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アクチン繊維の高さと輝度との対応付けの妥当性

第 5 章 実験結果とその評価

5.1 アクチン繊維の高さの推定

5.1.2 アクチン繊維の高さと輝度との対応付けの妥当性

高さを制御された蛍光標識アクチン繊維の輝度の減衰がエバネッセント照明に 依存して生じたものであることを示すために,蛍光標識アクチン繊維の輝度に影 響を与え得る要因を検証した.

まず,全反射が生じる界面,つまりスライドガラス表面に静電的相互作用によ り固定された蛍光標識アクチン繊維の輝度の揺らぎを計測した.このとき,蛍光 標識アクチン繊維の輝度は高感度カメラの受光感度に依存するため,測定時の高 感度カメラの受光感度を固定して計測した.その結果,スライドガラス表面での まだら標識アクチン繊維の蛍光輝度の平均値は,画像を8ビット分解能で取得し

た場合に167.5であった.また,その標準偏差は輝度の10 %程度,高さに換算す

ると10 nm程度であった.

次に,蛍光標識アクチン繊維の蛍光輝度の褪色速度を計測した.その結果,観 察中の蛍光標識アクチン繊維の輝度は-0.56±0.18 %/secの速度で褪色した.

さらに,蛍光標識アクチン繊維の観察に用いるイメージインテンシファイアお よび高感度CCDカメラの計測ノイズを計測した.その結果,高感度カメラを用い た顕微鏡像取得に伴うノイズの大きさは,高感度カメラの受光感度に依存して増 大した.その大きさは,高感度カメラの受光感度が最も高い場合に8ビット分解 能で取得された画像で0.2±0.006 %であった.

最後に,スライドガラスの凹凸がアクチン繊維の高さの測定に与える影響を調 べるために,スライドガラス表面およびその表面上に形成されたコロジオン膜の凹 凸をAFMを用いて計測した.その結果,スライドガラス表面の凹凸は±0.44 nm の範囲(図5.1.3),コロジオン膜表面の凹凸は±0.45 nmの範囲(図5.1.4)であった.

これらの凹凸はアクチン繊維の高さの変動のスケールに対して十分に小さい値で あった.また,コロジオン膜の厚さは10.94 nmであった(図5.1.5).そのため,コ ロジオン膜を用いた計測では,アクチン繊維の高さはおよそ10 nm高い値が推定 される.

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図 5.1.3スライドガラス面の平面性

Figure 5.1.3 A planarity of slide glass surface

AFMによるスライドガラス表面の凹凸の計測.上図には,一辺1µmのスライドガラス表面の凹 凸を示した.下図には,一辺3µmのスライドガラス表面の高さの分布を示した.

図 5.1.4スライドガラス上のコロジオン膜の平面性

Figure 5.1.4 A planarity of collodion film on the slide glass surface

AFMによるスライドガラス上のコロジオン膜の凹凸の計測.上図には,一辺1 µmのスライドガ ラス上のコロジオン膜の凹凸を示した.下図には,一辺1µmのスライドガラス上のコロジオン膜 の高さの分布を示した.

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図 5.1.5スライドガラス表面のコロジオン膜の厚さ

Figure 5.1.5 A thickness of collodion film on the slide glass surface

AFMによるコロジオン膜の厚さの計測.スライドガラス表面に形成されたコロジオン膜表面に 傷を付けることで,ガラス表面からコロジオン膜表面までの高さを計測した.上図には,傷のある コロジオン膜の凹凸を示した.下図には,一辺3µmの範囲のコロジオン膜表面およびスライドガ ラス表面の高さの分布を示した.