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ものづくり人材を対象とした教育訓練の実施状況

第4章 ものづくり人材の育成・能力開発の状況

第2節 ものづくり人材を対象とした教育訓練の実施状況

1.ものづくり人材の教育訓練の内容

ものづくり人材を対象にどのような教育訓練の取組を行っているか 複数回答で聞いたと ころ、 「日常業務の中で上司や先輩が指導する」との回答割合が

86.5%と最も高く、

「仕事の 内容を吟味して、 やさしい仕事から難しい仕事へと経験させる」 (

51.6

%) 、 「作業標準書や作 業手順書を使って進めている」 (

46.0

%) 、 「主要な担当業務のほかに、関連する業務もローテ ーションで経験させる」 (34.4%) 、 「研修などの

Off-JT

を実施している」 (31.4%)などがこ れに続いた。

規模別にみると、 「日常業務の中で上司や先輩が指導する」や「仕事の内容を吟味して、

やさしい仕事から難しい仕事へと経験させる」 と日常業務の中で取り組めるものについては、

規模による差はほとんどないものの、 「作業標準書」や「ローテーション」 「研修」など制度 化や手間がかかる取組では規模が小さい企業の実施割合が低い(図表 4-2-1) 。

図表4-2-1 ものづくり人材の育成・能力開発を目的とした取組(複数回答、%)

2.ものづくり人材の教育訓練に向けた環境整備の取り組み

ものづくり人材の教育訓練に向けた環境整備について聞いたところ(複数回答) 、 「改善提 案の奨励」が

45.7%と最も高く、これに「伝承すべき技能の

テキスト化・マニュアル化」

(22.2%) 、 「小集団活動や

QC

サークルの奨励」 (21.1%) 、 「自社の技能マップの作成」 (20.2%)

が続いている。一方、 「特に何も行っていない」企業が

22.7

%と

2

割以上を占めるのが目立 つ。 「

30

人未満」 「

30

99

人」で環境整備全般の取組割合が低く、 「特に何も行っていない」

が、それぞれ

33.0%、15.8%と高い割合になっていることが反映されている(図表 4-2-2)

日常業務の 中で上司や先 輩が指導する

仕事の内容を 吟味して、や さしい仕事か ら難しい仕事 へと経験させ

主要な担当業 務のほかに、

関連する業務 もローテーショ ンで経験させ

新規の業務 にチャレンジ させる

作業標準書 や作業手順 書を使って進 めている

課題を与え て、解決策を 検討させてい

研修などのO ff-JTを実施 している

自己啓発活

動の支援 その他 取り組みは実 施していない 無回答

いずれかの取 り組みを実施 している

全体(n=4280) 86.5 51.6 34.4 18.8 46.0 12.7 31.4 25.0 1.8 1.7 0.4 97.9 30人未満(n=1663) 84.8 54.1 31.2 17.3 36.6 9.5 23.0 16.4 1.8 2.4 0.2 97.4 30~99人(n=1507) 88.6 51.5 36.3 19.1 52.6 12.6 34.9 28.3 1.4 0.7 0.1 99.1 100~299人(n=451) 91.8 45.9 39.7 22.0 65.4 20.0 53.7 44.6 2.0 0.2 0.0 99.8 300人以上(n=116) 92.2 51.7 54.3 36.2 72.4 37.9 62.1 51.7 5.2 0.0 0.0 100.0

図表4-2-2 ものづくり人材の教育訓練に向けた環境整備(複数回答、%)

3.ものづくり人材の Off-JT の状況

(1)Off-JT の内容

Off-JT

の具体的な内容については(複数回答) 、 「仕事や作業をスムーズに進める上で必要

な専門的知識・技能を習得させるためのもの」の割合が

49.5

%ともっとも高く、次いで「仕 事に関連した資格を取得させるためのもの」が

42.9

%、 「

OJT

では取得が難しい体系的な知 識・技能を習得させるためのもの」が

40.1%、

「4S(整理・整頓・清掃・清潔)など、仕事 をする上で基本的な心構えを身につけさせるためのもの」が

39.0

%、 「主任、課長、部長な ど各階層ごとに求められる知識・スキルを習得させるためのもの」が

38.5

%、 「新たに導入 された(導入予定の) 設備機器などの操作方法に関する知識 ・技能を習得させるためのもの」

23.1

%、 「グループ・ディスカッション、ワークショップなどの形式で様々な課題につい て検討していくもの」が

20.4

%となっている。

規模別でみると、 選択の順位に違いがあり、

300

人未満の中小では、どの規模階層でも「仕 事や作業をスムーズに進める上で必要な専門的知識・技能を習得させるためのもの」をあげ る企業割合がもっとも高いが、 「

300

人以上」の大手企業では、 「主任、課長、部長など各階 層ごとに求められる知識・スキルを習得させるためのもの」の階層研修をあげる企業割合が トップになっている。 「

30

人未満」 「

30

99

人」規模で階層研修をあげた割合はともに

5

位 と順位が低い。逆に、規模が小さいほど「4

S

(整理・整頓・清掃・清潔)など、仕事をす る上で基本的な心構えを身につけさせるためのもの」をあげる順位が上位にきており、 「30 人未満」では

2

位で、 「

300

人以上」では

6

位となっている(図表 4-2-3) 。

技術伝承 のための 専門組織 の設置

チューター 制度・メン ター制度な

ど育成対 象の従業 員ごとに専 任の指導 者を配置す る取り組み の導入

伝承すべき 技能のテ キスト化・

マニュアル 化

ものづくり 人材ごとの 育成計画

の作成

自社の技 能マップの 作成

社内検定 など能力評

価制度の 導入

改善提案 の奨励

小集団活 動やQC サークル の奨励

優れた技 能を持った

技能者の 顕彰・報奨

技能大会 の開催等 社内の技 能尊重風 土の醸成

その他 特に何も 行っていな

無回答

何らかの環 境整備を 行っている

全体(n=4280) 4.1 12.8 22.2 13.0 20.2 9.0 45.7 21.1 11.0 2.8 1.9 22.7 3.0 74.3 30人未満(n=1663) 3.0 12.0 20.0 7.8 12.0 5.3 34.2 11.4 7.7 1.1 1.9 33.0 3.1 64.0 30~99人(n=1507) 4.1 12.6 24.5 16.3 25.1 9.8 52.6 24.4 11.5 2.6 1.9 15.8 2.0 82.2 100~299人(n=451) 4.0 13.7 28.8 22.6 36.8 18.6 71.0 44.6 16.9 5.8 2.2 5.1 1.1 93.8 300人以上(n=116) 16.4 31.9 37.1 28.4 45.7 26.7 75.0 64.7 32.8 22.4 0.9 2.6 0.0 97.4

図表4-2-3 現在実施しているOff-JTの内容(複数回答、%)

(2)Off-JT の実施方法

Off-JT

の実施方法については(複数回答) 、 「業界団体・協同組合が実施する研修を活用」

すると回答した企業割合が

36.1%ともっとも高く、次いで「取引先や使用機器メーカーが実

施する研修を活用」が

35.5%、

「民間教育訓練期間が実施する研修を活用」が

34.3%、

「熟練 技能者など社内の人材を活用」が

32.5%、

「親会社・関連会社が実施する研修の活用」が

25.5%、

「ポリテクセンターが実施する研修を活用」が

21.0%、

「工業技術センターが実施する研修 を活用」が

12.7%、

「都道府県立技術専門校等が実施する研修を活用」が

10.2%、

「大学等の 研究機関に従業員を派遣」が

2.7%となっている。規模別にみると、公的な「工業技術セン

ター」 「都道府県立技術専門校」を活用している割合は、 若干ではあるが規模が小さいほど高 くなっている。 一方、 「民間教育訓練機関」の活用割合は、規模が大きいほど高くなっている。

また、活用の水準自体がわずかな「大学等」ではあるが、規模が大きいほど活用割合は高く なっている(図表 4-2-4) 。

図表 4-2-4 Off-JTの実施方法(複数回答、%)

全体 1346 39.0 40.1 49.5 23.1 42.9 20.4 38.5 1.7 9.1 30人未満 382 35.6 27.2 42.4 20.9 32.5 14.1 24.9 2.1 16.2 30~99人 526 43.2 43.2 48.9 22.2 47.0 18.8 39.7 1.5 5.9 100~299人 242 36.8 48.8 62.0 30.2 54.5 28.1 53.3 2.1 2.9 300人以上 72 36.1 58.3 61.1 23.6 59.7 47.2 73.6 1.4 1.4

n

使

全体 1346 32.5 25.5 21.0 10.2 12.7 35.5 36.1 34.3 2.7 4.2 7.3 30人未満 382 29.3 17.8 17.0 11.8 15.7 31.7 34.3 21.7 2.4 3.7 9.7 30~99人 526 30.0 23.8 24.3 11.2 11.4 35.6 37.1 35.4 1.5 5.7 5.7 100~299人 242 31.8 36.0 22.3 9.5 14.0 41.3 40.5 53.3 4.1 3.3 4.5 300人以上 72 61.1 47.2 19.4 8.3 6.9 37.5 41.7 52.8 9.7 2.8 1.4

(3)Off-JT 実施のための環境整備の取り組み

Off-JT

の実施に向けた予算建てや準備などの状況についてたずねたところ(複数回答) 、

「教材・研修などに関する情報の収集」をあげる企業割合が

54.1%ともっとも高く、次いで

Off-JT

のための予算を毎年確保」 (

30.4%)

、 「

Off-JT

の企画 ・ 立案担当者の指名」 (

19.5%)

「Off-JT のための教材や機材・設備の用意」 (12.7%)の順となっている。特段の「取り組 みは行っていない」ところも

11.6%あった。規模別にみると、どの取り組みも規模が小さい

ほど実施割合が低くなっている。比較的手間や予算のかからない「情報収集」での規模間差 はあまり大きくはないが、負担が大きいと思われる「予算確保」 「担当者の指名」 「教材・機 材の用意」では規模間差が顕著に出ている(図表 4-2-5) 。

図表4-2-5 Off-JTの実施に向けて実施していること(複数回答、%)

(4)Off-JT に対する注力の程度

Off-JT

にどの程度力を入れているか、 同規模の同業他社と比べた評価についてたずねたと

ころ、 「同業他社と同程度」とする企業割合が

53.4%と過半数を占め、次いで「同業他社よ

り力を入れている」 (

21.8%)

、 「同業他社より力をいれていない」 (

17.5%)の順となってい

る。規模別にみると、規模が小さいほど「同業他社より力を入れていない」割合が高くなっ ているものの、 「同業他社より力を入れている」割合は、

300

人未満( 「

30

人未満」

20.4%、

30

99

人」

25.1%、

100

299

人」

21.1%)の方が「300

人以上」 (

15.3%)よりも高く

なっている。

300

人未満の中小零細企業でも、 「力を入れている」 割合が「力を入れていない」

とほぼ拮抗するか、上回っており、規模が小さいからと言って必ずしも

Off-JT

に対する意欲 が低いというわけではないようだ。 「

300

人以上」の大手企業では、他の規模階層と比べて、

「同業他社と同程度」の割合が約

7

割(69.4%)と高くなっているが、これは、そもそも

Off-JT

の実施自体が大手企業では標準的なものとなっているためと推測できる (図表 4-2-6) 。

n

|

|

|

全体 1346 30.4 19.5 12.7 54.1 1.9 11.6 9.4

30人未満 382 15.4 11.3 8.4 52.1 2.1 18.3 12.0

30~99人 526 29.1 21.3 12.5 53.8 2.7 11.0 7.0 100~299人 242 47.1 24.8 14.5 60.7 1.2 5.0 4.1

300人以上 72 70.8 48.6 37.5 63.9 0.0 1.4 1.4