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2011年11月10日

4. アジャイル型開発の普及に向けた課題

SEC

Software Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri

海外における普及要因の調査

http://sec.ipa.go.jp/reports/20120611.html

SEC

Software Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri

海外におけるアジャイル開発の普及要因調査

各調査対象国における普及要因を明らかにするため,次の3項目を調査

駆動要因 土壌 普及要因

① ソフトウェア開発

プロジェクトの比較

(例:プロジェクト種別,

ユーザの関与等)

② IT人材の状況

(例:IT技術者の就労状況や 人材の流動性等)

③ IT人材育成

(教育カリキュラム)の比較

調査項目

日本

デンマーク 英国

米国

中国 ブラジル

調査対象国

調査範囲

欧米の競争力になっているアジャイル開発の普及要因を調査し,

日本における普及や定着を促進する施策のヒントとする.

駆動要因

ビジネス的背景,産業構造等

土壌

人材,社会的環境等

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参考:海外でのアジャイルの台頭

Forrester2010調査:「メインストリームとなったアジャイル型開発」

“1,300人のIT開発者のうち、約半数(45%)がアジャイル手法を使っていると回答

(2009年の調査では35%) … アジャイルと非アジャイルの技術とプラクティスを組み

合わせて、より大きな組織にあうようにハイブリッドにすることに苦闘している。”

(出典 eWeek 2010/1/22: が報じた、Forrester 2010: “AGILE DEVELOPMENT: MAINSTREAM ADOPTION HAS CHANGED AGILITY”)

※ 2010年の調査で、はじめてアジャイルはウォーターフォールを超えた。

自社の中でアジャイルを採用しているチームの数

出典

: Version One

2011 State of Agile Development Survey Results

具体的なアジャイル方法論 回答者のうち2/3 以上が、自社において3つ

以上のチームでアジャイルを実践している

Scrumとその変化形が2/3。ハイブリッドも伸びている

海外普及要因調査

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Scrum Master等の推移から見るアジャイル開発の普及状況

アジャイル型開発方法論で最も有名なスクラムに関する資格者が、2005年以降急増

米国の取得者が群を抜いて多く、ついで英国が多い。日本は極めて少ない(試験は英語)

出典:

Scrum Allianceによる協力

Scrum Master等人数の経年変化

 CSM (Certified Scrum Master)

チーム全体の支援者

CSPO(Certified Scrum Product Owner)

製品の責任者

CSP(Certified Scrum Professional)

スクラムの実践者

略称説明

単位(人)

Scrum Master等の人数の経年変化

2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 TOTAL CSM 5 344 907 2,647 6,841 12,857 22,514 26,886 34,601 43,028 150,630

CSPO 83 503 1,891 3,514 5,325 8,629 19,945

CSP 1 2 14 26 38 116 264 366 534 501 1,862

TOTAL 6 346 921 2,673 6,962 13,476 24,669 30,766 40,460 52,158 172,437

各国の現在のScrum Master等人数 (2012年3月)

米国 英国 中国 デンマーク ブラジル 日本 TOTAL

CSM 67,000 11,800 3,800 3,700 4,600 350 91,250

CSPO 8,000 1,800 400 750 900 120 11,970

CSP 1,100 0 30 30 60 6 1,226

TOTAL 76,100 13,600 4,230 4,480 5,560 476 104,446

単位(人)

単位(人)

各国の現在のScrum Master等人数 (2012年3月)

海外普及要因調査

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ソフトウェア開発プロジェクトの比較 【特徴的データ】

米国では、ソフトウェアに対する投資は「自社開発(内製)」「市販パッケージソフトの利用」が約2/3を 占めている(下図「米国民間部門における ソフトウェア投資」参照)

さらに、他国に比べて多くのIT技術者がユーザ企業に所属している(下図「IT技術者の所属先」参照)

米国のプロジェクトの形態の特徴は、3割が内製していること

941,410

0

1,452,000

450,000 0

771,426

1,446,809

49,024 128,000

100,000 2,362,300

0

554,069

150,000

19,961

254,721

365,416

49,669

104,732

124,170 0

500,000 1,000,000 1,500,000 2,000,000 2,500,000 3,000,000 3,500,000

ユーザ企業

ITサービス企業

出典: 「グローバル化を支えるIT人材確保・育成施策に関する調査」概要 報告書 2011年 3月 (IPA)

N/ A N/ A

IT技術者の所属先

Prepackaged : パッケージソフトを購入 Custom : 外部発注作業

Own account : 自社開発ソフト

出典:「Bureau of Economic Analysis

http://www.bea.gov/national/xls/soft-invest.xls」

単位(人)

73.4

88.2 96.3

Prepackaged Custom Own account

単位(Billions of dollars)

米国民間部門における ソフトウェア投資

海外普及要因調査

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Software Engineering for Mo・No・Zu・Ku・Ri

ソフトウェア開発プロジェクトの比較 【特徴的インタビュー】

過去の5つの政府調達ITプロジェクトの経験から、将来のプロジェクトに対する提言をまとめたもの。

当該資料の付録には、組織、契約、調達側と提供側のコミュニケーション、開発チームの組織、などに 関する31の実践なチェックリストがある。(以下に例)

・できる限り小さく始める。30以下の開発者で最初の納期は6ヶ月以内。

・柔軟な計画変更ができる契約。

・違約金でなく、インセンティブのある契約。

・体制全体に行き渡る、コミュニケーション計画を含むこと。

・実ユーザをフルタイムで参加させ、役割を定義すること。

・調達側と提供側の役割を明確にし、協働でプロジェクトの共通理解を作る活動を、分割した納品の 後に毎回行う。

出典: http://www.tekno.dk/pdf/projekter/p01_Rapport_it_proj.pdf

デンマークでは政府が発注するソフトウェア開発をアジャイル型開発で実施することを推奨 している

※上記レポートを発行しているデンマーク技術委員会(tekno: DBT:Danish Board of Technology)は、デンマーク及びEUの議 会の政治的意思決定者に対してアドバイスをするための機関で、研究省の下部組織。

デンマークでは、アジャイルの採用が進み、現在でも成長していると言える(strong and growing)。何らかのア ジャイル手法を取り込んでいるプロジェクトは半数以上あるだろう。特に、ScrumはITに関与するすべての人が知っ ており、広く利用されている。アジャイルの採用率は高くなっており(予想では50%)、大きな企業でも 取り組みが 始まっている(例: Den Danske Bank -デンマークで最大の銀行 -、Maersk Line IT等) 。政府から、アジャイル 採用の推奨が出ている。

Rapport: Erfaringer fra statslige IT-projekter - Hvordan gør man det bedre (

Lessons from government IT projects – How to do it better

)

(出典: Bent Jensen氏 インタビュー)

海外普及要因調査

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デンマークにおける“ユーザー・ドリブン・イノベーション”

参考

<出典> 砂田薫: デンマークの情報化とユーザー・ドリブン・イノベーション,国際CIO学会 2011年秋季大会予稿,http://cio-japan.waseda.ac.jp/publication.htm

デンマークの電子政府は,ポータルの設計から開発・運用・評価・改善にいた るサイクルで,市民の直接的かつ主体的な参加がみられる点が大きな特徴.

デンマーク政府が利用者にとって使いやすい電子政府サービスの提供に力を 注ぐのは,第一に市民の利便性が向上するためであり,第二にポータルの利 用者が増えるほどインターネットでのセルフサービスが拡大するので行政コスト の削減効果が大きいため.

ユーザーを重視して,ボトムアップでシステムを設計していこうとするデンマーク のアプローチは,分権的な民主主義社会で伝統的に根付いてきたもの.

ユーザー志向が乏しくテクノロジー・ドリブンといえるアプローチを採用してきた 日本にとって,新たな発展の方向としてデンマークのイノベーション戦略は参 考になる.

SEC

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ソフトウェア開発プロジェクトの比較 【特徴的インタビュー】

ブラジルでは、アジャイルは圧倒的(massive)。私たちの80%の顧客がアジャイルを取り入れており、そのうち 半分がアジャイルを「メインの開発手法」としている。普及要因は、やってみて実際の成功率。従来のウォーター フォールよりもビジネスが成功しやすい。それから、これは推測だが、ブラジル人は強い管理が苦手。ソフトな 管理手法の方がマッチしている。また、これは経済が急速に発展していることとも関係すると思う。急速な成 長には柔軟な手法が合う。また、ブラジルは北米と時差がなく、このことは、北米からのソフトウェア開発のア ウトソーシングを受ける受託開発では大きな要因。アジャイルは顧客との高レベルなコミュニケーションが必要。

質問があったときに顧客に電話等で不明点を明らかにできることは、非常に重要。我々の会社は中国にも支 社があるが、中国では米国から受託できない。このように、顧客と開発チームはアジャイルでは、時差が少ない ことが要求される

ブラジルの状況

ブラジルではアジャイル型開発が普及している

実践した結果、顧客のビジネスの成功率が高いことが普及要因

北米からのアジャイル受託開発が伸びている

理由は北米とブラジルは時差が少なく、

リアルタイムコミュニケーションが可能であること

(出典: Bruno Guicardi氏 インタビュー)

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IT人材の状況 【特徴的なデータ】

米国では

IT関連職が人気の職業