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まとめ

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第 4 章 高磁場下での磁気抵抗効果 39

4.3 まとめ

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5 章 総括

本研究は、半導体二次元正孔系にアンチドット格子という周期的なポテンシャル変調を加 えた系における磁気輸送現象についての実験的研究を行ったものである。以下に結論をま とめる。

低磁場における整合性磁気抵抗とAB型振動

アンチドット円周よりも平均自由行程の方が短い系において整合性磁気抵抗を観測した。

整合性磁気抵抗はアンチドット周期、アンチドットの直径、格子配置の異なるすべての試 料において観測された。特に、アスペクト比が小さな試料で明瞭な整合性磁気抵抗を観測 した。整合性磁気抵抗の起こる磁場位置を解析することで、軽い正孔のピン止め軌道ある

いはrunaway軌道を反映していることを明らかにした。整合性磁気抵抗効果においては有

効質量が小さく、サイクロトロン振動数が大きな軽い正孔による効果のみが観測された。

アスペクト比(直径/周期)が大きく、空乏層化される部分を考慮した最細幅がフェルミ 波長程度の正方格子試料において整合性磁気抵抗上に格子の単位胞面積を反映したAB型 振動を観測した。このAB型振動のパワースペクトルには軽い正孔と重い正孔それぞれの 軌道を反映した成分が含まれていることを示した。またアスペクト比が大きい為カオス的 な軌道をとる正孔も多分に含まれていることが予想された。一方で、AB型振動の温度依 存性を解析することでエネルギー間隔を見積もり、AB型振動がアンチドット周りを回る ことで量子化されたエネルギー状態密度の構造を反映したものであることを確認した。そ して、エネルギー間隔からAB型振動に寄与するキャリアの有効質量を算出した。この結 果を電子系で行われた結果と比較すると、主として軽い正孔がAB型振動に寄与している と推測された。

高磁場におけるAB型振動

測定した試料のうち幾つかの試料が量子ホール遷移領域でアンチドットの面積を反映し たAB型振動を起こした。振動の温度依存性を解析することで、低磁場におけるAB型振 動と同様にエネルギー状態密度の微細構造が起源であることを確かめた。異なる試料の振 動強度を比較するとAB型振動が強くなる条件として、最細幅が狭くアンチドット格子で 後方散乱が起きやすいこと、ホールバーの電流端子幅が狭いことが重要であることを指摘 した。異なるフィリングにおける振動周期を解析することで、高磁場におけるAB型振動 は最も外側に局在したエッジ状態間を非局在状態がトンネルすることによって起こってい るものと理解された。

複合フェルミオンによる整合性磁気抵抗効果

零磁場付近に整合性磁気抵抗を観測した試料のフィリングν= 1/2付近の振る舞いを詳 細に調べた。しかし、振る舞いは未加工のホールバーとほぼ同一であり複合フェルミオン による整合性磁気抵抗の効果を観測することはできなかった。効果が見えにくくなる理由 としては、複合フェルミオンの平均自由行程が短いことが挙げられた。

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