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インタビュー事例

ドキュメント内 Microsoft Word - 報告書-訂正.doc (ページ 51-62)

 

①Aさんの場合  履歴 

  35 歳、女性。現在は、夫婦と 2 人の娘の 4 人家族。夫とは大学時代の同級生であり、現 在は、同じ市内の別々の病院の臨床医をしている。本来は異動の多い職場であるが、外科 医の中には子どもがいる人が少ないので、勤務地を配慮してもらい、長く同じ病院で働い ている。結婚後も、子どもが生まれる前は、夫と別々に暮らしていたこともある。 

 

日常生活 

  朝 7 時に保育園に子どもを送っていき、7時 15 分か 30 分には職場に到着。夫婦とも勤 務時間が不規則であるため、子どもを保育園に迎えに行くのは大変だが、ベビーシッター を頼んで、なんとかこなしている。週 3 回は 18〜19 時頃ベビーシッターが保育園に迎えに 行き、子どもを寝かしつけ、夫婦のどちらかが帰ってくる 22 時頃まで待っていてくれてい る。月曜日と水曜日は、保育園が開いている 21 時頃までに夫婦のどちらかが保育園に迎え に行くことにしている。子どもたちは夕食を保育園ですませているので、帰ってからは、

迎えに行った方がお風呂に入れて子どもを寝かしつける。週 2 日なら何とか迎えに行くこ とができる。迎えに行く回数は、夫婦で半々。その日の仕事の内容によって、しんどいと 思う場合とうれしいと思う場合があって、今から迎えに行って、家に連れて帰って、お風 呂に入れるのがしんどいなーという日もある。 

  現在、子どもが通っている保育園が見つかったことが幸運で、この保育園がなければ生 活が成り立たない。 

  平日の家事は、ほとんどをベビーシッターとシルバー人材センターに依頼している。朝 は、6 時半から 2 時間、シルバー人材センターの人がきて、子どもの着替え、掃除、洗濯を してもらい、夕方は洗濯物の取り込みと片付け、夕食の準備を依頼している。 

  ベビーシッターも、近所の託児所から派遣してもらっている。大きな会社だと、前の日 の 17 時までに予約をしなければならなかったり、人がころころ変わる場合もあるが、今頼 んでいるところは、急なお願いも聞いてもらえたり、熱が出たときの対応などもしてくれ る。いい人に関わってもらっていると思う。いなかったらどうしていたかわからない。 

 

仕事・家族・友人関係などの優先順位 

  ほとんどが仕事。意識的にというか、無理矢理に。仕事以外の時間ももう少し取りたい と思うが、取れない。もっと子どもと関わりたいという思いや、関われないことへの不安 もあったが、保育士から時間の長さではないと励まされている。もう少し大きくなってき てからの方が不安。いまは無邪気に、いろんな人に甘えられるが、もう少し大きくなって くると、そういうわけにもいかないと思っている。 

 

家事・育児の役割分担 

  ベビーシッターから、ここのお父さんはすごいといわれるほど、育児をしてくれるが、

その割に、子どもに相手にされていないのでかわいそう。同じくらい関わっているのに、

子どもは、私の方にくる。夫は料理が好きで、本を買ってきたり、珍しい食材を取り寄せ たりしている。家にいる方がやる、というのが基本的な役割分担。でも、夫の仕事が休み で、私が仕事のときなど、2 日続けて、子どもの面倒をみるのはさすがにしんどいと言って いる。 

 

夫婦のコミュニケーション 

  コミュニケーションの手段としては、携帯電話のメールをよく利用している。用事や、

今日子どものお迎えに行けるかどうかなどの確認をメールでしている。夫婦での話題は仕 事のことが多い。悩んでいるときなどは、夫はあまり話しかけてこない。 

  コミュニケーションを取る上で、特に気をつけていることはない。無意識にはしている かもしれないが具体的には思いつかない。21 歳の時からつきあっているので、長い過程の なかでできあがっている部分がある。たとえば、以前にけんかになってしまったことは、

しない、言わないというようなこと。 

  子どもが生まれたことで、お互いが大人になった。子どもがいないと言いたい放題で、

気に入らなかったら一緒にいなければいいが、子どもがいるとそういうわけにはいかない。 

  夫とは、友達のような関係。夫も同じように考えているのかもしれない。育った環境も 似ていて、価値観も似ていると思う。 

 

夫との関係におけるストレス 

  ストレスに感じることは、家を汚されること。逆に夫は、私が家を片付け回ることで、

家を汚すとまた怒られると思って、いやだと言っている。私が曲がっているものをまっす ぐに直しているのをみたら、私がいないうちに曲がっているものは直しておかないといけ ないと思って、ストレスを感じているらしい。それ以外のところは、私はストレスを感じ る部分はない。 

  お互いに仕事を持って、家事などを分担しているという現状が、バランスの取れた関係 をつくりだしていると思っている。 

 

家族のコミュニケーション 

  家族がともに過ごす時間は少ないが、休日は、海やキャンプなどレジャーに出かけたり して、家族のコミュニケーションを取っている。周囲からも元気だなといわれるくらい、

頻繁に出かけている。目的は、子どもを楽しませることと、自分たちのストレス発散。子 どもたちに自分たちと同じことを楽しんでほしいという思いがある。実際に子どもたちも 海が好きで、浮き輪でどこまでも行ってしまうようなところがある。 

  ただ、休みの日も、当直や呼び出しが不定期にある。夫婦でいかなければならないこと もあるので、そのときには、保育所に頼んだり、友人に頼んだりしている。 

 

親子のコミュニケーション 

  ばたばたしているときに、子どもが話しかけてきても無視しないようにしている。でき る限り、要求をのむ努力をしている。一緒にいる時間が短いので、できる限り怒らないよ うにしているが、放任しているわけではない。妹をしばいていても、娘に「お母さんもし

ばいとっやろー」と言われて、そうだなーと納得してしまうこともある。保育園にいる時 間が長いからだと思うが、女子高生かなと思うくらい、話すこと、考えていること、態度 などに大人っぽいところがある。上の子だけの時は、私の友達の家を転々としていたこと があるので、そのときに体得したのだと思うが、周囲に対して、気を使ったりするところ がある。自分の母親は、専業主婦だったので、自分にはそういった経験はない。 

  今は仕事があるので、子どもと関わる時間がうれしいが、産休中は、ずっと家にいて、

子どもの面倒をみるのは、しんどいという思いが強かった。産休期間は 1 人目のときは、

産前は 1 日、産後は 7 週間。2 人目の時は、産前が 1 週間、産後が 8 週間だった。 

 

友人とのコミュニケーション 

  仕事関係がメイン。週末に、料理が趣味の夫が、病院の看護師などを多いときには 10 人 くらい呼ぶこともある。共通の大学の友達がいて、家に招いたり、遊びに行ったりするこ ともある。 

 

職場でのコミュニケーション 

  仕事場は、共通の用語が多く、職場の同僚が一番ツーカーの仲。仕事でのコミュニケー ションのウェイトが高い。チームでないとできない仕事なので、コミュニケーションが必 須条件。コミュニケーションができない人とは仕事ができない。 

  子どもが生まれてからは、患者との接し方が変わってきたと思う。患者は、病状や治療 方法などについて、医師が説明したことを正確に理解しているということはあまりない。

言葉は悪いが、だましているというか、すれ違いのままということもある。そのすれ違い が原因で、過剰にいい先生といわれる場合もあるし、その逆もある。正確に理解させたい という思いが以前はあったが、最近はそう思わなくなった。患者とコミュニケーションを 取るときの、相手がすべてをわかっているわけではないという部分は、子育てと似ている のだと思う。子育てを通して、許容力もついてきた。子どもができたら、我慢強くなると 思う。仕事の場面でも、以前だったら、我慢できなかったようなことも、子育てのことを 思ったら、楽勝だなと思えるようになったことがある。 

  思い出 

  結婚1年目に、先に夫がアメリカに留学し、半年位して同じ場所で仕事があったので私 も渡米した。そのときは研究職だったので、子どもを産むなら今しかないと考えて、上の 子をアメリカで出産した。そのときの一連のことが思い出に残っている。 

 

家族という存在 

  自分の生活として仕事に関わっている。仕事がないとやっていけない。夫と自分をつな げているものは子どもではない。病院も仕事の種類も違うので、仕事の仲間という意識で もない。結婚する前から、相手がいるから仕事ができるという思いがあった。それが結婚 した意味でもある。 

  現在は、家族がいるから仕事がきちんとできる。仕事と家庭どちらが大事というわけで はなく、両方があるからバランスが取れている。 

ドキュメント内 Microsoft Word - 報告書-訂正.doc (ページ 51-62)

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