インドは共和制の連邦国家であり、中央集権型の連邦制を採用する一方、州の独立性が維持 されており、世界最大の民主主義国家として議会制民主主義国家であり、政治体制が安定して いることを特徴としている。

中央と州の管轄事項は憲法に定められており、中央は国防、外交、通信、通貨、関税、州は 法と秩序、公衆衛生、教育、農林漁業などを専管事項とする。さらに、中央と州との共管事項 として、経済計画、社会保障、貿易、産業などがあり、中央と州で対立が生じる場合には中央 の法律が優先する。

2004 年5 月に発足した統一進歩同盟(UPA:United Progressive Alliance)は、国民会議派の マンモハン・シン首相のもと、経済自由化政策を堅持しつつ、第 1期の5年間で平均8.5%の 経済成長を達成、農村開発や雇用対策に優先的に取り組んできた。この実績が評価され、2009 年には再選され、第2期シン内閣となっている。第2期ではより早い全ての人々に恩恵が行き わたるような包括的な成長を目指すとともに、農村開発、貧困対策と共にインフラ整備の加速 を課題としている。

表 IV-2 インドの政治体制等 政体 連邦共和制

元首 プラナーブ・ムカジー大統領 (Mr. Pranab Mukherjee) (2012年7月22 日選出)(任期5年)

議会制度 二院制 議会概要(定員数、

発足年、任期)

上院・州会議(ラジャ・サバー) 定数 245名、 任期6年、

下院・人民会議(ロク・サバー) 定数 543名、 任期5年 内閣(主要閣僚) 役職 名前−日本語表記 名前−英字表記 政党

首相 マンモハン・シン Manmohan Singh (国民会議派(INC))

外相 サルマン・クルシードSulman Khurshid

内相 クマール・サンバジラオS.S.Kumar Sambhajirao 財務相 パラニアパン・チダンバラム P.Chidambaram 商工相 アナンド・シャルマ Anand Sharma

備考:2012年7月時点 出典:「外務省各国地域情勢インド、インド政府HP」より

3) インドの経済概況

インド経済は巨大な国内市場を背景にし、GDP 成長率 9 % 以上を 3 年連続で 2008年・

2009 年度まで達成した。しかし、2011 年度の世界的な景気減速、燃料価格の高騰、急激なル

ピー安によるコスト増により、実質 GDP 成長率は 6.5%と 2002年度以来 9年ぶりの低成長 となった。また、2012年の成長率も5.7%と予測されている。この原因は、先行投資の低迷、

消費の低迷、輸出の低調にある。しかし、主要セクターの成長率は減少しつつ、電力、石炭、

セメントなどはインフラ整備の遅れという環境の元、高い成長を維持している。

日本は2011年の投資額で3位の対インド投資国となり、インドに拠点を設ける日系企業は 2012年11月現在で926社で、前年と比較114社、14%増加した。2011 年 8 月に発効した日 本・インド包括的経済連携協定(CEPA)は自動車関連部品を中心に活発に活用されており、

両国の政治・経済関係は今後より一層強固なものへと発展することが期待されている。

図 IV-2 インドの経済成長率の推移

① 産業構造

インドの産業構造は、サービス部門のシェアが大きい。GDP に占める同部門の 2011 年のシェアは 59%である。2011 年度の GDP を産業部門別にみると、製造業がルピ ー安によるコスト増などを反映してわずか 2.5%増にとどまり、前年度の7.6%増と比 較して大幅に減速した。また、鉱業部門は、0.9%減となりマイナス成長となった。GDP の 6割弱を占めるサービス産業部門が 8.9%増と引き続き好調で、経済を牽引した。

農業部門は、2010 年度の大幅回復(7.0%増)を受け、2011 年度は 2.8%の微増とな ったが、モンスーンも例年並みで、コメ、小麦とも史上最高の生産量を更新した。イ ンドの産業別GDPとその構成比率を図Ⅳ-3に示す。

図 IV-3 インドの産業構造とGDP(2011年)

② 貿易と対外投資

インド主要輸入品目は原油・石油製品で、国内石油消費量の 7 割超を輸入に頼ってお り、最大の輸入品目(構成比 31.0%)である。2011 年の原油価格は、年平均で1バ レル当たり 111.9 ドルと前年比31.8%も高騰しており、ルピー安の影響も加わり、原 油・石油製品の輸入コストは大きく上昇した。一方原油・石油製品輸入量では、前年

比 4.7%増とわずかな伸びにとどまっている。その他の主要品目である金・銀も高い 伸びを示し 51.0%増となった。

主要な輸出品目は石油製品(主にガソリン、ディーゼル、灯油等)であり、年比 53.7%

増となり,輸出全体に占める構成比は 18.8%と前年に引き続き最大の品目である。ま た、主要品目の中で顕著な増加がみられたのは輸送機器(部品含む)で、66.3%増を 記録した。自動車輸出や、港湾施設建設用船舶の輸出の増加が著しい。

国・地域別では,金額ベースで過去 3 年に引き続き UAE が最大の輸出先となった。

最大の輸出品目である宝石・宝飾品と石油製品の輸出が 3 割以上拡大したほか、船舶 を中心とした輸送機器が 3.5 倍と急増したことから、前年比26.6%増となった。次い で、米国も 32.0%増と堅調な伸びをみせた。特に鉄鋼製品の輸出が好調で 79.4%増 となった。

表 IV-3 インドの経済概況

項目 2011年

GDP

実質GDP成長率(%)基準年:2004-2005 6.5 名目GDP総額 - ドル(単位:100万) 1,717,947 一人あたりのGDP(名目) - ドル 1,514 消費者物価指数

消費者物価上昇率(%)工業労働者 8.4

消費者物価指数2001=100 195

産業生産指数・エネルギー

鉱工業生産指数2004-05=100 170.3

鉱工業生産指数伸び率(前年比)(%) 2.8

製造業生産指数2004-05=100 181.0

製造業生産指数伸び率(前年比)(%) 3.0

国際収支

経常収支(国際収支ベース) - ドル(単位:100万) -78,498 貿易収支(国際収支ベース) - ドル(単位:100万) -189,759 外貨準備高 - ドル(単位:100万) 268,721 対外債務残高 - ドル(単位:100万) 345,819 為替レート(期末値、対ドルレート)翌3月末値 51.1565 輸出額 - ドル(単位:100万) 305,964 対日輸出額 - ドル(単位:100万) 6,329 輸入額 - ドル(単位:100万) 489,319 対日輸入額 - ドル(単位:100万) 12,101 直接投資受入額 - ドル(単位:100万)実行ベース 35,121 出典:「JETRO国地域別情報」

1.2. 対象分野における開発課題

1.2.1. 造船・船舶修理業の現状

インドの造船業はかつて、国営の造船所振興が中心であり、1992 年まで、民間の造船所は

3,000DWT 以上の船を建造することは許可されていなかった。1992 年に自由化の流れの中でこ

の規制が撤廃され、民間企業の中ではABG 造船所が1998 年にようやく5,000DWT の船舶を建 造した。最近ではインドの民間大手造船所の ABG 造船所、ピパバブ造船所やバラティ造船所で は2007年前の造船ブームの中、大型船を建造できる設備投資がされ、輸出船の建造を行っている。

(1) 設備能力、技術力、人数、修繕内容(実績)

インドの造船産業は大きく次のカテゴリーに分類される。

① 防衛、軍艦及び沿岸警備隊の舟艇を建造する造船所

② 沿岸及び外航貿易に従事する大型商船を建造する造船所

③ 港湾作業船、巻き網船、オフショア船等の注が他特殊用途船と内水、その他小型船 を建造する造船所。

④ その他小型船舶の建造を行う地域密着型小規模造船所。

これらの造船所の施設としては官民合わせて船舶修繕用の幹ドックは34か所あり、これら ドックの内14カ所は8つの主要港により運営されている。ドライドックを持たない港は、ム ンバイ JNPT 港、ニューマンガロール港、チェンナイ港、エノール港及びハディラ港である。

造船所の建造能力(設備能力)と建造船舶種を官営造船所及び民間造船所別に表Ⅳ-4に示す。

表 IV-4 造船会社の種類及びサイズ別建造能力(2011 年 3 月末現在)

号 会社名 建造船種

建造能力(年間)

長さm 幅m 喫水 m

DWT x1000

A 公共分野 合計 259.6

1 Alcock Ashdown (Gujarat) Ltd アルコック造船所

(a) ばら積み船 (b) タンカー

(c) タグ/バージ/OSV

130.0 130.0 63.0

20.0 20.0 14.6

8.7 8.7 4.0

15.0 15.0 1.2 2 Cochin Shipyard Ltd.

コチン造船所

ばら積み船、タンカー、客船、

浚渫船、タグ等含む全船種

250.0 38.0 5.0 110.0 3 Garden Reach

Ship-Builders &

Engineers Ltd.

ガーデンリーチ造船所

(a)各種艦船、上陸舟艇 (b) ばら積み船、海洋機器 (c) 巡視艇

(OPSV)/ホバークラフト

185.0 13.0 3.3 26.0

4 Goa Shipyard Ltd ゴア造船所

各種巡視艇、襲撃艇 調査船、訓練船

上陸舟艇、タグ、浚渫船、客船、

漁船、その他

120.0 20.0 5.0 10.0

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